イヤフォンと桜
2人で飛行機に乗る時も、
デートの電車でも、
片耳のイヤホンを貸してくれるわけじゃなく
両耳にイヤフォンを挿している彼が
割と可愛くて、好きで。
私は私で、自分の好きな曲を聴く。
共有している時間がここにあるのに、
触れている肩や、繋いでる手の温もりが
特別で好きだったと。
好きだったと、今カネコアヤノを聴いて
私は思い出した。
少しセンチメンタルになる。
"ああ、私あの時はあの人の1番になりたかったんだ"と今なら知れる。
「貴方素直じゃないもんね」っていいながら
抱擁してくれた愛に素直になれない私がとても未熟だったんだなあとふわふわ思う。
桜を見ると、耳に流れ込む音楽があって
思い出すあの人がいて
なんとも言えないあの匂いが鼻をくすぐる。
過去の恋愛を肯定していける今に感謝を。
未来で待ってる恋には沢山素直になろうね私。