コミュニティでは、メッセンジャーグループを推奨しない6つの理由。
コミュニティマネージャーの浜田綾です。今日は私がコミュニティに関わる上で大事にしていることを書いてみます。
心理的安全性の高いコミュニティを作るためには、自由な意見が出やすいことが大事だと思っています。そのためには、情報格差を作らないことが重要です。なぜなら、情報格差があると「内輪なやりとりがすでにあるから入りにくいな」と感じてしまい、発言に躊躇してしまうからです。
そのため、可能な限り私はメッセンジャーグループなどのクローズドなやりとりをしないようにしています。
私のなかで、こういうオープンなコミュニケーションをとるきっかけになったのは、箕輪編集室の運営チームにいたときです。コミュニティメンバーのいろんな人が箕輪さんにメッセンジャーで質問すると、忙殺されるから、スレッドで全部聞くようにしようとなりました。その後、前田デザイン室を立ち上げた時も、同様のルールにしました。単純にオーナーの負担を減らすことが目的でしたが、それ以上にいい効果があったので、コミュニティにおいて、メッセンジャーやメッセンジャーグループを推奨しない理由を書いてみたいと思います。
1.一人の疑問はみんなの財産
コミュニティに入ってわからないことがあった場合、聞きたいけどスレッドなどに書き込むのって勇気が入りますよね?
すでに解決していることを聞くとよくないかな?
こんなこともわからないのか、と思われないかな?
などなど。その気持ちはめちゃくちゃわかります。私も運営する側に回るまではそうだったから。あるとき、勇気を出して聞いてみた経験があって、すると「私も同じことで疑問に思っていました」って他のメンバーから言われたことがあるんです。それも何回も。そこで悟りました。一人が疑問に思うことは、他の人もそうである確率が高いんです。だから、誰かが質問してくれることで、同じ疑問を感じていた人が助かる。質問って資産なんです。だからこそ、勇気がいるかもしれないけど、みんなの見える場所で質問をしてもらえるとコミュニティとしてはすごくいい状態だなと思っています。
2.運営チームの管理コストが下がる
みんなが見ている場所で聞くのが憚られるから、運営の〜さんにメッセで質問する。まぁ別にいいんですよ。ただ、同じ質問をAさん、Bさん、Cさんに聞かれて同じ答えを返すなら、まとめて回答できた方が運営コストは下がります。
「運営なんだからそれくらいやれ」と思われるかもしれないし、決っして対応するのがいやなわけではないです。ただ、コミュニティ運営って、雑務も含まれますが、本質的にはコミュニティをよくするための気づき・提案・改善する役割だと思っているので、そこを頑張るためにも雑務でパンパンな状態でない方が望ましいです。
3.情報格差はコミュニティの分断を生む
冒頭に書いたお話です。どのコミュニティでも必ず生まれるのが、内輪感、あるいは、古参と新参。これ自体はある程度の人数が継続的に集まる集団である以上避けられないと思っています。
では、なぜこういった格差が生まれるのか? それは持っている情報に差があるからなんですよね。古参は新参よりも昔の情報を知ってるから、マウンティングする現象が起きるんです。内輪と呼ばれる状態も、そのメンバー関しかわからない情報を共有してるから、知らない人が疎外感を感じるんです。
そうならないためにも、等しく会費を払っているコミュニティメンバーが得られる情報に格差を作らないようにしています。
4.退会管理の徹底
3まで読んで「わかるけど、まぁ固いこと言うなよ」って思うかもしれません。私が運営する側じゃなかったら正直、思います。だから、その気持ちはすごくわかる。例えば、コミュニティで知り合ったメンバーと仲良くなって数名でメッセンジャーグループを作ります。知り合ったきっかけがコミュニティであって、コミュニティ以外のプライベートなやりとりをする分には一向に構わないんです。
ただ、そういう運営が預かり知らないグループがあって、その中でコミュニティのプロジェクトとか、コミュニティですべきコミュニケーションをされると情報格差ができるし、そのグループの管理もできません。コミュニティで管理している場所は、会費を支払っていくれている方の価値を保つため、退会者が出たらグループからも退会してもらいます。でも私的にできたメッセグループだとその管理もできないですよね。それって、ちゃんと会費を払っている人からすれば、すごく不公平なんです。
5.見えてないところだと態度が変わる?
これは私の経験談です。あるとき、コミュニティに対する意見をメッセンジャーでもらいました。私の至らぬ点もあれど、コミュニティ全体に関わることだから、見えるところにぜひ書いて欲しいと言いました。するとその方は、「それだとみんなの士気が下がるかなと思ったので個別にしました」と言われました。
うーん^^;
みんなの前で言ったら士気が下がるなら、個別に言ってもいいのかな? そんなわけないでしょ!私は人間サンドバッグではない!うぉぉぉぉぉ!(思い出し怒り)
これインターネットあるあるですよね。匿名だと言えるけど、面と向かったら言えない。こういう人多いと思います。運営する側も人なので、何を言われてもいいわけじゃない。正当な改善点は、面と向かって言ってもらえるようにした方が、メンタルの消耗を防げます。
6.オープンなやりとりはトラブル防止にもなる
4でも書きましたが、コミュニティきっかけでメンバーと仲良くなり、コミュニティを超えて親交を深めるのはすごくいいことだと思います。運営サイドとしても嬉しい。ただ、人間関係のトラブルがあった場合、そのトラブルをコミュニティに持ち替えられても正直対応が難しいです。
なぜトラブルになるかというと、これは5に紐づいていて、クローズドなやりとりだから、気が緩んで喧嘩腰になるんですよね。コミュニティメンバー全員が見てる場所と仲良しのメッセグループでは同じ態度にならないはずです。なので、コミュニティが提供しているインフラ以外でコミュニティのやりとりはしないこと。何かあっても、預かり知らない場所でのやりとりだと、メンバーのみなさんを守れません。
以上ざーっとまとめてみました。これだけ読むと窮屈に感じるかもしれません。もちろん私たちもメンバーを縛り付けたいわけではないんです。ただ、人が多数集まる集合体を運営し、意見しやすい空気を生むにはこれが最適解だと考えています。
とはいえ、ある程度のセキュリティは守らねばならないから、なんでもオープンでいいの? といえば、そうではありません。次回は、コミュニティにおける、セキュリティの考え方について書いてみます。
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