相手を理解するということ -理解できないことを理解する-
コミュニケーションの原則は「相手の気持ちを理解すること」
それはわかっている。でもこれが難しい。
僕が大学在学時に携わっていた学生団体がある。大学を卒業してからも顔を出しており、そのため大学1、2年の学生と今でも話すこともわりと多い。盛り上がれば結構アツい話もしたりする。
その度に相手を理解しようと努めるのだけれど、これが難しい。
大学生ともなれば約20年の期間、本人が見て、触れて、積んできたものがある。いろんな事象が組み合わさって形成されたその人の考えを短時間で完全に理解するなんてできない。
いや時間が経ったとて完全にわかるなんて無理だ。
だって自分は相手と同じ立場にいるわけじゃないから。僕は全てお見通しの神様じゃない。いくら理解しようと努めても、どうしても限界がある。
それだけに、「君のことわかるよ」と自信たっぷりの人に出会うと、少しモヤっとする。本当にわかってるんですか?と言いたくなる。
「わかってあげる」ということは一見優しい行為に見える。でも同時に、確実に存在する「わかっていない」部分は切り捨てられてしまう。「わかってあげた」時点でその先の思考に進まない。「わかってあげる」ことは、肯定しているようで、否定も含む行為なのだと思う。
頑張っても完全に理解することはできない。それならば、「わからない」ということをわかっておく、という心構えが大事な気がする。
もっと詳しく言うなら、「完全にはあなたのことを理解できないけれど、その理解できないということを理解している」という謙虚さ。
それが伝わる時に相手も安心して話せるのではないかなあ。
写真:後楽園に続く鶴見橋にて。
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