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”3月”という魔物

現在、私は3年生の担任をしており、副主任という立場になって初めての年度を迎えている。これまで様々な公務文書を担当してきたが、一番苦戦を強いられているのが、様々な関係機関との連絡調整や相談だ。

年度初めから、副主任というポジションで具体的に何を行うのかイメージできなかった私は、もう今年度が終わる間際になっても、この役割について明確なイメージを持つことができていない。様々な人に話を聞いても、それぞれがイメージする副主任像にはかなり乖離があるように感じる。実際、今年度を始めたばかりの時にも、周りとの副主任像の差に悩まされることになった。

今年度は持ち上がりの3年生ということもあり、本来であれば一番思い入れがこの3月に表現されるはずだが、現在の勤務校で3回目の3年生ということもあり、悪い意味で時期の催し物になれてしまっている自分がいる。また、3年間自分のクラスで担当した生徒がクラスの中に誰もいない。という事実も、自分のモチベーションを下げる一端になっているのかもしれない。こんなことを言ったら怒られるかもしれないが。

今は、入試が終わり卒業式の練習期間に入った。卒業式の練習計画はすべて副主任が作成している。年度末に入り、最後の一押しの時期だが、ここに来て新規の行事計画の担当をやることになり非常に苦しい。

自分が所属している学年の主任は、年々勤務や仕事に対する熱意が失われているように見える。担任として管理職に確認してほしいことや最終的な決断をお願いしても、それが行われていないケースが今まで幾度となくあった。それによって担任たちから様々なことについてどうなっているのかと進捗状況を聞かれることが多くなった。

わからないことの方が副主任には多い。最終的な決定権は主任にしかない。他の担任もどうにもできない閉塞感を、副主任である私に話していることは理解している。一方で、自分自身も担任としての仕事、副主任としての仕事、特別活動主任としての仕事、情報教育主任としての仕事、生徒会本部担当教員としての仕事、そして父としての役割など、様々なものを抱えている。この状態で今までのように仕事を行い、仕事の質を維持し、向上していくというのは非常に難しい。

3年生が卒業するまで残り10日。月曜日からは最後の1週間が始まる。3月という時期は「1年のまとめ」という言葉に翻弄されて、本来やるべき仕事が何か見失いがちだ。最後だから終わりだからと、様々なところに目配り気配りをした結果、何か別の大切なものを見失ってしまっているのかもしれない。

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