タミヤ1/72晴嵐#5(完)~考証的な話
タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.37 愛知M6A1 晴嵐
(TAMIYA Warbird collection AICHI M6A1 SEIRAN)
考証的な話です。
文献などにがっつり当たって徹底調査したような話ではなく、webからざっくりと拾ったレベルですのでご了承ください。
実機についてはwikipediaなどを参照してください。
晴嵐の塗装
webで拾える画像はwikipediaにも載っている海軍航空技術廠で試験中のものとみられる機体(コ-A15)とアメリカ・スミソニアン博物館所蔵のものの2種類。
もう一つ「乗り物ニュース」というサイトに1枚あるのですがこれはどこの物か不明。コ-A15の別写真のようにも見えるけどどうでしょうね?台車も違ってます。
空技廠 コ-A15
機体やフロートの側面に下面色が回りこんでるようには見えず、少なくとも側面やフロート、フロート支柱は全面濃緑に見えます。
食玩などでは側面にオレンジが出てるが違うんじゃないかな~?という感想。下面は試験機塗装のオレンジか明灰色かは不明。
垂直尾翼の方向舵が塗分けられています。戦争末期なので全面派手なオレンジは避け、上面濃緑でここだけオレンジ色にしたのかな~?と妄想してみる。
※追記(2024/5/5)
某飛行機モデラーさんの裏ページにて晴嵐のカラー写真を発見。
残念ながらかなり痛んだボロボロの機体で尾翼がもげており所属は不明。
ですが、塗装剥げの様子からオレンジ塗装の上に濃緑が上塗りされているのがわかるため、上記コ-A15と同様の試験機だろうという推測ができます。
全面オレンジだったものを濃緑に上塗り。オレンジが残されたのは主翼下面・胴体後部下面・フロートの下面のみのようです。ラジエターも濃緑。
スピナーは茶ではなく濃緑塗装で形状は丸型?日の丸は白フチあり。尾翼の塗装は破損脱落しているので不明です。
※裏ページが出所のため文字だけですみません。
スミソニアン
現在のスミソニアンの機体はレストアして塗り直しされているので当時の塗装を再現していない可能性がありますが、ほぼ当時と同じようです。
スピナーはキット指示と違って濃緑色ですね。
水平尾翼の偏流測定線は前縁のみで短いです。
この機体は終戦直後に愛知航空機の工場で接収されたものらしく、部隊配備前なので尾翼の識別番号は未記入。
同じ愛知製の艦爆「彗星」のように胴体後半の塗分けが波状になっています。塗分けのぼかしはほとんどなくくっきり気味。
また日の丸の白フチがありません。
こちらはスピナーが機体上面とはトーンが異なる色に見えますので茶色?。
乗り物ニュース掲載写真
「乗り物ニュース」掲載の画像はコ-A15と同じように見えるのですが、ちょっと不鮮明でわかりません。
フロートに描かれた台車位置を示すラインが中抜きもしくはフチありになっています。
ウルシー奇襲作戦時
また、有名な話ですが終戦直前のウルシー泊地攻撃作戦の出撃時は、米軍機に偽装するため銀塗装に星を描いていたそうです。
ただ、それが実際にどんな塗装だったのかは想像の域を出ませんが…。
ちなみに「艦これ」では翼にでっかく「試製」って書いてあるけど実際にはそういうものを描いたりすることは無いですよ。
プラモの塗装図
「K-」の識別番号の631空のマーキングとして塗装例が載っていますが、この631空の晴嵐の当時の写真はwebでは見つけられませんでした。
作例はスミソニアンの塗分けを参考にしつつおそらくタミヤの担当がフィーリングで塗ったんではないでしょうか?
デカールの日の丸ラウンデルも、戦争末期なのでおそらく白フチなしが正解かな~とも思います。
フロートと爆弾
キットの標準作例になっているフロート+800kg爆弾という組み合わせは実際にはそういう運用はしなかったとのこと。なので架空設定ですね。
コ-A15の当時画像では両方装備しているように見えますが、爆弾が小ぶりなので800kgではないと思います。(250kgかな?)
また前の記事でも述べましたが、爆弾の懸架が正面から見て回転軸で45度ずれてます。(爆弾のヒレが正面から見て+ではなく×に見えるのが正しい)
潜水艦搭載時はフロートは外しており、カタパルトで射出し、帰りは胴体で不時着する(もしくは帰らずに体当たり)という運用を想定していたそうです。
フロートはおそらく訓練時や基地での運用を想定した装備でしょう。
キットの選択オプションは?
スピナーと照準器が選択になっていますが、選択の根拠が何にも書いてないので選びようがないです。好きに付けたらええねん!ってこと?
・試験機型(コ-A15)
スコープ式照準器の取り付け基部みたいなのが映っている。スピナーは丸型?
・実戦配備型(スミソニアン)
光像式照準器タイプでとんがりスピナー?
って感じでしょうかね。
その他細かい点
キャノピー右側面に小さいピン状の部品を付けるがこれはここでいいのかな?
スミソニアンのは右じゃなくて左に何かついてるような感じだけど。
というわけでつらつらと思うままに書いてみました。
晴嵐関係の記事はこれで〆になります。
雑な考察なのであまり真剣に受け取らないでいただけるとありがたいです。
あからさまな間違いがありましたらご指摘いただければ幸いです。
細かいこと言ってますが、なんだかんだ言っても好きに作って好きに塗るのが一番です!