パワハラの判断ができない
職場のパワハラには、厚生労働省による定義があります。
これに沿って判断すればパワハラか否か分かりやすそうなものですが、渦中にいるとそれが分からなくなるようなのです。
私たちが依頼を受けて企業へ研修に行き
「これはNGな行動です。見分け方はこうです」
とチェックシートや事例を用いて説明します。
皆さん「うんうん」と頷き「ほぉー」という声も聞こえます。
研修の最後に質疑応答の時間を設けたり、事後アンケートに聞きたいことを書いてもらうのですが
ほとんど毎回
「●●という場面で、△△のようなことがあったのですがこれはパワハラになるのでしょうか」
と質問が来ます。
「あれ?説明したよな。定義に当てはめるとパワハラになるんだけど?」
と不思議な気持ちになることがあります。
当事者になると
「そうはいっても、この場合は例外かもしれないし」
「私が弱いから他の人よりも精神的にきつく感じているだけかもしれない」
のように
「これはパワハラじゃないのかもしれない」と考える人が一定数いることが分かりました。
「なんでもパワハラと騒ぐ人」と対極にいる「なんでも自分のせいと思ってしまう人」なのかもしれません。
言うまでもなく、パワハラは相手が悪いのです。
どんなに部下や後輩が仕事ができなくとも、手を上げたら犯罪です。
人格を否定するような言葉を投げることもダメです。
もしも職場にそんな上司や先輩、同僚がいたらすぐに声を上げてください。
自社の相談窓口(義務付けられています)。
対応をしてもらうことが難しければ下記を参考にしてください。
ここまでは、被害を受けている側の話。
そして、ここからは加害者の話です。
外食企業の元店長が部下に対してパワハラしたことで懲戒解雇になりました。
このような加害者により、先述のように「なんでも自分のせいだと思う」被害者人が出てくるのかもしれません。
リンク先の記事を読んでいただくと、傷害事件であることが分かります。
この店長、どれほどの悪人なのかと思いましたが、現代ビジネスの2022年8月6日の記事に被害者のAさんのコメントがありました。
恐ろしさが伝わってきます。
やっていることは明らかに傷害なのに、善意の指導であると信じて実行しています。そしてそれをAさんに自分の口で説明しています。
事件の状況から鑑みると過酷な労働環境が店長(上司)の冷静な判断力を奪ったのかもしれません。
今回、Aさんの場合は外へ相談をしたので明るみになりましたが、自責で考えすぎる人は、暴力を受け入れてしまうかもしれません。
これが良いことか悪いことか判断がつかなくなるような職場、それを放置していた職場はどのように改善の道を進むのか。
研修やルール整備だけでは改善は無理でしょう。
経営者、役員一丸となって、パワハラの排除をすること。
現在問題になっている従業員への指導、懲戒などにしっかり対応(人によって見過ごすことがない厳格な対応)が必要であると思います。
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