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[メグ様]1-10話 リムジン

神室の扉の外で控えていた側近奴隷が扉を開き、お二人は手を繋ぎながら昇降口まで歩かれる。
メグ様にとってはこの世の全てのドアが自動ドアである。常に複数の奴隷を侍らせているため、メグ様が通過するドアは必ずピッタリのタイミングで開閉される。そのためメグ様は自分でドアを開けようと考えたことすらない。

神室から昇降口までの数十メートルには何人もの奴隷が道を挟むように土下座し並んでいた。
わずかな瞬間のみでもお二人の気配を感じさせていただきたい下級奴隷たちが、いつもこのように群がる。

この学校には2つ昇降口がある。1つは元から昇降口として使用されていた空間であるが、そこには現在、下駄箱が存在しない。
下駄箱が撤去されたそのだだっ広い空間には、ランウェイのような幅2mほどの通路が入り口から教室の方へ続いている。その通路の途中に半径3mほどの円形に広がった部分がある。
全てが大理石で装飾されたその通路の周りは50cmほど低く、剥き出しのコンクリートとなっている。ここで下級奴隷たちは土下座し、頭上のお二人のことを想像させていただく。

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