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ベートーヴェンを毎日聴く3(2020年1月3日)

『ベートーヴェン/ピアノ三重奏曲 第3番 ハ短調 op.1-3』を聴いた。

「ハイドンは出版しない方が良いと言ったとか」

生まれ故郷のボンから、ハイドンに教えを乞うためにウィーンにやってきたベートーヴェン。

そのハイドンにはこう言われてしまった作品だが、ベートーヴェン自身は3曲(第1番~第3番)の中では一番お気に入りだったという。

ベートーヴェンの代名詞ともいえる、あの、交響曲第5番「運命」と同じ「ハ短調」という調性を持つ作品。

第1楽章もそうだが、第4楽章の煽られるような激しさは、さらに鮮烈に我々の心をグッと捉えてくる。

後年、誕生する「悲愴」ソナタもハ短調だが、その誕生をも予感させる。

当時としては、とても驚くような、違う次元作品だったのだろう。

「ハイドンは出版しない方が良いと言ったとか」

もし、ハイドンの指示に従って、この作品を世に出さず、もっと穏やかな曲調をもつ作品に路線変更したとすれば、ベートーヴェンは今のような評価は受けていなかったかもしれない。


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