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人と人を繋いだポケモンGO

ゲームで自分を語る。そんなタグを見つけたので私も書いてみようと思う。

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私の1日はゲームを起動することからはじまる。布団の中で、横で寝ている息子を起こさないように画面の光を最小にしてパスコードを入力する。

子供の頃、ゲームボーイで発売されたそのゲームは今は人気スマホアプリだ。あの頃も布団の中で親に見つからないように遊んでいた。当時は光る画面なんてないから懐中電灯を布団に持ち込んでこっそりとゲームをしていた。あの頃と何も変わっていない気持ちがある。

ポケモンシリーズと共に私は大人になった。

大人になり社会人として勤め人となりながらも、兼トレーナーであった。リリース当初社会現象にもなったポケモンGOはダウンロードの時点で回線が混み合い、リリース日の次の日にやっと起動できた。それくらい社会が注目していた。

歩きスマホ、ながら自転車、ながら運転、違法駐車、迷惑行為。そんな負のイメージがどうしてもつきまとうのは遺憾だ。たしかに一部そんな人もいる。けれどそんな人ばかりではない。

はじめてポケモンGOを起動して捕まえた時は、ゲームボーイの世界に入ったんじゃないと錯覚した。逆に街中にポケモンが放たれたんじゃないかとも思えた。

ポッポを捕まえてこんなに嬉しい日が来るとは思わなかった。しかもこのゲームはイベントやアップデートで次々と機能が追加されていく。

新ポケモンが追加されたらトレーナーらしき人がわんさか街中でスマホを持って立ち止まっている。まさに社会現象だ。

携帯の画面をくるくると指でなぞって右上に抜けるような動作をする。あれはカーブボールだ。ポケモンGOをやっているお仲間はすぐに分かる。

そのうちにポケストップの位置を覚える。あの水色のピンがトレーナーには見えるようになる。アイテムを集めてはポケモンに向かってボールを投げる日々が続いた。

しかし私に転機が訪れた。結婚し勤め先を変えたことで不規則勤務、それも激務になり、私はポケモンGOから離れてしまった。疲弊し眠ることだけが唯一の癒しだった。あんなにゲームが楽しかったのに寝ている時以外は苦痛を感じていた。

出勤の時に車が壊れてくれないかな、空から岩が降って潰してくれないかと本気で思うようになった。決定打として職場の人間関係を拗らせ毎日のように上司に叱責をうけるようになった。対峙しても自分の意見を伝えられなかった。

真っ白なようで何もない未来が怖かった。一度は夢を叶えて憧れの職業に就いたはずなのに、転職し真っ逆さまに落ちていくまでが早かった。

幸せな生活が待っているはずだったのになぜこんなことになってしまったんだろうと毎日後悔していた。何もないことに愕然とした。本当に分からなかった。

他人から昔やってたことでもいいと言われて、ポケモンGOを思い出した。絞り出してやっと出てきたのがポケモンGOだった。

私のスマホでまだアカウントは生きていた。待っていてくれた。

知らない機能がたくさん追加されていた。知らないキャラクターが饒舌に話しかけてくる。なんだこの男は。そして右下に影が出ていて、少し歩くとその影と同じモンスターが出てきた。このモンスターも知らない。

ちなみにキモリだった。捕まえてBOX内に入った。久しぶりにワクワクした。そのキモリは今も消せない。

そして退院してリハビリがてらポケモンGOで家の近所を歩くようになった。とにかく外出が億劫だったが、1番近くのポケストを回すことを目標に生きていた。

やがて自然に回復していった。日光に当たって歩くということはそれほど身体にいいことなのかと驚いた。

さっきも書いた右下の影はニアバイというらしい。ニアバイに未登録のポケモンが現れたら少し距離があっても歩けた。図鑑の登録が増えたら嬉しかった。

新しい機能は使っていくうちに慣れたが、1番参考になったのはYouTuberのポケモンGO解説チャンネルだった。タイムリーにイベントの詳細を解説してくれたり、効率の良い方法について学べた。奥が深いゲームだ。


その頃にフレンド機能が追加された。子育てに備えて引っ越しもした。新しい土地でポケモンGOをしている人に声をかけてはフレンドになりギフトの交換をした。

近所に住んでいて顔は知っているけれど本名は知らない。連絡先は分からないけどTwitterでメッセージは送れる。その距離感が不思議と心地よかった。

学生時代からの友達は就職を機にやってきたこの土地にはいない。ゲームがきっかけで広がった世界で出来たフレンドが心の支えとなっている。

個体値を厳選するためにポケモンの交換をしながら一緒にコンビニで買ったものを食べたり、遠出した時のお土産の交換をしたりした。素性をほとんど知らないのに好きなゲームが同じというだけで年代を超えて熱く語り合えた。

深く事情は話していないが、ポケモンGOから離れていたと話すと、離脱していた期間限定で捕まれられるポケモンを交換でくれたりもした。しかも色違いだった。その気持ちが嬉しくて最高の相棒まで育てている。

外出した時にいつ会えるか分からないのにお土産を選んでいた。レイドバトルが集合の合図となって待ち合わせをしなくても週に1度は顔を合わせた。

やがて出産日を迎えた。無事に産まれた。ポケモンGOでウォーキングをすることで足腰を鍛えたのもあってか安産だった。出産するその日の夕方までレイドバトルで近所の公園でパルキアを獲っていた。

そして産褥期を抜けて外出すると10km卵産まれたんやね、おめでとうと声をかけてくれるフレンドがいることが嬉しかった。

そして感染症が広がりはじめ私たちの日常は一変した。不要不急の外出は控えなければいけないため、私も自宅で過ごしていた。その頃GOバトルリーグに必要な距離が無くなり自宅でもポケモンGOを楽しめるようになった。

ポケモンGOは私を日常に連れ戻してくれた。フレンド機能でご近所の知り合いが出来た。そんな大切な存在だ。

これから先、子どもが大きくなるにつれてまた仕事を探すことになる。それが今の願いであり目標だ。

また失敗するかもしれない、だけどポケモンGOがあれば大丈夫だと思う。

アプリを作ってくれた人、情報を発信してくれるYouTuber様、フレンド様、支えてくれている家族に感謝している。

これが私の自己紹介であり、好きなゲームの話。最後まで読んでくださりありがとうございました。

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無印良品のポチ菓子で書く気力を養っています。 お気に入りはブールドネージュです。