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こどもアドボカシーについて考える②

みなさん、こんにちは🐾
原山優里花です。

前回の記事の続きです
📖
今回も「子どもアドボカシー基礎・養成講座」を受講した今、子どもアドボカシーについて考えることを記事にしてみます。

今回は「①多様なこども達の声を聴くためには?」「②こどもアドボケイトという立場の特殊さ」の2点についてまとめていきます。

少し長くなりますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです♪


①多様なこども達の声を聴くためには?

こどもの権利条約の第12条では、意見を表す権利(意見表明権)が定められています。
実は、こちらの条約の英語原文を見てみると、こどもたちの「意見」”opinion””voice”ではなく、”view”と表記されています。
日本語に訳すと、「視点」「見ること」というニュアンスになるでしょうか。

このことから、何も意見というのは声を発せる子からだけ聴きとるものではないということがわかります。

年齢や特性、置かれている環境によって、自らの意見を言葉で表現することができない子であっても、みな平等に意見表明の権利があります(意見を表明しないという権利もあります)。
多様なこどもたちの声を聴くためには、こどもたちの全身から発せられているサインを注意深く観察することが大切なのです。
また全てのこどもたちは、大人に与えられるのではなく、生まれながらに「権利」を持っているのだということを、再認識していくことが求められると思います。


②こどもアドボケイトという立場の特殊さ

私はこれまで、学校の先生・塾の先生・家庭教師・学童の先生・児童館の先生・コーチといった立場でこどもたちと関わってきました。
それらの経験の中で「傾聴」というスキルは身についてきたぞ!と思っていたのですが、今回の講座におけるアドボケイトのロールプレイにはかなり頭を悩ませました…。

なぜなら、こどもアドボケイトという立場はとても特殊で、先生ともコーチともカウンセラーとも家族とも友達とも違う話の聞き方をする必要があったからです。

こどもアドボケイトの特徴は、「こどものみに寄り添うこと」「こどもの声を聴いて、そのまま代弁すること」です。これが簡単なようで非常に難しかったです。

【例えば…】
もしこどもが「A先生を殺してやりたいと思う」と言ってきたら、皆さんはなんと答えますか?

→先生や家族の立場の人は、「どうしてそう思ったの?」と質問したり、「殺したいと思うくらい辛かったんだね」と言ったり、「でも、殺すなんて言ってはダメ」と指導をしたり、「 A先生の行動にも何か理由があるのでは?」と違う視点を与えてあげたりするかもしれません。

→友達であれば、「わかる!A先生ってほんとムカつくよね」と共感するかもしれません。

ではアドボケイトは、この場面でどのような返事をするのか。
私が考えるに、「そっか、殺してやりたいと思えてしまうんだね」だと思います(有識者の方、違うご意見がありましたら是非コメントください🙇‍♀️)。

アドボケイトの声かけは基本的に「相槌」「理解の確認(あなたは〜というように考えているってことで合っている?)」のみです。

共感や質問は相手の意見表明の機会を潰すリスクを孕むので、必要に応じて慎重にやっていく必要があるとのことで、傾聴・共感・質問が肝であるコーチングとの違いを感じました。

「殺す」という強い言葉を嗜めることもしないし、「何か嫌なことをされて、モヤモヤしているの?悲しいの?」のように、こどもが言っていない情報・感情を先回りして言うこともしません
「嫌だったんだね」「頑張ったんだね」「今あなたは悲しいんだね」といった感情の代弁や感情のラベリングをすることも基本的にはしないのです。

そんなアドボケイトのロールプレイをたくさんやってみた率直な感想としては、こどもと普段から関わりがある大人たちにとってはかなりハードルが高い…!やっぱり色々言いたくなるし言わなきゃいけない時もあるし...!

だからこそ、こどもたちと一切の利害関係のない第三者が行う「独立アドボカシー」というアドボケイトの存在が重要だと考えます。
そして、そのような独立したアドボケイトが、家族や先生や児童養護施設の職員などと連携を図っていくことが必要ですね。


まとめ

今回の講座を受講して、こどもアドボケイトという存在は、こどもたちにとって必要不可欠であるということを改めて感じました。
全ての大人がこどもの権利条約について正しく理解し、(いつでも実行できるか否かは別として)こどもアドボケイト的な関わり方もできるようになることが大切だと思います。

これからも様々なこどもとの関わり方を学び、実践していきたいと思います!

かなり長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました✨

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