NLP2023に参加しました & NLP2023参加報告会を実施しました
こんにちは、Money Forward Labの山岸です！
Money Forward Lab（以下Lab）は、マネーフォワードのValueの1つでもある「テクノロジー・ドリブン」 を体現し、さらなるデータの可能性を追求するために設立された、社内研究組織です。
私はコンピュータでテキストを扱う技術である自然言語処理（NLP）の研究員として、社内の課題解決・新規技術の研究などを行なっています。
この記事では、2023/03/13 - 03/17 に沖縄で開催された言語処理学会第29回年次大会（NLP2023）の参加報告と、その後4/5にマネーフォワード本社のイベントルーム“Work Lounge”にて実施した「NLP2023 参加報告会 presented by Money Forward Lab」の振り返りをします。
NLP2023の参加報告
前述の通り、沖縄で開かれたNLP2023に参加しました。マネーフォワードから、Labの山岸とAI推進部でインターンをしている満石さんの2名が発表を行ったほか、ゴールドスポンサーとしてスポンサーブースも出展しました。
発表者として
私はチャットボットのメンテナンス方法の提案技術について発表しました。チャットボットといえば今話題のChatGPTがイメージされると思いますが、本研究は昨年夏から取り組んでいた内容だったため、従来からある素朴なアルゴリズムに基づく応対をするチャットボットになります。
チャットボットを運用するに当たっては、日々のメンテナンスが重要となります。例えば、新たなプロダクトや機能のリリース、法改正などにも対応できるようにしたり、既存の回答事例を読みやすくしたりする改良が挙げられます。しかし、プロダクト（の機能）やユーザ数が増えていくにしたがって適切なメンテナンスを施すための現状把握をする手間も増えていきます。
そこで本研究では、過去の応対事例に対して適切なメンテナンス方法を提案する仕組みを研究しました。詳細は論文をご覧ください。前半は技術者でなくても読める内容だと思います。
発表当日はポスター発表（A0サイズの紙に印刷したポスターの前に立って説明する形式）で2時間ほど、来ていただいた方にご説明しました。ありがたいことに2時間ずっと周りを囲まれており、かなり盛況だったのではと思います。主に企業研究者の方にお越しいただいたことから、各社チャットボットに強い関心があるように感じました。中には事前に公開されていた論文を読んでいただき、「個人的には好きな論文だった」と声をかけていただいた方もいて、純粋に発表してよかったなと思いました。お越しいただいたみなさま、ありがとうございました。
聴講者として
私の言語処理学会の参加は、大学院生だったNLP2019以来4年ぶりの参加でした。その当時と比べて、以下のような傾向があるように感じました。
事前学習済みモデルのツール化
新たにデータセットを構築して分析・議論する研究の増加
NLPの応用・実運用に向けた研究の増加
特に3つ目を強く感じました。企業のR&D担当者になって4年が経ったので、目に留まるようになっただけかもしれませんが…。今後はChatGPTを起点に新たにNLPの利活用を検討する方が増えると思いますので、さらに実応用に向けた課題やそれに対する研究も進むことを期待しています。私も頑張りたいです！
論文集を読んでいるだけだと興味があるテーマの発表だけを見てしまうのですが、現地参加すると思いもよらないところでいい発表が多く見つかります。ここ数年はオンライン会議も普及しましたが、こういったところは現地参加の会議の強みだなと強く感じます。来年も現地参加したいです。
スポンサーとして
スポンサーブースには130名以上の方にお越しいただきました。オンライン含めた大会参加者が1800名ほどだったので、約1割の参加者にお越しいただいたことになります。私はあまりブースにいられなかったのですが、それでも多くの方とお話できました。
このほか、人事 田鍋さん、技術アドバイザー 貞光さんもいました。
ブースにお越しいただいた方にアンケートを実施したのですが、なんと6割の方がマネーフォワードMEの使用経験があるそうです！
マネーフォワードという会社をご存知の方は多くいらっしゃいました。しかし、しかし、テキストデータを扱っているイメージはあまりないようで、マネーフォワードでのNLPの利用シーンについて多くのご質問をいただきました。NLPが活かせるデータとしては、家計簿・会計の明細に含まれる店名などの数単語レベルの小さなデータから、請求書・契約書等の文書レベルの大きなデータまで、大量のデータを保持しています。これらは製品の使いやすさの向上や、よりユーザーフォーカスなサービスを実現するための分析などに活用しています。数値データ・テーブルデータも当然ありますし、よかったらカジュアル面談などでお話しできればと思います。
