アセクシャルの方を題材にした短編
こんにちは、はれのそらです
今回は平内環さんへ書き下ろしたSSを公開します。
まず、アセクシャル(性的な惹かれを経験しない人、もしくはしにくい人)とはなんぞやという方は、こちらを読んで！
注意して欲しいのは、今回はアロマンティック(恋愛的に他者へ惹かれない)ではないので恋愛テイストにしています。
私の考えとしては、○○だからこうだ！
ではなく、目の前の人をそのまま大事にしていく方がいいんじゃないかと。あくまで傾向の一つとして考えてます。
短いながら色々見聞きした上で書いてますので……是非とも読んでSNSで感想をシェアして欲しいです
まずは、音声の方を聞いてもらいたい！
今回はあくまで原稿の公開のみなので、フリー台本化はしません。
あしからず。
本編
【どうやらそれはあいらしい】
あのね
前からあなたに言いたいことがあったの
他の誰かじゃなく
あなただから言いたくなって
だから聞いてもらいたい
それは……
今まで哀しかったってこと
今まで苦しかったってこと
哀しかったわけは
私の気持ちはわかってもらえるのに
時間がとてもかかるってこと
そして
時間をかけてもめんどうになって
いつのまにか離れてしまうこと
その時私は
笑顔なのにずっとずっと泣いていたの
苦しかったわけは
あなたの気持ちをわかってなくて
時間がかかるし喧嘩もしてしまったこと
そして
その時の私は
自分の気持ちもわかってあげられなくて
絶えず叫んでいたのにずっと我慢していたの
そうなの
私はずれていて
だいぶずれていて
なやんでなやんでなやみはててしまったの
傷ついてしまった事すら忘れてしまうくらい
それでもね
この暖かで人懐っこいほわほわでふわふわなものが
あなたと積み上がっていくなにかが
私は好きです
とても好きです
それがどうやら
『あいらしい』の
でもね
でもね
私のあいと
あなたの愛は
きっと違う
ピントの外れた眼鏡みたいに
どこか違ってくる
それでもね
だからかもね
あなたと
歩きたい
優しいひとだと言ってくれたあなたと
色々な気持ちを感じ取れる豊かなひとだと言ってくれたあなたと
心も美しい人だと言ってくれたあなたと
いつまでもいつまでも
これからも
え？
あなた、私をそう思ってたのね
多分ニュアンスやアクセントが違うのに
とってもしっくりきちゃった
不思議と笑顔になっちゃった
私も言いたいな
なんでかな
わからないけど
それが答えなんじゃないかって
感じたから
だってあなたがこう言ったんだもの
『あいらしいひと』
って
(了)
あとがき
本作を一言で表すなら、作中に出てくる「ピントの外れた眼鏡」。
焦点が違っていても、見えているし見ようともしています。
他者が勝手に見えてない認定をしちゃいけないのです。
今回色々話を聞いて、本当にそうなんだなと。
私自身まだまだ不勉強ですが、今後も自分なりにですが創作のテーマとしてこういった関係取り扱っていけたらと
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