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『投影』応援コメント
2月18日(日)に東京東中野にあるSpace & Cafe ポレポレ坐にて上映するドキュメンタリー映画『投影』についていただいた応援コメントを紹介します。
※敬称略
誇張はせず、強調もせず、何も余分な付け足しのない印象の映像を観ていると、まるでその場にいるかのように伝わってくる。よく見て、よく聞いて、よくよく知ろうとする心の動きそのままに。
白井明大(詩人)
投影。projectionという言葉が「スクリーンに映像を投影すること」を意味するようになったのは、映画の誕生以前である。だが、その言葉に「無意識のうちに他人に感情を投影すること」という意味が加わったのは、まさしく映画の誕生の時期である。
映画の誕生と同時期に執筆されたアンリ・ベルクソン『物質と記憶』を手がかりに、映画の起源をめぐってイメージを旅する原将人の『マテリアル&メモリーズ』。
そのライブ上映会の準備から本番を終えるまでを映した『投影』は、一回かぎりの映画の誕生をめぐるひとつの物語を生起する。
3台の映写機を入念に準備する原監督。はじめて8mmフィルムを操作する杵島さん。不意に感情を揺さぶられるのは、それがまさに映画をめぐる投影の営みだからである。
筒井宏樹(現代美術史研究者)
映画の上映にはトラブルがつきものです。何度も同じことを行っているはずなのに、予期せぬことが起きます。
『投影』は、そんなハラハラドキドキを追いかけてもいますが、出来事よりも原將人監督や上映を手伝う杵島さんが、フィルムに触れる手作業を記録しようとしています。
木原さんは、攻めでも受け身でもなく、作品が人の手で作品になっていくまでを見届けようと、根気よくカメラを向けられる人です。
その飾らない姿勢が、たった一回の上映会が始まる前の、作品が作者の手から離れていく瞬間を、とても幸福な時間として見せてくれるのだと思います。
小森はるか(映像作家)
木原さんはいつも「手仕事」にこだわっている。
『Claraさんのはりこ』では、
和紙をちぎったり、型に貼ったり、
粉を溶かしたり、筆で塗ったりする指先を。
『投影』では、
フィルムを巻いたり、蓋を開けたり、
リールに触れたり、スイッチを押したりする指先を。
カメラ越しにじっと見つめながら、
遠慮がちに、作家の隣に佇んでいる。
淡々と時は流れていくけれど、
静謐というわけではない。
Claraさんのおしゃべりが、子どもたちの声が、
映写機の回転音が、原監督の歌が、
その場をやさしく包んでいる。
穏やかで和やかな空気だけど、
サスペンスがないわけではない。
カッターを操る危うげな指先にはらはらしたり、
気分屋な映写機にはらはらしたり、
ゆらゆら揺れるカメラにはらはらしたり、
じつは意外と気がぬけない。
気が気でない。
手の仕事から目が離せないでいるうちに、
いつしかはりこは完成し、
観客の拍手が聴こえ、映画は終わりを迎える。
なんだかよくわからないけど、良いものを見たな。
そんなふうに思えるから、
また次の「木原さんの手仕事」が見たくなる。
佐々木友輔(映像作家)
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