灰の境界線~第十三話~
「わあぁ!?」
目を覚ました時、大量の剣を突き付けられていると錯覚した。
思わず叫んでしまったが、そこへ明るい声が響いた。
「アルマ! 起きたの!?」
え、となって顔を横に向けると、そこにはタオルを持つエミリがいた。
それでやっと、ここが武器屋ミモレットで、突き付けられたのは天井から下がる剣達だと理解する。
アルマは身体を起こそうとするが、エミリに押さえつけられる。
「ダメ! 熱が出てるんだから、寝てないと!」
「え、熱……?」
言われて身体が熱いことに気づく。
「他に気持ち悪い所ない? 大丈夫?」
「あ、あぁ、大丈夫……それより、どうして私はここに?」
記憶を掘り返す。ボティスとの戦いを終えた後、ベルとの憑依が解けて……。
そこまで思い出してハッとする。
「ベルは!?」
辺りを見回す。しかし、彼女の姿はどこにもない。
エミリは慌てるアルマを落ち着かせようと、肩を何度も叩いた。
「落ち着いて。私は、貴女が倒れたところまでしか知らないの。でも、貴女の事を介抱してくれって言った悪魔がいるの」
「あ……!!」
「アルマ、どういうことなのか説明してくれる?」
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