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<お受験コラム>志望園の決め方で合否が分かれる その1 国立/私立小学校の授業スタイルの違いからご家庭との適性を見定める

 「志望園の決め方」の重要性をご理解いただくため、まずはソフトに、卒園後を見越し、小学校の授業について、親としての体験談や当会ご出身者のお話を踏まえてご紹介します(次回以降比較的ハードな「決め方」に迫ります)。
 幼稚園受験を経てその後小学校へと進むのですが、各園の違いが自由保育かそうでは無いかが主となる幼稚園の保育に比べ、小学校は学校生活の多くを占める授業のスタイルは各校で大きく違います。これは親御様が考えるお子様の将来像などに関係し、また志望理由にも繋がります。幼稚園受験に際し小学校まで意識していなければ、本noteご一読いただき、志望園の検討の際にお役立てください。

 なお、幼稚園の国立/私立の比較については、内容が若干下世話でライトですが、こちらをご参照ください。
国立/私立幼稚園のソフト面比較(主観的感想)その1

対象の小学校

 今回参考にする小学校はこちらになります。小学校により特色がありますが比較しやすい様に特徴的な共通項を抜き出してご説明します。
<国立>
 ・お茶の水女子大学附属小学校
 ・東京学芸大学附属竹早小学校
<私立>
 ・白百合学園小学校
 ・日本女子大学附属豊明小学校
 ・東洋英和女学院小学部

国立大附属小学校の授業スタイルは将来に有益に映る

 国立大附属小学校の「役割」は「大学の教育研究のための実験機関」です。平たく言うと、今後の公教育で導入する教育のお試し施設です。注目すべきは「お試し」の方ではなく「今後の公教育」であり、将来的に世の中で求められるであろう教育を先取りして実践していると言うことです。

 そのため、授業のスタイルは、

<教科授業>
 回答を導くだけではなく、仮説検証力、議論を通して解を導く問題解決、身近な事象から法則性を探るなど、知的労働者向けの基礎教育的なスタイルと言えます。
<教科以外の授業>
 道徳や総合的な学習などの枠を使い、教科以外の研究テーマの実証を行います。例えば、食育をテーマにした食文化の理解やテーマ設定から実現までをPDCAのサイクルを意識しグループで推進するプロジェクト活動などです。

 これらの授業スタイルは、大人から見ると将来の為に有益に映ります。もちろん近い未来を見越して授業を設計しているので当然です。実際にお子様たちも新鮮な経験ができ、また授業に興味を持つ仕掛けもあるため、いきいきと参加しています。

 あえて問題を呈すると、特に教科外の授業はテーマや内容が少し高度であるためついていけないお子様もいる、それに対してのフォローまでは完璧に仕組み化されていないことです。次にこれらテーマを持った授業が単発であり、系列校間であまり連携されていないことです。
 つまり、将来につながる貴重な経験ができる反面、将来に活かせるかはお子様との相性に関わり、形式上系列校間でのフォローはほぼないと言うことです。

私立小学校の授業スタイルは着実に技能を身につけられるように映る

 私立小学校は、各校の特色はありながらも、大雑把に言ってしまえば(近しく)先進的な授業です。各校そして学園全体の教育方針と卒業生の功績などを拠り所に長年培ってきた伝統を守りながら、時代に適合した授業を展開しています。

 そのため、授業のスタイルは、

<教科授業>
 ICTの活用による効率的な授業や少人数制など、学年や教科ごとに明確なゴールを決めた着実な技能習得が特徴です。また、教科によっては大学や中高の教員を招いてた専門性の特化など、技能習得に向けての施策がはっきりしています。ただ、例えば英語であればコミュニケーションツールとしての技能習得、算数であれば論理的思考力など、アプローチは各校で違いますが、目標は近しいものになります。
<教科以外の授業>
 いわゆる社会貢献をテーマにした主体的な探求の場として、各校で工夫されています。また学園全体の教育理念などから落とし込んだ、「今やるべきこと」を、国立大学附属小学校のプロジェクトの様なチーム活動として展開しています。

 これらの授業スタイルは、目指している習得技能は公立小学校と同様かもしれませんが、アプローチが洗練されています。これは、ある程度予算に自由度があり、教育に対するお考えが近い家庭のお子様が集まっている為に成り立つ、いわゆる学習塾の授業のような、特に成果に拘った内容と言えます。
 そして一番の特徴は、系列校との連携です。本noteで「「理念」「方針」「実践」で幼稚園のお考えを体系化する」でご説明した様に、学園全体の教育理念などから、小学校そして中学校、高校とその時期にやるべき事が計画的に落とし込まれていることです。例えば小学校では生徒自身が「新たな問いを見つけ」、それを基礎とし、中学校では「自主的な学習で理解を積み重ね」、その結果高校では「知識と教養を身につけ、人間としての豊さを育む」と言ったように、系列校間で連携、展開しているのです。

適性を見定めるには親御様のお気持ちと学園全体の「思い」の理解が必要

 私立であれば幼稚園ご入園後高校や大学まで一貫した教育が受けられ、また次の学校にもほぼ全員進学します。これは親御様にとっては安心感が大きいのではないでしょうか。一方で国立であれば、自由度が高く先進的な教育の機会は得られますが、系列校間の連携は私立ほど深くなく、次の学校に進学するのさえ(理解が難しい基準で)選抜されます。これを不安と捉えるか前向きな試練と捉えるかはご家庭次第です。
 
 国立志望であればお子様が主体的に物事に立ち向かう、それを親御様が後方支援する、位の意気込みと協力が必要と考えられます。
 私立志望であれは学園全体の教育理念等に対して、共感するだけではなくコミットする位のお気持ちが必要です。では私立であればどの園を志望するか。これを決めるには単に幼稚園の特色でだけでは無く、ご入園後10年以上の時間を過ごす学園全体の「思い」の理解が必要です。一部学園の「思い」は本noteで体系化していますのでご参考になさってください。
白百合学園幼稚園(および附属校園全体)
日本女子大学附属豊明幼稚園(および附属校園全体)
暁星幼稚園(および附属校園全体)

次回は視点を変えて、附属校卒業後を想像して、志望園を考えてみます。
その2 「入園後」よりも「卒業後」の姿を思い描く(前編)


 ここまでお読み頂きありがとうございます。
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 お受験対策を体系的に整理した「親子で楽しむ お受験準備」にご興味を持っていただけましたら、まずは目次をご参照ください。
その0 ご両親がまずやるべきこと
その1 相思相愛の幼稚園の探し方
その2 幼稚園の「評価視点」
その3 ご両親の準備 〜願書、面接、考査は三位一体〜
その4 当日の過ごし方


 

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