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短編/純様
【ただいまー】
「おかえりなさいませ、純(すみれ)様!」
今日は日勤4日目でクタクタだ。
しかも18時に今帰宅して、24時前にはまた出勤して深夜勤に行かないといけない。
それさえ終われば、明けからの2連休だから実質3連休。頑張ろ。
玄関に全裸で土下座していたコイツは私の奴隷。歳は5個上の30歳、いい歳こいて独身の冴えない男だ。
ただ、こう見えて同じ病院で勤務してる医者だ。放射線科医だから病院で会うことはないけど。
今日は日曜日だからコイツは休みだった。
コイツは基本土日休みだから私の部屋の掃除、洗濯、そのほか色々やらせてる。
今日も朝ごはんを作らせて、私を病院まで送らせた後は、部屋の掃除と溜まった洗濯、それから日用品の買い物、ガソリン補充、洗車とか諸々やらせといた。
【ご飯ね】
「畏まりました、純様!」
キッチンから命令すると、やっと額を玄関の冷たい床から離してキッチンに来る。
奴隷が晩ご飯を用意している間に私はシャワーを浴びる。
出てくると、綺麗に盛り付けられたサラダ、パスタ、スープが並んでいた。勿論私の1人分。
コイツの良いところは何よりも医者で給料が良く、月に平均80万くらいは私に貢げること。私のことが大好きで、どこまでも従順なこと。あとは料理がうまくて綺麗好きだから家事がうまいこと。
めっちゃ都合の良い奴隷を見つけて、私のQOLは爆上がりした。
【いいよ、足】
「ありがとうございます、純様!」
コイツは私の足がとにかく好きだ。
だから食事中はこうやってマッサージさせてやることが多い。
足が好きすぎるせいか触り方が気持ち悪いけど、まあ疲れはある程度取れる気がするから大目に見てる。
食事はかなり大盛り。
1人分とはいうものの、食器とカトラリーが1人分なだけで量自体はほぼ2人分だ。
私は食事に満足すると、そこからはパスタとサラダを咀嚼して吐く。スープは口に含んで何度かゆすぐ様にして吐き出す。
コイツの餌だ。
【ご馳走様】
「純様、ありがとうございました!」
私が食事を終えると、私の咀嚼物が入った食器を奴隷が床に置く。
奴隷は四つん這いでそこに顔を埋める形で、犬のように餌を食べ始める。
私は歯を磨く。
唾や口をゆすいだ液を、奴隷の食器に吐いてやる。
それを期待して、奴隷は真っ先にスープから飲み干している。
奴隷は餌を平らげた後、デザートとして私の歯磨き液を一気に飲み干す。
私は髪を乾かす。
奴隷は食器を洗い終えると、私の足元で四つん這いになる。黙って私はその背中に座り、髪を乾かすまで椅子にしてやる。
【今日は合格】
「ありがとうございます、純様!」
【今日結構大変だったからヤバいかも笑】
「楽しみでございます!」
【あはは笑。じゃ、おやすみ】
「おやすみなさいませ、純様。」
私が布団に入ると、奴隷はベッドサイドで土下座し挨拶してからそっと寝室を出ていく。
その後は私の気まぐれで、今日履いていた靴下と靴を奴隷に消臭させてやる。
ある程度不満がない日は許可してやるし、少しでも粗相や不備があった日はお預けだ。
今日は許可してやった。
この後しばらく奴隷は私の靴下と靴を嗅ぐようだ。
前に私が23時に寝て夜中2時頃に目が覚めた時、その時間まで靴下を嗅いでる奴隷を見たことがある。
その日は真夏で彼氏と1日遊園地デートした日だったから相当臭いがついてたんだと思う。
でも3時間も嗅ぎ続けるってどういう状況だよ笑。
どんな良い匂いで、どんな好きな匂いでも無理でしょ。
やっぱりコイツは相当イカれてんなと思った日だ。
まあ全然興味ないから、私は深夜勤に備えて寝る。
23時半過ぎギリギリまで寝て、さっさと準備したら奴隷の車で出勤。本当便利だ。
奴隷はお金と労力を全て私に捧げ、私は気まぐれにご褒美をやる。
これ以上ないwin-winな関係だ。