【姉弟】かわいくて、かわいくない男のオサル
オサルのおねえちゃん
「ママだっこしてぇ!ねぇねぇ
だっこしてぇやぁ」
「だっこしてぇ!だっこしてぇ!!
だっこしてぇやぁ」
何回もいってるうちに
涙が出てきた
パパが側にきていつもよりも
ゆっくりお話してくれた
「ママのお腹の中には
赤ちゃんがいてるんでぇ」
「女の赤ちゃんがいいなぁ❤️」
お人形さん遊びをしていた
お姉ちゃんがいった
「女の赤ちゃんよりも
男の赤ちゃんよりも
ママにだっこしてもらうほうが
ずっとずっーといいのに」
誰にも聞こえないくらいの
小さな声しかでぇへんかった
「ちょっとだけなぁ」
「うえーん💧ヒクヒク💧💧💧
ずっと、ずっと
パパとママとお姉ちゃんが
いいよぉ💧
赤ちゃん…キライ…
うえーん💧うえーん💧💧
ヒクヒク」
「そっかぁ…」
ママは
ちょっと悲しそうな顔をしている
でもでもでも
わたしは…もっともっと…ずっと…
「あんなぁ赤ちゃん
おねえちゃんに
なってほしいよぉってね
ママのお腹にきたの
おねえちゃんになってくれへん?」
「わたしがおねえちゃん!」
「そう!おねえちゃん!!」
なんだか
ちょっといい気分やんかぁ
わたし
おねえちゃんだって!
なんだか素敵ちゃうん
わたし
おねえちゃんやって!
ママのお腹が風船みたいに
大きくなって爆発するんじゃ
ないかってドキドキしてきた。
「もうすぐ赤ちゃんに会えるでぇ」
ってパパはいったけど
毎日指で数えてたけど
両手でも足りひんくなってきた
せっかく
おねえちゃんになったげるのに
今日はママいてない…
寂しくてかなしくて心細くて
泣いちゃいたいのを我慢してるのに
パパはとっても嬉しそう
「赤ちゃんに会えるよ」
いつもよりも早起きして
お気に入りのワンピースを着て
髪の毛もキレイにした
「はじめまして!赤ちゃん!!」
ゲェっ真っ赤でしわくちゃで
ちっともかわいくない!!
オサルみたいやんかぁ
それにオサルにはちっちゃな
オマケがついているやん
男のオサルのおねえちゃんかぁ…
小さな手をツンツンってしてみた
男のオサルがギューってしてきた
「今日から
わたしがおねえちゃんやでぇ」
誰にも聞こえないように
男のオサルにいった
男のオサルは片方の目をあけて
わたしの顔を見てニヤリと笑った^ ^
ほんとにあった
原田さん家での一コマ懐かしい〜