大手Vtuberから学ぶ【新人Vtuber】や【新人ストリーマー】の戦略と思考①
最近大手Vtuberの動画を掘っている事が多く、そしてその面白さの要素がどこらへんから来ているのか?というのに着目しています。
それと同時に、自分自身がいわゆる配信の初心者達をサポートするコミュニティも立ち上げており、そこで色んな配信者達と関わってもいます。
この二つのサイドによる視点から自分なりに分析してみました。すると大手の人気の秘訣とその対岸にいる初心者には根本的な違いがあると感じてきました。もちろん大手の内部事情などはわからないので、どうしてもそこに関しては正確性を欠く事は間違いないです。
が、ひとまずこんな感じなのではないか?という仮説を元に現状把握し、検証しない事には戦略も立てられず、ファンを増やす事もまず不可能だろうなと感じています。
新人Vtuberと新人ストリーマーとも表記しましたが、以降は対比としての大手Vtuberと新人Vtuberとして書いていきます。しかしこれはyoutube初心者や配信初心者にも当てはまることだと思っていますので、アバターを用意していない方でも参考になるかなと思います。
- 大手の強みとキャラクター性 -
まずは大手のVtuberの特筆すべき点として、非常に豊かなキャラクター性が挙げられます。きっとファンの方々は「そうそう!」と納得してもらえると思います。
しかしキャラクター性だけならば別にVtuberであろうがなかろうが、新人だろうがあるにはあるんですよね。
ですが、特に大手のVtuberのキャラクターを構成する重要な要素がいくつかあって、それが「ロールプレイ」と「コミュニティ」だと思っています。
この二つが根本的に大きく違うため、総合的なコンテンツとして大きく差が開く要因になってると思います。
- 大手によるロールプレイの差 -
大手Vtuberはロールプレイに徹していて、レベルも高いです。
ただこのロールプレイというのも「アバターキャラクター」として演劇的にロールプレイするという側面もありますが、この程度であればどのVtuberもできてると言えますね。
がしかし、大手Vtuberは「求められているキャラクター性を演じれている」という大きな違いが挙げられます。
つまりどういうことか?というと、視聴者やコラボの場などで求められている立ち位置、あるいは役割をしっかりと全うできる…ということなのです。
これは中の人が持ってる性格と合致してるかどうかは別として、Vtuberとしてのキャラを本人の性格から切り離して演じ切ることが可能だという事になります。求められている環境に応じて「いじられ」だったり「もの申す」だったり「司会・進行」という具合に…です。
しかし新人Vtuber含む配信初心者はまず自分の性格ありきです。
自分じゃないキャラを演じるのを極端に嫌がる人が多いです。新人Vtuberほど、中の人が持っているキャラクターや性格に固執している傾向があると思っていて、実際自分も色々な配信者と関わっていく上で、この点をとても強く感じていました。
もちろん簡単な事ではないのは事実です。…がしかし、大手Vtuberほど視聴者が求めているものやコラボにおいて柔軟に立ち回っています。
この必要に応じてキャラクターを演じるという、強大なストレスとも言える行為を可能にしているのが大手によるインセンティブでしょう。彼ら彼女らは莫大な人気と報酬によって、必要に応じたキャラを演じる事が可能になっていると言えます。
逆に人気がでるかわからない状態でかつ無報酬で活動しているような、大きなリスクを取れない新人Vtuberは、どうしても自らの中の人のキャラを守らざるを得ない状況になってしまいます。
そして守っているからこそ、変化に乏しく面白みが薄く表現も弱く、個性的なモノであっても変に尖りすぎていたりと…大手Vtuberと比べると大きく見劣りしてしまいます。
個人でやっていくにはこれだけの環境の差がある…という事実に気付いていている人はどのくらい居るのか?...正直なところ、ほとんど居ないんじゃないかと思っています。
新人Vtuberとして発掘したところで、この環境の差を埋めるのは非常に厳しいと感じます。
では新人Vtuberは生き残っていけないのか?というと、必ずしもそうではないと思います。
結局のところ「インセンティブの壁」を越えれるかどうか?という事です。
- インセンティブ無しで壁を越えるには? -
単にゲームが好きで、ただただアバターを動かして、素のままの自分の性格を出す…そしてその温度感で動画や配信垂れ流し結果が出ずに辞めていく人を、近くでも山ほど見てきました。
これはVtuberとして、どのくらいVtuber活動が好きなのか?が問われている気がしています。
ここで勘違いしてはいけないのは「ゲーム」が好きなんじゃなくて「Vtuber活動」が好きかどうか?です。何かを演じたりエンタメを届けることが楽しい…ゲームはあくまで手段の一つであり、これが本筋ではない事を理解しているのかどうか?というのは、新人Vtuberが人気になる条件として必須かもしれません。
そしてVtuberとしてのエンタメ活動が好きであれば、大手のようにロールプレイをしたり、コラボでの役割や視聴者のニーズなどに合わせて、ある程度変化することもいとわないでしょう。なぜならば「好き」であるからです。
大手Vtuber達は、本人がそう思っているかどうかは別としても、環境含むシステム的にエンタメを届ける体制でVtuberを運営しており、そのインセンティブに引っ張られるようにVtuberの中の人もクリエイティブさを発現していることが多いです。
その反対側にいるのが多くの新人Vtuber達です。元々の環境も大手とは大きな差がついた状態から始まっており、さらに付け加えるならば、多少言い方が乱暴にはなりますが、多くの新人Vtuberはエンタメ活動が好きというよりは「単にゲームが好きなだけ」「フォロワー数や人気といったSNS的快楽を求めてる」「楽しくお金を手に入れる」といった自己欲求が主目的でVtuber活動が単なる手段という逆転現象が起きています。
- ロールプレイの必要性 -
一生懸命やってるようで、結果的についでのVtuber活動してる…みたいな人は予想以上に多くて、そうである以上エンタメを届けて見てる人を楽しませるという熱意が弱いです。
故に求められているロールを演じるなんてことはしないし、自分が面白いと感じるゲームばかりに執着してしまい、アバターキャラクターに中の人の人間性をそのまんま乗っけるという具合になっています。
これは例えるならばVtuber活動におけるキャラクター性とは、料理における食材だと思ってみるといいかもしれません。
食材を生のまま提供して「料理」とするのは厳しいと思います。あくまで味付けや調理するのが基本です。当然生のままで美味しい食材も存在しますが、それはごく一部のモノに限ります。
丁寧に調理や味付けされたものを綺麗に盛り付けて「召し上がれ」出されるのか、何の処理もせず臭みを抜かずに味もついてない食材を「さあ食え!」と出されるのでは、全然違います。
ここまでの説明をすると、それは媚びているだけだ!と反論し、私は媚びないのがスタイルだ!と思う方もいるかもしれません。
しかしこれは厳密に媚びている事とは違います。「媚びさせてくる事に従い媚びる」ことと「エンタメとして求められているものに応える」という、似ているけど微妙に違うラインを理解するべきだと思います。その上で、様々な意見やニーズに対して自ら試して考えて取捨選択するべきです。
ここが難しいところなのですが、ある人にとっては「媚び」であってもある人には「ニーズに応える」になる場合があるのです。
そして、この辺の問題に解決の糸口を与えてくれるのが「コミュニティ」だと思っています。
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