駐在妻生活、人は簡単には変わらない
海外生活を楽しむぞ!と張り切って海を渡って新しい生活を始めた私でしたが、それは長続きしませんでした。
現地に着いてすぐ、現地大学の語学学校に申し込みしました。そこで知り合った駐在妻のお友達を通じて、色々な習い事ををやりました。内容はThe駐在妻です。フラワーアレンジメント、テニス、お料理教室、絵画教室、ヨガなど…(実際この倍はある)。
私は自分がやっていることが取り立てて新しいことだとは思っていませんでした。自分でも駐在妻っぽいなと思いながら、それも含めて面白いと感じ楽しんでいました。重要なのは楽しむことでした。
いつからかそれらが、なんとなく面倒に感じるようになりました。
一緒に習い事を始めたお友達がポツポツと帰国し始めていました。そのせいもあるかもしれませんが、元々一人で行動するのも好きだったので気持ちの変化の理由はそれだけではないと思いました。一人で始めた習い事や、一人でやっていた趣味も楽しいと思えなくなりました。
(めちゃくちゃ汚いローカルご飯屋さんに一人で行くなど)
(一人でやりたかったわけではないがやってくれる人がいなかった)
(お腹強いマウント)
そして一番力を入れていた語学学校さえも辞めてしまいました。
全てが無意味に思えました。
それでもお友達と一緒の習い事はなんとか続けることができました。
どうしてだろうと思いました。なぜ楽しめないのか、理由が全然分かりません。苦しかったです。
想像していた生活と違ったわけではありません。自分で思っていた駐在妻生活と実際の駐在妻生活はそれほど乖離していませんでした。
自分に合った習い事や趣味に出会えていないせいかもも思い、どんどん新しい事にチャレンジし続けました。新しいことを始めるたびにそれが楽しく思えない自分にうんざりしました。
思えば、私、習い事は長続きしない人間でした。小さい頃に両親に必死にお願いして始めたピアノもすぐに練習しなくなりました。学校の部活すら途中でやめてしまった人間です。
駐在妻になって色々やった習い事もお友達とのお喋りが目的で、内容は二の次。私が行動的に習い事をしていたのは行動の先のお喋りという社交を楽しみにしていたから。
文化的なものを学ぶことに喜びを感じる素養が自分の中には無い、自分はそういう凡庸でつまらない人間だったのだと思い知らされてからが、私の駐在妻生活の新しい始まりでした。