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子どもと向き合うことの意味

こんにちは。原っぱ大学サトケイです。
とうとうバトンまわってきました!私に語れることがあるのかなぁ…と考えていたのですが、ありがたいことにテーマをいただきましたのでこちらを綴っていこうと思います。
*サトケイの保育士キャリアやバックグラウンドはこちらをご覧ください〜

お題「子どもと向き合うってナーニ?」でございます。

保育園で、シッター先で、いろんな子どもたちや親御さんと出会ってきました。「保育とは?発達とは?」なんて、保育士としての専門知識の難しい話をしようと思えばいくらでも出来ちゃうのですが(笑)

本日はソコではなく、私なりのエピソードをまじえながら「こんな視点もあるのねー」と読んでもらえたら嬉しいです!

そもそも、子どもと大人の違いってなんだろう?

身体の大きさ、思考力、語彙力、体力(笑)など、あげたらキリがありませんが、私が思うに「一瞬一瞬を全力で生きているかどうか?」という観点で大きな違いがあると感じています。もしかしたら、大人でも「自分はどんな瞬間も全力だぜっ!」という方もいるかもしれません。それはとても素晴らしきこと!でも「余力を残しながら動くこと」が出来るのは、経験を積んで成熟した大人だからこそできる技です。

私も保育の現場で、子どもたちに「けいちゃん、みてて!」と言われるも瞬時に反応できず「もうおわっちゃったよ(怒)」と、その後のリカバリーに多くの時間を費やした場面は、一度や二度ではありません…。

子どもにとっては、その一瞬が全てなんですよね。そして、その一瞬にお付き合いする姿勢もこれまたシンプルに、本当に「見ているだけ」でよかったりするのです。

認めることと褒めることの違い

例えば、積み木を自分より高く積み上げて喜ぶ三歳の男の子。
持つ→並べる→積む、を経て「倒れないように力加減をしながら高く積む」がそろそろできるのでは?という段階だったので、担任(私)をはじめ周りの大人はやったー!すごーい!と、本人以上に喜んでいました。もちろん「出来たね、最後までじっくりやったね!!!」と今思えば、必要以上の声掛けをしながら。が、当の本人はニコニコしながらバーーン!!と潔く積み木を倒し、もう一度積めるかどうかを早々と挑戦しています。
大人たちの、もったいない…という空気感だけを残して…。

そりゃそうです、彼はすごいと言ってもらいたくて積み木をやったわけではないのだから。積み木を高く積めるくらい心も身体も大きくなったこと、を私たちは本当は喜びたかった。けれど、高く積めた行為がすごい、と伝えてしまったのですね。

「まるっと認めること」と「褒めること」似て非なる2つ。前者は「あなたの存在自体がオールオッケーよ」と伝えること。ポップに言えば「今日も元気なことがサイコー!」てな具合に(笑)

では後者はどうでしょう…。出来た、という行動を褒める。褒めて伸ばせ、なんて言葉があるくらいですから、褒めることが大事なことは百も承知です。が、褒めなきゃ!が先行してテンション高く、もしくは変に間が入ったり力が入ったりした言葉は…上記のようにあまり耳に届いてはいません(泣)当たり前ですが、取り繕うと子どもにバレるのです。

「何か言ってあげなきゃ、褒めなきゃ」と大人は思いがちですが、その子にとっては、自分を見ている姿勢やまなざしだけでいい。大人が絞り出して伝えた言葉たちは思っているほど伝わらず、子どもの興味はすでに次のことに移り変わっていることが往々にしてあるのです。

サトケイ2

サトケイ、まなざしを向けつつ準備するの図

子どもと向き合う時は「ながら」をストップ

なーんてちょっとカッコよく書いてしまいましたが、一瞬一瞬にお付き合いする時間を、子どもと暮らす中から捻出することがどれだけ大変なことか。名がある家事から名もなき家事、仕事、用事。大人には、やらなきゃいけないことが山ほどある。全部後回しにして、子どもと向き合う時間に注ぐのは、正直難しい。

そして「ながら」で向き合うとこれまたバレる(笑)
目も、手も、心もぜーんぶこちらに向いていないと、子どもたちは満足してくれないのです。じゃあ、どうするか…うむ、それでも向き合うしかないのです。あら、さっきと言ってることが矛盾してますね(苦笑)

1日のうち10分でもいいと思います。お風呂や寝る前、送迎時など、ちょっとでも自分のエネルギーがつかえる時に「何かしながら」ではなく、心も体の向きも子どもに向けて、そばにいておしゃべりしたり(それが難しいときは見つめるまなざしさえあれば良きかと)遊んだり。

そばにいながら「この人はどんな大人になっていくのかしら」と妄想するもヨシ「今日も自分お疲れ!」と心の中で唱えるのもヨシ!

