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ゼノブレイド2は深夜アニメのノリか?

初プレイから7年ぶりにゼノブレイド2をプレイしてて思ったこと。


レビュー

この5ch系のゲームレビューサイトの「ポイント」には
『全体的に『クロス』から『ゼノブレイド』に回帰
表層は深夜のラノベ原作アニメな雰囲気に
根幹の部分はゼノシリーズらしく壮大
ブレイド関連はランダム要素と作業感が強め』

とある。

本文の「賛否両論」の項にも

『ストーリーが淡泊だった『クロス』に比べ濃い目になったのは良いのだが、『1』が少年漫画風とすれば本作はそれに加えて深夜アニメや美少女ゲーム、ライトノベルのような会話イベントがやや目立つ。

  • また、序・終盤にかなりショッキングなシーンのあった『1』と全編通して暗い展開が少なくなかった『クロス』に対し全体的にコメディ要素の強い場面が増え、ごく一部ではあるが漫符が用いられるようなムービーもあったりする。』

という記載がある。

前置き

ゼノブレイドシリーズの中でも最も知名度も売り上げもある「ゼノブレイド2」は批判の矢面に立ちやすい。
その批判内容としてよく見るのがこの「ラノベ・深夜アニメのノリが受け付けない」といったものだ。

これは「ゼノブレイド3」が発売された現在において、同シリーズの他作品との対比としてではなく、「ゼノブレイド2」の特徴として発売当初から、つまりは単体の評価としても指摘されているのを見かけた。

私は当時(2017年)から、どうなのかな?と思っていた批評だったが、2024年の今プレイし直していて、改めて的外れな言い草ではないかなという疑念が
強くなった。

その根拠を説明していきたい。

ラブコメ会話

全体的にカップル仕立てというか、恋愛要素も強い。
ノリ突っ込みのような会話といった、コメディに傾いた作風ではある。

なにより本作には、悪名だかい中盤の「かめあたま!」という下ネタがある。ここだけとにかく駄目だと拒否反応を示す人も多い。


このあたりが一部のプレイヤーに「深夜アニメ」を感じさせるのであろう。

しかし本当にそうだろうか?

いにしえのRPG

私は本作の「軽いノリの会話」は、深夜アニメというよりはむしろスーパーファミコンやPS1時代のRPGのノリのように感じる
レックスとホムラの合体技や、主人公やイーラサイドでない勢力の(つまり主要人物でない人たちの)コミカルな会話といったものは、そもそも深夜アニメやラノベでは少ないように思う。

「ゼノブレイド2」ではこの「RPGノリ」の会話がふんだんに織り込まれているだけではないかと。
では何故それが「深夜アニメノリ」に見えるかと言うと、昔のRPGでは3人称視点で行われていたコミカル会話が、本作では1、2人称視点に近いカメラワークかつ、綺麗な、つまりスーファミというよりは「深夜アニメ」に近い画質で繰り広げられているからだ。

例えば、2章の警備隊長と領主の会話なんかがそうで、あれはコテコテのRPGノリで、むしろ深夜アニメでの方が見かけないように思う。

少年漫画

深夜アニメ・ラノベが「ラブコメ」主体で、前項がコメディ部分の説明だとすれば、「ラブ」部分の説明もする必要があるだろう。

私はここも深夜アニメ・ラノベとは少し違っていて、少年漫画のおいろけ・恋愛部分の方が近いように感じる
それは、主人公の行動の主目的とはあまり関係なかったり、しっとり描かれているというマクロな階層でもそうだし、お手軽なおいろけ会話として挿入されているミクロな階層でもそうだ。
(ラノベの)ラブコメは恋愛をもう少し時間割合的に大きく割く。


最近は少年漫画も深夜アニメで放送されているという指摘もできようが、ラノベ、少年漫画、RPGのノリの交錯や混淆という意味ではゼノブレイド2にだけ当てはまる批評にならない。

ついでに言うと、「かめあたま!」に関しては深夜アニメでも別に見ない。しょうもない下ネタが属するジャンルは存在しない。

まとめ

コメディ部分はコテコテのRPGが2017年にはすっかり少なくなってしまっていたから、それ以外の要素は一部のプレイヤーがサブカルのなかでも偏った嗜み方をしていたが故に、「ゼノブレイド2」に対して深夜アニメのノリという見方が生まれてしまったのだと思う。

レベルファイブなんかのゲームはいにしえではないが、(視点の置き方や画面の綺麗さはともかく)ゼノブレイド2に近いノリのものも多い。

「ドラゴンクエスト8」の序盤、ククールとの初対面シーンに、酒場で喧嘩するエピソードがある。


これもゼノブレイド2のキャラデザとカメラワークであれば、「深夜アニメ」のノリ扱いされるだろう。


『『1』が少年漫画風とすれば本作はそれに加えて深夜アニメや美少女ゲーム、ライトノベルのような会話イベントがやや目立つ。』

という評もあったが、『1』はひたすらに暗くて、『2』は少年漫画風、が実際のところである。


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