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Webライターが、書籍の仕事をするためにやった3つのこと。

ライター、編集者の浜田綾です。普段は、株式会社NASUというデザイン会社で働いています。

マシュマロに質問をいただいたので、それにお答えしています。いただいた質問は、こちら。

私のライターとしてのキャリアのスタートは、2015年くらいにクラウドソーシングで受けた、ベビーカーのレビュー記事です。そこから、自分で集客できるようになりたくて、ワードプレスで自分のブログを作り広告収入を得るようになりました。しかし、広告のマネタイズは上手くなかったので、個人事業主や企業の方から原稿料をもらって執筆するスタイルに切り替えました。

というのが、前回書いたことです。

1.キャリアチェンジする際にやったこと
2.テストライティングの方法 ← 今日はここ
3.もし今キャリアチェンジするならどうするか

今日は2のテストライティングの話ですが、それだけだと狭いので、ブックライティングや紙の本の仕事をするためにやったことを書きます。ちなみにブックライティングとは、著者さんの取材を聞いて原稿を構成・執筆する仕事です。よく巷では「ゴーストライター」とも言われますが、ちゃんと本にクレジットされている存在なので、できれば「ブックライター」と呼んでいただきたい…!

正攻法は転職だが……

ブックライティングに限ると採用は少ないかもしれませんが、書籍の仕事をしたいなら、正攻法は出版社や編集プロダクションへの転職です。しかし、それらの多くは首都圏です。大阪在住かつ、結婚して当時まだ子どもが小さかった私には難しい。私の環境のせいで……と最初は思ってたのですが、あるとき気づきました。

環境は言い訳でしかなく、出版社も編集プロダクションも数は少なくとも関西ならあると思います。でも一番の課題に目を向けなければ…それは、兎にも角にも実績不足です。

あと私個人の動機で言えば、本を作る仕事はしたかったけど、それだけがやりたかったか? と考えたら疑問でした。結局今、デザイン会社で本作りもWebの仕事もコミュニティも、やりたいこと全部やらせてもらってる方があってる。なので、出版社や編集プロダクションへの転職を考える場合、実績があるかどうか? と、本当にやりたいことはそれであってるのか? を考えてからがいいと思います。

1.やった仕事しか来ないんだから、実績を作ろう

私は紙の本を作った経験が0だったので、とにかく実績を作らねばと思いました。そこで、フル活用したのが、オンラインサロンです。

紙の本を初めて作ったのは、今でもコミュマネとして活動している「マエデ(前田デザイン室)」で作った雑誌『マエボン』『NASU本』です。私がコミュマネを務めているので、半分宣伝にもなりますが、マエデはやる気があれば未経験でも任せてもらえるので、実績を作りたい人はどんどん挑戦したほうがいいと思います。

『マエボン』での本作りは、サイボウズ式でも取材していただきました。


ブックライティングの実績も欲しかった。でもないものはどうしようもないので、仮想ブックライティングとして、自分で企画を立ち上げ、最初の記事を書きました。これもマエデでやらせてもらいました。「前田が行く」というnoteのマガジンです。ちなみにこのnoteは、6年経過した今もちょいちょい売れています。有料noteって資産ですね。

これ自体は、室長の前田さんの地方公演のレポートです。でもいわゆるレポート記事にするのではなく、本を作るように再構成しました。ブックライティングの練習というか、もっと言えば「私もこういう記事も書けるのだ!」をアピールしたかったという個人的な動機から始まっています。


2.ブックライティングのオーディションを受ける

私が受けたのは、編集者 乙丸益伸さんのオーディションです。確認したところ、Xの固定投稿は今もオーディションの話になってますね。ただ、アカウント自体動いてなさそうなので、やってるかどうかは直接質問してみた方がよさそうです。

乙丸さんの固定投稿にあるようなGフォームに登録していたら、乙丸さんよりオーディションの案内メールをいただきました。書籍の概要、著者名、こういうテイストの原稿が欲しいという指定があり、原稿を書いて送ります。私が受けた2回のオーディションのうち、1回はそのオーディションから選ばれた方がブックライターとして活躍されていました。

私はこのオーディションを2回受けて、2回とも採用されなかったので、わかりやすく落ち込みました。実力で叶わなかったのだから当然です。でもそれは私にとっては良かったのかもしれない。

書籍の仕事はしたい。遅ればせながら実績も積んできてる。でもそれじゃあ足りないのだ。努力・働く方向性を考えろのメッセージだったと思うんです。ありがたいことに当時コミュニティマネージャーの仕事をいただく機会が続いたので、ライターとコミュマネの両方をやろうと決断できました。

ちなみにこの話には、後日談があります。マエデの定例会で、乙丸さんとお話しする機会がありました。乙丸さんのオーディションを受けた話をしたところ、私は2回とも2位だったと教えてくれました。もちろん1番でないと意味はないのですが、箸にも棒にもかからなかったわけじゃなかった! と少し胸を撫で下ろしました。


3.需要と供給、本を出したい人を探す

私がブックライティングをさせてもらえた方法は、これになります。世の中には、書籍を出したい方がたくさんいます。そういう方は経営者だったり本業が忙しいので、執筆する手間を省きたいのです。1冊の本は、だいたい10万文字あります。仕事しながら10万文字を書くって、なかなか大変なことですから。だから、そういう人を探すのです。

さもノウハウっぽく書きましたが、私の場合はタイミングとご縁だったと感じます。今働いている会社の代表前田さんが本を出したいと言っていて、私は本を作りたいと言っててその時期が同じだったからです。

そこで、前田さんの本を出すためのプロジェクトとして企画や執筆をお手伝いさせてもらいました。書籍を出す前提でnoteをバズらせるミッションのために、前田さんのnoteの構成・執筆をさせてもらいました。この辺はお手伝いさせてもらっています。

私の場合は、そのまま前田さんの会社でお世話になっています。中には、この方法、つまり本を出したい著者さん候補に出会い発信のお手伝いをしながらブックライターとして関わらせてもらう。という方法を繰り返して、ブックライターとしての実績を積み重ねている方の話を聞いたことがあります。だから、再現性もあると思います。


未経験の状態から紙の仕事、ブックライティングをするためにやったこと3つをご紹介しました。

これが大体2018-19年の話です。ここから6年くらいが経過し、本づくりの仕事が増えました。ありがたいことですよね。もちろん大変なこともありますが、そういう時はこの仕事をやりたくても手が届かなかった時の苦しかった気持ちを思い出すようにしています。当時の私なら「何を贅沢な悩みを!」と血相変えて怒り出すはず笑。

今日このnoteを書いて、改めて自分のモチベーションの源泉を知ることができました。質問ありがとうございました。明日は、じゃあ今ライターのキャリア0に戻ったらどうやってキャリアアップするか? について考えてみます。今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



質問が減ってきたので、何かあれば質問ください!(ただし質問内容は公開します。ご了承ください。)


本文でも登場した、クリエイターコミュニティ「マエデ」で作った雑誌『Grapheck(グラヘック)』が現在クラウドファンディングを実施中です。仕事ではできないものづくりをテーマにした雑誌です。もしよかったらご支援お願いします!ゆりやんレトリィバァさんのインタビューもあるよ。


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