マエボン全ページ解説その2、広告は「ダイスキ!」「イイ!」を伝える場所
オンラインサロン前田デザイン室が作った初めての雑誌『マエボン』が9/29に発売になりました。私は『マエボン』の編集長として、全ページを解説します。
前回の記事はこちらから→前田デザイン室の雑誌『マエボン』全ページ解説始めます。表紙はこうして生まれた。
今回は広告のお話です。
初編集長かつ、初雑誌制作の浜田は最初表2、表3、表4の意味すら知りませんでした。
表1がいわゆる表紙。表紙を開いた次のページが表2。
最後の奥付の隣にあるのが表3。
そして裏表紙が表4。
今回マエボンを制作するにあたり、どうやって制作費を賄うかにも挑戦しており、その一つとして広告枠に挑戦することになりました。
キングプリンターズさんのお話
表4、つまり裏表紙に関しては早々に決まっていました。今回印刷をお願いした株式会社キングプリンターズさんです。
マエボンがかなりタイトなスケジュールだったのにも関わらず、完成した秘訣の一つが、キングプリンターズにお勤めの赤松さんの存在です。
彼は前田デザイン室のメンバーでもあるので、印刷会社の中の人がそのまま雑誌制作に関わってくれたことがとにかく大きかった。
印刷会社の方との交渉らしい交渉をあまりせずにすみましたし、入稿に関しても赤松さんが毎回チェックしてくださったので安心できました。これが一から業者さんを探していたかと思うと…ものすごい大変だったと思う。
広告枠クラウドファウンディング計画
広告枠に関しては、こういう計画を立てました。
まず、前田さんがキングプリンターズさんの広告をデザインする。
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それを見本にクラウドファウンディングで広告主を探す。
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クラファンが終わってから入稿までの期日があまりなかったので、(たぶん10日間くらいだったと思う。)広告ではあるけれど
・デザインは基本的にお任せしてもらう
という条件にさせてもらいました。ただしドット絵のキャラクターを作るので、そのキャラクターはグッズ展開など自由に使っていただいてOKということに。
前田さんがキングプリンターズさんの広告をデザインする風景は、ZOOMで公開されました。その時のデザインがこちら。
ドット絵で、
「キンプリダイスキ」と書かれています。
ラフ案では、
「キンプリイイ!」
というパターンもありました。
私はデザインする風景を見学していたので、ZOOMで前田さんに
「直球ですね」と言った記憶があります。
その時前田さんが、「だって広告ってこういうことでしょ。」っておっしゃった時、ハッとしました。広告=お金を出して枠を買ってもらうという事務的なことしか考えていなかったけど、それは違うなぁと。
広告とは枠を買って我々を応援してくださる方へ「ダイスキ」「イイ」の気持ちを広く伝える場所である。それが本質的な広告の意味ではないかと。
広告枠のクラファンページは石田くんがライティングしてくれて、タイトルに関しては私が考えました。少し長いのですが、最終的にこうしました。
広告を「掲載したい」とか「応援したい」というパターンも考えましたが、違うと思い却下。
(当時の連絡ツールdiscordでのやりとりより↓)
広告枠を買って応援してくれるんです。だから私たちは広告枠で広告主さんを応援させてほしい。そんな気持ちを込めました。
ちなみに最終的な表4広告はこうなりました。
「イイ」の部分をより深堀して、キングプリンターズさんのよさ「はじめての人にも優しい」という点にフォーカスしたデザインで、前田さんによるものです。表紙の童心くんともリンクしています💓
クラファンで狂喜乱舞
そうこうしているうちにクラウドファウンディングが始まりました。広告枠は1つ15万円。気軽にポンと買えるものではありません。簡単に売れるとは思っていなかったけど、最初は焦りました。
最終的にご購入には至らなかったものの、最初から応援してくれた箕輪編集室関西チームのリーダー今井くんをはじめ皆様に感謝しています。どれだけ勇気付けられたか計り知れません。と・い・う・か、「箕輪編集室」じゃなくて「関西チーム」で広告枠を買うって!型に収まらないところが関西チームらしくて感激しました。
