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短編/楓様

【あー疲れたー】

そう言って楓様が入室される。
私はいつも通り、この旧校舎の奥にあり誰も使うことのない化学準備室へ先に来て、鍵を開け土下座で待機していた。
楓様はいつもの席に座られると、私の頭に上履きを履いたままのおみ足を乗せられる。

【よし】
「楓様!本日も最低な担任奴隷のご調教をお願い致します!」

私は額を床につけ土下座したまま、予め用意していた1万円を頭上に掲げ、楓様に渡した。

【マッサージ】
「畏まりました!ありがとうございます!」

私の頭から楓様のおみ足が離れた。
頭をあげると、そこには私が担任するクラスの生徒であり、超絶美少女である楓様が本日も美しいお姿で足を組んで座っていらっしゃる。

私はまず先日購入したフットスツールを楓様の足元に移動させる。
楓様はおみ足を伸ばしてスツールにお乗せになる。その美しい所作に私は見惚れてしまう。

「失礼致します!」

私は楓様の足元に跪き、まず両方の上履きを脱がせる。
可愛らしい靴下を履いたおみ足があらわになる。楓様は足指を少し動かされた。
靴下はやや厚手の黒いクルーソックスで、くるぶし部分にグレーがかったニューバランスのロゴが施されている。

1日楓様が履いた靴下はよく蒸れているようだ。
上履きを脱がせた瞬間からモワっと湿度の高い空気が感じられ、やや酸味の強い匂いが漂った。
それもそのはずだ。本日最後の6時間に体育があったことは確認済である。私はこの放課後の時間をいつも以上に期待していた。
クネクネと動く楓様の足先が、いつも以上に私の興奮を唆る。

【マッサージの前に嗅ぎたい笑?】
「よろしいんですか!?嗅がせていただきたいです!」
【だと思った笑。別にいーよ】
「楓様ありがとうございます!!」

私は四つん這いとなり、楓様の足裏に顔をギリギリまで近づけ、大きく深呼吸した。
足に近づくと勿論その分だけ匂いを強く感じる。
鼻先に足裏の熱気を感じ、その美しい足裏に顔を押し付けたい衝動に駆られるが、なんとか理性で抑え込む。

楓様の気まぐれなおみ足の動きによっても、誤って触れてしまわないよう細心の注意を払う。
私の汚い顔面が、楓様の美しいおみ足に触れてはならないときつく躾けられているからだ。
これまでに数回、楓様のおみ足に私の顔が触れてしまったことがあり、その際には非常に厳しいお叱りと罰を受けた。

【はい、おしまい笑】
「楓様ありがとうございました!」

ものの2分ほどで、この幸せな匂い嗅ぎタイムは終了した。
当たり前だ。匂いを何分嗅がれたって楓様にメリットはないのだから。
楓様にとっては何秒であっても、嗅がせてやる許可を出したことに意味があるのだ。

私は財布から5千円を取り出して、お礼を申し上げるとともに楓様に手渡した。
時間に関わらず足の匂い嗅ぎは5千円と決まっている。

「失礼致します!」

私は改めて楓様の足元で跪き挨拶してから、おみ足に触れ、足裏のマッサージを始めた。
両手の親指の腹に力を込め、入念に指圧する。いつも便秘気味だという楓様の便通が良くなるよう胃腸の反射区を意識して指圧する。
さらに足指を1本ずつ丁寧に引っ張ったり、腹や側面を揉んだりする。

【そういえばそろそろ期末テストじゃん】
「はい!また各科目のテストが作成され次第、模範解答を楓様にお渡しいたします!」
【よろしくー。前回遅かったから今回はちゃんと早めにね】
「はい!畏まりました!」

【そうだ。飯田の件は?】
「はい!楓様のご命令通りに処理致しました。私の調べでは、楓様の御交友関係に勿論問題はございませんでしたし、いじめなど存在しませんでした。」
【あははは。お前まじ使えるね笑】
「ありがとうございます!勿体なきお言葉でございます!」

私は今この時間のように週1-2回ほど楓様の足をマッサージさせていただいたり、嗅がせていただいたり、日によっては靴下を購入させていただいたりする。
この夢のような時間の見返りとして、私は定期テストの模範解答を準備して予め楓様にお渡ししたり、抜き打ちの持ち物検査の情報を事前にお伝えしたり、楓様が起こしたトラブルを可能な限りで揉み消したりしている。

【飯田の件もあるし、今日は久しぶりにご褒美あげよっか!】
「楓様ありがとうございます!」
【いくらあんの?】
「はい!只今2万3千円ほど持っております!是非お受け取りくださいませ!」
【ん。じゃあはい、あげる】
「楓様!誠にありがとうございます!大切にさせていただきます!」

私は財布に入っていたお札を全て取り出して楓様にお渡しした。
楓様はニューバランスの靴下を脱ぎ、私の顔面に投げ捨ててくださった。
その瞬間に先ほど嗅がせていただいた足の匂いがゼロ距離で感じられ、私の興奮は最高潮に達した。

楓様はバッグの中から替えの紺ハイソックスを取り出して着用し、そのまま部屋を後にされた。
私はいただいた靴下を手に取って頭上で掲げ持ちながら土下座し、退室していく楓様を見送った。

「楓様!本日も最低な担任奴隷をご調教いただき、誠にありがとうございました!」

もう私以外誰もいない準備室で、無機質にただ私の声が響いた。 

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