また、ブースに展示していた発表ポスターの内容にも強い関心を寄せていただいたように感じました。論文発表ができる組織であることをアピールできたかなと思っています。また来年も、発表とセットで参加したいものですね。その他ブースの詳細はLabのうぇるだんさんの記事をご確認ください。
NLP2023参加報告会
大会が終わった3週間後の4/5に、NLP2023の参加報告会をしました。マネーフォワードの本社にて、オフライン限定での実施でした。
NLP2023は過去最大規模の大会でした。同じ時間に6会場で発表が行われていたため、気になっていた発表を聞けなかった参加者も大勢いたはずです。そこで、自身の発表や面白かった他者の発表をLT形式で共有していただき、「こんな発表あったんだ！」といった新たな知見を得てほしいなと思い、参加報告会を実施しました。
参加報告会 / 振り返り会などはRubyKaigiなどのプログラミング言語系のテックカンファレンスではよく実施されているらしいのですが、学会では見かけない企画だと思います。学会参加は初めてだけど、テックカンファの経験が豊富なマネフォの技術広報陣だからこその提案をしていただきました。
これを書いている私は、正直connpassで募集をかける寸前まで「こんなのやって、本当に参加者いるの？」と思っていたのですが、いざ募集をかけてみると予定していた枠はすぐに埋まってしまいました。参加いただいたみなさま、ありがとうございました！
（会場のキャパシティの都合でお越しいただけなかった方や遠方にお住まいでご参加いただけなかった方は申し訳ございませんでした🙇）
参加報告会では、当社から2名（Labの山岸、インターンの満石さん）、社外から4名（東京都立大の木山さん、東京理科大の山本さん、サイバーエージェント AI Labの三田さん、LINEの佐藤さん）の計6名によるLTを実施しました。内容は笑いあり学びありで、小規模なイベントだから話せる裏話などを聞くことができました。 #nlp_mf でも盛り上げていただいたので、こちらを見ていただければ当日の雰囲気はかなり伝わるのではないかと思います。
ご登壇いただいたみなさま、Twitterや現地を盛り上げていただいた参加者のみなさま、ありがとうございました！
司会のMoney Forward Lab うぇるだんさんもグッジョブでした👍
LT会のあとは懇親会をしました。こちらも大盛り上がりでした。各々、学会の思い出話などに花が咲いていて、田町周辺で2次会をしていた方もいたようです。こういった雰囲気を作りたくてオフライン限定にしたので、大成功だったかなと思います。終わった後の #nlp_mf には、「めっちゃ楽しかった！」「オフィスきれい」「オフィスおしゃれ」「マネフォ楽しそうすぎる」「発表面白かった、いい振り返りになった」など、ありがたいコメントが多く寄せられていました。
また、参加者アンケートを実施したところ、お答えいただいた22名の平均満足度が4.9/5.0でした。「学会から少し経ったちょうどいいタイミングで開催していただき、いろんな視点から気になる論文を知れました」「オフラインイベント楽しかったです」「オフラインでの登壇楽しかったです」などのコメントもいただき、参加者のみなさんにもご満足いただけたようでした。
さいごに
大学時代や前職も含めて7年くらい自然言語処理に関わってきたのですが、ChatGPTのブームもあり、過去一番NLPが注目されている時代ではないかと思います。そんな中で、初出展したスポンサーブースに大会運営陣がご挨拶に来てくれるなど、新規参入者を暖かく迎え入れてくれる土壌があるNLP界隈の雰囲気がとても好きです。いい雰囲気だなと強く感じます。また来年、神戸でも発表できるように努力しないとですね。
さいごに、参加報告会に「NLP2023」という大会名を使うことを許可していただいた大会運営のみなさまに謝意を表します。みなさま、ありがとうございました！
Money Forward Labでは、一緒にお金のメカニズムを解き明かすための研究をしてくれる仲間を募集しています。カジュアル面談も実施しておりますので、お気軽にご連絡ください。
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