どんなパワハラが多いのか
前回のパワハラ6類型をもとに、どんなパワハラがよく起きているのかを見てみましょう。
厚生労働省による「平成28年度職場のパワーハラスメントに関する実態調査」によると、下記のような割合になっています。
(前回とは別のデータからの出典)
(下記に、この結果の考察を記載しますがあくまで個人の見解です)
「身体的な攻撃」は、割合として減ってきています。平成24年調査では15.6%でした。
仮に負傷してしまったら刑事事件になりますし、子供のころから「人を傷つけてはいけない」と教えられてきていることから割合自体低いのかもしれません。
一方で、「精神的な攻撃」は他を圧倒する多さです。
これは、ボーダーラインがあやふやで、ここまではOK・NGが分かりにくいことが一因と考えられます。
また、時代背景によって許されてきた(きてしまった)ことにより、現在ではNGであることがそのまま行われていることもあります。
例えば、大勢の前で叱る、メールに部署全員CCを入れて叱るなど、当たり前にやってきた人は、それがいけないことに気づいていません。
「いじり」と思っての言動が、相手にとってはとても辛いことであるかもしれません。
「友達もいないんだし、帰ってもすることないだろう。残業していけよ」
「太ってるんだから昼飯抜いても大丈夫だろ」
など、全く業務に関係ないことを持ち出されるなどです。
昔ほど、社員同士の距離感も近くなく、転職が当たり前で一生一社に勤めあげる意識が薄れて忠誠心が強くない中での「いじり」は気持ち良いものではありません。
精神的な攻撃に続くのは
「過大な要求」「人間関係の切り離し」です。これらは同程度の割合で多くなっています。
「過大な要求」は、単なる嫌がらせだけではなく、仕組みの問題も多いことが考えられます。離職率が高い職場で、既存社員へのしわ寄せがある、薄利や人海戦術のビジネスであるなどを見直すことでも軽減するかもしれません。
「人間関係の切り離し」は、いわゆる仲間外れです。
意外ですが大人の社会でも多くあります。
多くの場合、多数対1人という構図なので、自分が加害者になっている意識が薄れるのだと思います。会議に呼ばない、昼食に1人だけ誘わない、部門の懇親会に呼ばないなど。もしくは、あえて本人の他の予定が入っているときに会議や懇親会を設定するなど。
「過小な要求」は、ベテラン社員にスキル不相当な業務を与えることです。
ニュースでも上場企業の早期退職が話題になることが多いですがIT化が進み、ロボットが業務を代わりにこなすようになってから、これまで人間がこなしてきた業務が減っています。
これも過大な要求と同じく、仕組みの問題も大きいと思います。
必ずしも嫌がらせの意図ではないかもしれません。
企業側がクリエイティブな業務に挑戦する、社員のスキルアップを促すなど対応を早期に着手すれば、避けられる可能性があります。
「個の侵害」は、業務上知り得た個人の情報を他の社員に漏らすなどです。例えば上司面談や人事面談の内容を、他の社員との雑談内で漏らしてしまい、社内に広がるなど。本人の家庭環境や病気など知られたくないことをうっかり、あるいは意図して他に漏らすことで、気に病み、精神疾患に繋がる可能性もあります。管理監督者に面談時の注意事項を伝えることはもちろん、人事など専門職種であっても、おしゃべりな人を相談窓口に置かない、スタッフの人数を限って窓口業務を行うなど配慮は必要です。
以上6類型の具体や起こっている背景の考察ですが、あくまで一例です。こんなことも傷つけることにつながる、嫌な人はいるのだとお互いに配慮して気持ちの良い職場にしていきたいですね。
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