2018年からこうぶつヲカシ(琥珀糖)を全国に向けて発送を始めたとき思っていた事。
こうぶつヲカシ(琥珀糖)を全国に向けて発送を始めた。
2017年の秋に福岡の片隅で作り始めた鉱石みたいなお菓子、こうぶつヲカシは、福岡のお店を中心にイベントなどで、順繰りと発売を始めました。
発売から半年もたたずして、makuakeでの販売を機に、突如全国の方々に知られることとなりました。
直接購入希望のメールがやってきて、そのたびに銀行振り込みを促す。入金確認後に発送と、手間がかかることが多い日々でした。同時に、オンラインでの販売も需要があるのだということ実感したので、自社サイトでの販売の準備をすすめていきました。
ECサイトでの販売の始まりです。当時は定番の9粒入り採取箱のみ1種類のオーダーを受け付けていました。
全て手作業で切り出す和菓子のため、工場でどんどん作ったり単純に外注して生産を増やす事ができないため、アトリエ内で、コツコツと人を育てながら、みんなで切磋琢磨して、美しいカットを追求していきました。
クライアントからの様々な要求に全力で応えていくことで、通常の商品の質の安定と向上にもつながったのか、販売数は向上していきました。
あまり数字のことを言う自信もないのですが、これまで数字として、想像していた以上のスピードで伸び続けてきたことを何故だろう?と振り返ってみました。
「私は意図的に売ろうとしたのか?」という問いに対しての答えは「ノー」であると思います。
質の向上を妥協せず、作りたい欲をきちんと自分自身が満たすということは確かに大切にしてきました。お客様の求めるものも汲み取ろうとしたり、その積み重ねの結果が、リピートの方を増やしたり、目にした方が自分でも買ってみようという気持ちにつながったりと、より求められる方向へ向かっていったのかなと思います。そもそも売ろう売ろうと思ってモノは売れるものではないと思います。そんな簡単なものではないですよね。
ただ、本能的にこれはすごい!と思えるようなものを作らなければ、人は買う!という選択にまで至らないのではと思うので、想像を超えていかなければならないとは絶対だと思います。そして従業員の生活のためにも、安定的に売れるのを目指すのはあったという意味では売ろうとした、、なのでしょうか?笑
ずっと悩み続けた琥珀糖の質の安定
正直今でも悩み続けていますが。琥珀糖という寒天菓子、とっても難しいです。作り方は寒天と水とグラニュー糖を煮詰めて型に流し込み、冷やして固まったらカットするという非常にシンプルなのですが、湿度や温度に非常に左右されやすい。味を追求しようと、果汁をたっぷり入れると乾かない、色を追求しようと天然由来の色素で作ろうと思うと思うような発色が出ない、同じ味なのに毎回若干違う色になってしまう。。
何回やってもわからないことがまだあります。冬なら乾くのに夏は乾かない味があったり、、何日もかけて乾かないものだと、表面が美しく仕上がらず、思わぬ仕上がりになる事もしばしば。
生き物を扱っているような気持ちに今でもなります。
コレが切りたての状態、透明度があって非常に美しいのですが、数日間乾かす過程でまた全く違う表情になります。
感情すら入るのではと最近では思い始め、とにかく清き心で制作することを大切にしています。何時間も切り続けると身体ががちがちになるので、福利厚生でヨガ、整体、カウンセラー、おいしいものを食べる。。などなど、スタッフさんの身も心も常にほぐれている状態をと思います。
段々とそういう精神的な言葉も当たり前に飛び交うようになっていき、健全な物作りの環境を整えていく事が、結果良い作品を生み出すことの繋がるのではと確信し始めました。
そんな風に一生懸命作ったこうぶつヲカシも、見た目は石のようで固そうですが、実際はすごく柔らかいシャリっとした寒天菓子なのです。
全国発送の際に、ワレモノ指定で天地無用で送っても潰れて届いてしまう事があったり、微振動に耐えられなかったりとたまにお客様からのご連絡があると胸が締め付けられる思いでした。
完璧な梱包をして安心と喜びを届けたい。
いつもお客様の悲しいお声を頂くたびに、赤ちゃんのお包みにヲカシが包まれるようなイメージで梱包をしよう!と皆で考えその緩衝材すら可愛くとオリジナル包装紙を季節ごと作り、コレもまたひとつの楽しみになるようにきっちり仕上げました。
1番嬉しかったのは、お客様にその気持ちが通じた事で、壊れてしまうトラブル防止の為の策だったのが、この箱を開けたところからお写真に撮っていただき、SNS等でも嬉しそうな投稿を我々が目にした時です!!!!!
どんなにお取り寄せで人気店があったとしても、梱包のところから自慢出来るところは、私の知る限りハラペコラボだけだと思います。
発送に一生懸命真剣に取り組んでくださるスタッフさんたちには感謝の気持ちでいっぱいになります。
また、紙ものでいうと、気合の入った箱には可愛いカードが必須であると思い、周辺のカード類もどんどん充実させていきました。
ひとつひとつの紙ものメッセージカード季節ごと変わるイメージフォトカード(最初は1種類だったが今では季節ごとどのカードが入るかもお楽しみになるように、様々なカードが入るようになった)も一箱につき必ず標準装備をしてギフトとして完璧な装備となるようにしました。
どのクオリティも単体で売れるぐらいのクオリティに。(実際写真のように別封筒入りでの販売も行っております。)
手提げ袋も、オリジナルで質感の良いもの、箱の色と手提げの持ち手の色を一緒にして、一体感を出したり、袋の内側にロゴマークを忍ばせたり。。ホント細かいですよね。笑笑
顔が見えないオンライン販売に込める私たちの想い
全国に発送していると、直接お客様のお顔を見てお渡しできなかったり、ギフトでお渡しするのかなと想像しますと、どんなパターンでも心配りが行き届いている状態にしたいと考えているうちにどんどん進化したのだと思います。
会えないから余計に、お菓子が出来たら完成なのではなく、ハラペコラボの商品はその周りにある全てにおいて完璧だから喜ばれる。というのを大切にしているのです。
それでもリピートして頂けたら励みになりますし、SNSで嬉しそうなコメントを見られるのが何よりの喜びなのです。そうやってお客様との愛を育みながらこれからも作り、お送りできたらと思います。