五音
五音(五臓に対応する音)について説明いたします。
①基本的な対応関係
木(肝):角音(かくおん)
火(心):徴音(ちおん)
土(脾):宮音(きゅうおん)
金(肺):商音(しょうおん)
水(腎):羽音(うおん)
②音名の由来
❶角音=ミ
「角」は動物の角(つの)を意味し、木から生えるものとして木の性質と結びついており、上方向への成長や発展を表現しています。
❷徴音=ソ
「徴」は「あきらか」という意味で、明るく燃え上がる火の性質を表現
❸宮音=ド
宮廷や王宮を表す「宮」から来ています。中心的な音として位置づけられ、土の性質を表現しています。
❹商音=レ
古代中国の商(しょう)という方位や地域に由来しており、金属的な響きを連想させる音として金の性質を表現しています。
❺羽音=ラ
鳥の羽から取られた名称です。水が流れ下るように、下降する水の性質を表現しています。
③五音の特徴
❶角音(木)
特徴:高く緊張した声、怒声、不安定な声
病理的反映:
▶︎肝気鬱結
▶︎肝陽上亢
▶︎肝風内動
音楽療法:柔らかな角音の使用、緩やかな上昇音、春の自然音
❷徴音(火)
特徴:明るく高い声、笑声、興奮した声
病理的反映:
▶︎心火上炎
▶︎心神不寧
▶︎心陽亢盛
音楽療法:穏やかな徴音、軽快なリズム、夏の自然音
❸宮音(土)
特徴:中庸の声、安定した声、歌声、思考的な声
病理的反映:
▶︎脾気虚弱
▶︎思慮過度
▶︎運化失調
音楽療法:安定した宮音、調和のとれたリズム、土用の自然音
❹商音(金)
特徴:清らかな声、悲声、収斂した声
病理的反映:
▶︎肺気不足
▶︎肺陰不足
▶︎気機失調
音楽療法:清澄な商音、収斂する音、秋の自然音
❺羽音(水)
特徴:深い声、沈んだ声、恐声
病理的反映:
▶︎腎気不足
▶︎腎陽虚衰
▶︎精気不足
音楽療法:深沈な羽音、安定した低音、冬の自然音
④季節との関連性
❶春季(角音)
正常反応:
▶︎声が明快
▶︎高音が心地よい
▶︎活力がある
異常反応:
▶︎声が不安定
▶︎高音に過敏
▶︎易怒
❷夏季(徴音)
正常反応:
▶︎声が明るい
▶︎音楽を楽しむ
▶︎活発な表現
異常反応:
▶︎声が過度に興奮
▶︎音に過敏
▶︎落ち着きがない
❸長夏(宮音)
正常反応:
▶︎声が調和
▶︎バランスが良い
▶︎安定した表現
異常反応:
▶︎声が単調
▶︎表現力の低下
▶︎意欲減退
❹秋季(商音)
正常反応:
▶︎声が清澄
▶︎表現が適切
▶︎収斂がある
異常反応:
▶︎声が悲しげ
▶︎過度に抑制的
▶︎表現力不足
❺冬季(羽音)
正常反応:
▶︎声が深い
▶︎力強い
▶︎落ち着きがある
異常反応:
▶︎声が弱い
▶︎恐れが強い
▶︎活力不足