NHK俳句2022 落選作抄 40句
葉書俳句
テキスト
春
海からは遠きふるさと春の風 ハードエッジ
春風驚愕鯨の潮の吹き上がる ハードエッジ
絵を踏んでイエス冷たき蹠かな ハードエッジ
雛壇の前に広げしおままごと ハードエッジ
街も家も雛も一夜の焼夷弾 ハードエッジ
自転車で電車を追へり卒業子 ハードエッジ
もう会へぬ友のいくたり卒業歌 ハードエッジ
この辺の畑の色に燕の巣 ハードエッジ
フライパンに卵をジュッと朝桜 ハードエッジ
寺町の桜の見ゆるお城かな ハードエッジ
夏
きらきらと通り雨こそ立夏なれ ハードエッジ
うすものの袖をがはりと座し給ふ ハードエッジ
うすもののうすももいろの天女かな ハードエッジ
雀とは読まぬ雀の四十雀 ハードエッジ
秋
朝顔の朝の力の濃紫 ハードエッジ
朝顔を咲かせ商店街朝寝 ハードエッジ
流水に回転中の西瓜なり ハードエッジ
天高く吹つ飛ばされし火山の頭 ハードエッジ
秋の雲ただ一面にひろがりて ハードエッジ
秋澄むや夜空の藍も匂ふばかり ハードエッジ
案山子翁もとより殺気なかりけり ハードエッジ
刈られ行く稲を見て立つ案山子かな ハードエッジ
星座にはなれぬ嘆きの流れ星 ハードエッジ
ワープから抜けて見知らぬ星月夜 ハードエッジ
天文学的数を費し星月夜 ハードエッジ
冬
狂ひ咲く花の哀れを見てやりぬ ハードエッジ
返り花月のなき夜は寂しかろ ハードエッジ
ほんのりと赤子に歯あり冬紅葉 ハードエッジ
大陸間弾道弾が枯野地下 ハードエッジ
お詫びと訂正:
この句は投句後の推敲句でした
応募当時の句は、
地下深くミサイル立てて枯野かな ハードエッジ
もう一つ満月欲しき枯野かな ハードエッジ
鯛焼の二つは袋五個は箱 ハードエッジ
鯛焼に磯の匂ひはなかりけり ハードエッジ
躓いて吾子も聖菓も泣き崩れ ハードエッジ
憂きことを狐に語る狸かな ハードエッジ
子狸のこれは小さな腹鼓 ハードエッジ
この山に育ちし狸撃たれたり ハードエッジ
咳き込んで顔が真つ赤や眼も真つ赤 ハードエッジ
新年
天球を廻す神々去年今年 ハードエッジ
冬
探梅の風止みたるを先づは幸 ハードエッジ
探梅のこれは豪華なお弁当 ハードエッジ
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NHK俳句年間落選供養もこれで4本目
以上です