実は「向き合ってみよう!」と心に決めて行動してみるだけで伝わる。そして、成長とともに、子どもが向き合う相手は親から、友だち、社会、自分自身、と少しずつ変化してゆくのですよね。

尊重して言葉で伝え返すこと

あ、そうそう、向き合ってみよう!と決めた時、私もやってみたことがありました。「まるっと認めた後に、尊重して言葉で伝え返す」ことです。

前半部分では「まなざしだけでいい」と書いてみましたが、5~6歳、それ以降、年齢が上がっていくうちに言葉で伝えることの大切さを実感する出来事も増えてゆきます。特に絵を描く、運動するなど個人の差が大きいものに関しては「できること」を認めてもらいたい、と思うのが発達の上でも真っ当、成長している証です。

要は「できることはすごい」「でも、できないことがあるあなたも好きなんだけどなー」と行動でははかれないあなた自身が最強なのよ、尊重だわよ、とセットにして伝えるようにしていました。言われた子は、はい?とポカーンとしたり、好きという言葉にストレートに恥ずかしがったり、けいちゃんのできないことは何なの?とおしゃべりに発展したりと、それぞれの反応でしたが(笑)伝え続けるうちにほんの少し「まぁ、いっか」が増えたり、認めて!感が薄まったり…その後の姿もそれぞれでしたが、言葉として伝えることも成長と共にアリだ!と思わせてもらったのでした。

できるかできないか、の評価だけでないコミュニケーションが、向き合う時には助けになってくれるかもしれません。


スタッフコラム 写真1

向き合ったらこうなることもある、お互いに。そんな時はクールダウン。

子どもと向き合う時間をどれだけ楽しめるか

あぁぁ・・・こうして書くとどこかの専門書みたいになってしまう!
私は「この方法で子どもが○○できた!」という正解がないのが、子どもの育ちでおもしろいなぁ、愛おしいなぁと思っているので、今もこうしてずっと子育ちの現場にいます。

正直、めんどくさいことが多いのと、時間がかかるのが「子の育ち」です!
(ハッキリ言ってもうた 笑)

そしてそれを、どれだけ楽しんじゃうかが勝負です(笑)
ここに、大人の遊びゴコロの感度が関わってきます!


日々自分も楽しんで「めんどうかつ愛おしエピソード」を生み出してくれる子どもたちの様子を、お迎えにきた親御さんに「今日こんなことがありましたー」としてお伝えしようとすると、どうにも上手く伝わらない…ということが保育園の担任の時にありました。

もちろん、その場面を実際には見てもらっているわけではないので、100%全てわかって欲しいというわけではないですし、そして私のトークスキルの問題も大きいとは思うのですが、何となく暖簾に腕押し状態だなぁと感じていたある日。

同僚であり看護師であり、子育て中の人生の先輩からこんな言葉が。

「保育士さんって、子どもの行動や言動一つひとつに、察したり想像したりする気がする。でもね、そうじゃない人もたくさんいるんだよ。医療や、売り上げ一つが業績に影響するような仕事は特に、目に見えること、現れた事象をみることに長けてる人もたくさんいる。保護者の中にはそういう人も多いのかもね。だからこそ保育園でたくさんの子どもの『保育』をする人を見るとすごいなって思うの。子どもに思いをめぐらせることに、たくさんの時間をかけるでしょ。これって子育てと一緒だよね、きっと。

この言葉にハッとしまして。誰もが自分と同じではない、子育てする人すベてが子どもの世界を理解しているわけではない、ということを教えてもらいました。

もしかしたら私は、子どもが、子どもが、とばかり伝えていて、育ちや発達、その後の大人の対応などを上手く咀嚼していなかったのでは、と。

そこから、目に見えない子どもの気持ちと向き合う時

・時間をかけてそばにいること
・よく見ること
・目を見て真正面から伝えるだけではなく、逆に横に座って目線を合わせないこともあること(場面による)
・きちんと叱る時と、今はやめておこうと思う理由がそれぞれあること
・言葉にならない気持ちがあるかもしれない


など「ワタシは」こういう形で向き合ってみました、とより細やかに伝えるようになりました。保育士としてのテクニックはあるものの「子どもというより、人として、前だったり横だったり時には後ろから、一緒に向き合って過ごしているのでーす」とメッセージを添えて。

子どもと向き合う=家庭にも向き合うことを、私は目指していたんだなぁと
こうして綴りながら気付きました。人との向き合い方に正解はないし、この伝え方でもなかなか上手く届かないこともある。

けれど、だからこそ何度も形を変えながらお付き合いをしていくことで、子どもや子育てをする人への理解が深まると思っています。

こんなココロモチで日々うろうろしておりますので、今、スタミナ不足だから、ヘルプ!という方はいつでもおしゃべりしましょうね♡


気力も体力も必要な夏、皆さんが無事乗り切れますように。

では、またー!!





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