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振り返れば人生が前に進んだ時、私はカメラを買っていた。 #わくわくするお金の使い道

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twitterやnoteで色々なエピソードを拝見して温かい気持ちになりながら、「自分の場合なんだろう?」と考えてみたところ、
今まで人生がグッと前に進んだタイミングで自然とカメラを買っていることに気づいた。

カメラマンでもなければカメラマニアというわけでもないが、今日はそれについて書いてみようと思う。
(レンズについては触れると終わらなくなるので省くことにする)

大学1年生、ファッションでアナログカメラを買う

憧れていた美大生生活をスタートさせた2000年代前半。

キャンパス内をポシェットのように一眼レフカメラをぶら下げて行き来する美大生達を眺めているうちに、私はカメラが欲しくなった。(動機が不純)

当時すでにガラケーで写真が撮れるようになっており、「手軽なものはそれで撮ればいいか」と、あえてフィルムカメラを選んだ。
フィルムって、なんかアナログでカッコ良いし。(理由がふんわり)

買ったのは中古のNikon F4。

値段こそ忘れてしまったものの、中古とはいえ大学1年生にとってはエクスペンシブ。
祖父(会計士)の事務所でのバイトを増やして財源を作った。(天国のお祖父様ありがとう)

F値も、ISOも、AFとMFの違いもよくわかっていないまま手にした初めてのフィルム一眼レフカメラ。(やることが極端)

操作方法を夢中で勉強し、街中の何気ない建物や風景をアートっぽく撮っては、酢酸くさい暗室にこもって現像作業に勤しんだ。(アートっぽくって何だ)

写真家マインドがあるわけでもなく、あくまでグラフィックの素材として写真を撮っていたが、AiやPsでもない、手描きでもない「写真」をベースに絵作りをすることに没頭したのは、その後歩むキャリアや身を置く業界に大きく影響していると、今となっては思う。

社会人デビュー、上司にけしかけられデジタル一眼を買う

WEBデザイナー/グラフィックデザイナーとしてを社会人生活をスタートさせた2000年代中盤。

大学を卒業したことで暗室にこもれなくなったことに気づき、「流石にアナログ一眼だけでは限界があるな」と、初めてのデジタル一眼を買うことにした。

買ったのはNikon D300。

当初は身の丈にあったものとしてもっと下位機種を検討していたのだが、カメラに詳しいアートディレクターの上司に「お前デザイナーだろ?このくらい使いこなせるようになれよ(笑)」とけしかけられ、当時から受容性の高さを大発揮していた私は、まんまと言われた通りにした。

結果、これがとても良い選択だった。

フォトディレクションを伴うプロジェクト(クライアントワーク)に5年ほど長期コミットしていたのだが、
プロの撮影現場で得た知見を持ち帰っては自分で写真を撮り、その気づきをプロジェクトに持ち帰っては新しい絵作りに挑戦する良い循環が生まれた。

素人に毛が生えたレベルではあるものの多少のスキルはついたし、プライベートでもカメラマンを頼まれたり、それで広がった人の繋がりも多かった。

20代後半よりtoCのフォトプロダクトサービスの立ち上げに関わりインハウスに転向、その業界には10年身を置くこととなったが、
ここでも終始、自身のカメラ体験がデザインに役立つ機会が多かったのは言うまでもない。

現職へ。数年に渡る「買う買う詐欺」を経てフルサイズミラーレス一眼を買う

現職に転職し、初めての業界に身を置くことなった最近、カメラを新調した。

もともと「フルサイズミラーレス一眼欲しい欲しい病」を3〜4年ほど継続し、もはや「買う買う詐欺」状態となっていたのだが、環境が変わり、見える景色が変化し、興味の対照が変わり、撮りたいものや作りたい絵も変化し、自然と「今だ!」と思えた。

買ったのはSony α7R III。

初めてSonyのカメラを手にし、まだ使い始めて3ヶ月ほどではあるが、15年ぶりに新調したカメラの進化やクリアな画質に感動を覚えているし、先代のカメラをとことん使い倒した実感も相まって、「良い買い物をした」と撮るたびに思っている。

主に撮りたい対象も風景や建物から人へと変化し、より自然な絵づくりをできるようになりたいと思うようになり、その志向の変化を自分で楽しんでいる。

(奇しくもこのカメラの購入と姪っ子の誕生が重なり、「姪っ子のためにカメラを新調した伯母バカ」と思われていそうな気配があるが、違う、誤解だ。でもめっちゃ撮ってる。姪っ子。超可愛い。)


少し前に社の雑談で「お金の使い道は消費・浪費・投資の3種類に分かれる」という話題が上がったのだが、私にとってカメラは間違いなく「デザイナーとして前に歩むための投資」になっている。


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