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ベートーヴェンを毎日聴く263(2020年9月19日)

『ベートーヴェン/ピアノ三重奏曲 変ロ長調 WoO39』を聴いた。

当時9歳だった少女、マクシミリアーネ・ブレンターノのために作られた作品。マクシミリアーネは、銀行家のフランツ・ブレンターノとその妻、ベートーヴェンの「不滅の恋人」と考えられる人物のひとり、アントーニエ・ブレンターノの娘。

ベートーヴェンは、ピアノを教えていた生徒に、練習用のピアノ作品を作って渡すこともあったが、この作品はピアノ三重奏の形をとっている。つまり、ピアノだけでは演奏ができない。ピアノはマクシミリアーネが担うとして、ヴァイオリンとチェロは誰が演奏することを考えていたのだろうか。

とても可愛らしい作品。難易度も恐らくやさしい方なのだろうが、転調の変化もあり、凝った造りになっている。

ベートーヴェンは、マクシミリアーネがこの作品を弾いているところを見たことがあるのかふどうか、わからないが、もし、見ていたとしたら、あのちょっと厳しい表情をしたベートーヴェンの顔ではなく、きっと優しさに満ちた、今我々が知りえるどの肖像画にもないような顔で、少女を眺めていたことだろう

allegralouiseによるPixabayからの画像

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