「チュベローズで待ってる」を読んで。(※ネタバレあります)
お久しぶりです。oriです。
挨拶も早々に、今のこの気持ちのまま、言葉にさせてください。
加藤シゲアキさんの「チュベローズで待ってる」を読みました。
そう、私はシゲのファンだから、
この本は元々持っていたし、たぶん読んだこともあったのです。
でも、なんとなく「ホストの話だったなぁ」くらいしか覚えていなくて。
この話は主人公の光太が就活が上手くいかなくて、ホストにスカウトされるとこから始まるから、
就活を終えた今の私なら、もっとちがう感じ方ができるのかもと思って、
深夜の2時前から読み始めたわけです。
「チュベローズで待ってる」は上巻(AGE22)と下巻(AGE32)で2冊分あるのですが、本当のことが知りたくて、朝の5時頃には読みきってしまったのです。
でも今、6時を過ぎています。
何をしていたかって?
なんと、
約1時間も余韻が抜けず泣きじゃくっていました。
また落ち着いたら、ちゃんとあらすじとかまとめて記録するので…(たぶん)
今はこの気持ちのまま、言葉にさせてください。
以後ネタバレ注意です。
(読んでいない方には、本当になんのこっちゃって感じだと思うのですが…
すみません!
まだ読んでない方は絶対にこれは読まず、本を読んでください!ネタバレ知ってから読むなんてガチでもったいないです。本当にこの作品良いです。絶対後悔しません。絶対に。)
あのね、
読み終えたときは、とにかく訳が分からないほど涙が止まらなくて。
内容が複雑だったから、理解するのに、少し時間がかかってしまったけど、
時間が経てば経つほど、私は美津子にひどく惹かれ、
彼女の気持ちを想像しては涙をこぼしていました。
美津子の“それ”までの人生が、多く語られたわけではないけれど、
とても「厳しい」人生だったはず。
(よい表現が思いつかなくて悔しい。)
簡単な道のりではなかったはず。
それでもやっと良い仕事に出会い、
愛する人に、
新しい生命|に出会えた。
それなのに、
愛する人自らにそれを奪われ、
否定され、
“死にたくなるような日々”になった。
でも、愛する人に出会い、
死んでもいいと思えるくらい、
“もっと生きたくなってしまいそう”なくらい、
幸せな日々を過ごせるようになった。
だけど、それを言葉にすることは許されないし、
どれだけ一緒にいたいと願っても、それ以上触れることはできない。
本当の名前すら知ることはできない。
それでも、
誰かのために生きてきたあなたが、
最初で最後、
叶えたいと思った“唯一のわがまま”が、
そんな光也との時間を、小さな光を、
そのまま大事に大事に、
宝箱にしまうこと。
そして、何年後、何十後になるか分からないけど、
もしかしたら届くこともないかもしれないけど、
愛していたからこそ、光也を信じて、
形に残したんだね。
“幸せ”
“可愛かった”
“嬉しかった”
“好き”
“愛してた”
「美津子」が紡ぐ言葉は、ひとつひとつが、
まっすぐで、愛情深く、“人のにおい”がした。
…みたいなことを想像してたら、もう涙が止まらなくて。
死んでしまいたいと思えるくらい愛しているのに、
言葉にすることも許されない…。
一緒にいたいと思ってしまうから、生きたいと思ってしまうから、
触れられない…。
切なすぎないか。
そして美津子に想いを馳せたあと、
改めて「チュベローズで待ってる」というタイトルを見て、
また号泣します。
チュベローズで待ってたのは、美津子だったんだ。
あぁ、切ない…
それで
そのあと柴咲コウさんの「最愛」が聞きたくなって、
「落ちては溶ける粉雪みたい 止まらない想い」
「愛さなくていいから 遠くで見守ってて 強がってるんだよ でも繋がってたいんだよ あなたが まだ好きだから」
「陽だまりみたいな その笑顔 生きる道を照らしてくれました」
「離れたくないって ただひとこと ただ言えなくて」
「いつか生命の旅 終わるその時も 祈るでしょう あなたが憧れた『あなた』であることを その笑顔を 幸せを」
「あなたに ただ逢いたくて」
もう聞けば聞くほど、光也と美津子に重ねて聴いてしまって、
また涙がとまりませんでした。
人によっては、理解できない、気持ち悪いと感じてしまう人もいるだろうけど、
私はなぜかひどく美津子に感情移入してしまった。
年齢もちがうし、同じ境遇だってほとんどなくて、
共感できるところはむしろ少なかったのに、
1人の女性として、私はなぜか美津子にひどく惹かれていて。
ユースケや光太がそうだったように、
私はたぶん美津子の“人のにおい”に惹かれたんだろうな。
貪欲で強かで決してきれいな人じゃないけど、
愛情深くてあたたかい。
…
ちなみに、私は最後の電話はミサキかなって思いました。
なんの説明もなかったのだけれど、
なぜか私の脳内では勝手にミサキで再生されていました!
(他の方の考察も拝見しましたが、たしかに美津子と光也をつないだのはミサキだし…!)
とにかく!
本当に素敵な作品だった。
しばらくこの混乱と余韻から抜け出せそうにないです。
6:35 p.m.
Tuesday,9/3/2024
ちょっぴりステキな日々から送信。