流れが変わったのは、前田さんのこのツイートがきっかけです。
この後青山ブックセンターさんにマエボンを置いていただけることが決定。ここで一気に勢いづきます。
そしてそして表2広告を天パ系コピーライターの中村さんに、
表3広告をレタッチャーの大谷さんにご購入いただきました。
広告枠が売れた時、私も含めマエボン制作メンバーのお祭り騒ぎたるやもう!最初の広告枠が売れた時、私はマエボンのミーティングをしていたので、そこにいたメンバーと一緒に叫んでいました。その後嬉しすぎて私はうるっとしていました。感激と安堵ですかね。
広告枠をデザインしてくれた2人のアートディレクター
表2広告をデザインしてくれたのは、安村晋さん。表3広告は塚田洋さん。2人ともデザイナーさんで、今回はアートディレクターとしても活躍してくれました。
実は2人とも当初から広告枠の担当ではなく、ピンチヒッターなんです。クラファンが終わってから約10日で広告をデザインする。最初から心構えをしていても相当タフなことですが、彼らはピンチヒッターでこの役を引き受けてくれました。それだけでも相当な挑戦であり、リスクを引き受けてくれたと思う。
広告枠のデザインで特筆すべきポイントは、広告枠はお金を払っていただいてることもあり、前田さんからのフィードバックがどこよりもガチだったこと。ただでなくても制作期間が短い中とにかくリテイクの嵐でしたが、食らいつくかのように晋くん、塚田くんが前田さんの熱意に応えてデザインし続けたことは見ているだけでも胸が熱くなりました。
こちらが中村さんの表2広告で、前田さんのこのラフ案をもとに、
安村さんがデザインしてくれたもの。
コピーライターさんなので、ヒアリングの時に聞いたキーワードをたくさん使い、かつ中村さんを形容するキーワード「天パ」をドット絵で表現しています。
安村さんについては、私が語るよりも彼が書いたnoteを読んでもらった方が伝わるはず。
晋くんは爽やかでおっとりしているけれど、作業は本当に早い。今回の広告もピンチヒッターが決まるやいなやすごい速さで仕上げてくれました。
今回の雑誌制作で困るたびに「晋くんならなんとかしてくれる!」って何度も甘えてしまって。何度助けられたことか…。彼のnoteを読めばわかりますが、驚くべきは彼はこういうイレギュラーを予見してあえて最初担当ページを持たなかったとのこと。でもピンチはやっぱり何度かあって、その火中の栗を全部拾ってくれました。
こちらが大谷さんの表3広告で、前田さんのラフ案を元に
塚田さんがデザインしてくれたもの。
レタッチャーという職業が伝わるように、フォトショップの画面を背景に、また大谷さんが椅子が好きであるということからお気に入りの椅子も入っています。
デザインの制作過程です。
塚田くんは、寡黙で控えめなんですが胸の奥に熱いものを秘めていて、マエボン制作中はしょっちゅう徹夜してくれていました。前田デザイン室では徹夜イベントのこと「がんばらnight」というのですが、この夏一番「がんばらnight」したのは彼じゃないかな?
いつも冷静で、俯瞰するような感じで制作現場を見てくれていて、私が忘れていること、気づいていないことに声かけてくれたのは塚田くんでした。それから今回ビジュアル台割りというものを作ったのですが、塚田くんはそちらも担当してくれました。
広告枠から生まれたご縁
表2広告をご購入いただいた中村さんは、ご購入直後に早速noteを書いてくださりました。
その後もマエボン関連のnoteを書いていただき、我々前田デザイン室メンバー的には厚かましいかもしれないけど、勝手に仲間の気分です。
また表3広告をご購入いただいた大谷さんは…、なんと先日前田デザイン室メンバーになってくださりました!!
広告から始まったご縁、繋がりって本当にすごい。広告ってやっぱり、お金を出してページを買ってもらうというより「ダイスキ」「イイ」を広く伝える場所であると確信しています。
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