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【haramiベスト12】2020年も良曲ぞろいだった~!!【Jロック】【アニソン】

年の瀬。今年も残りわずか。節目のタイミングとせっかくnoteを始めてみたから、今年の曲で個人的なベストソングを発表するぞ~(どんどんパフパフ~)(こういうのやってみたかった)

ちなみにベスト10じゃなく12なのは1曲/月のペースでお気に入り曲が増えたから。というか単純に良曲多かったしね、今年。

それじゃ、さっそくいってみよう。
紹介する順番はシンプルにリリース順です。


赤い公園『絶対零度』 

イントロ優勝案件です、はい。
と思ったらAメロで転調しだすわなんだこのバグった構成(褒めてる)。

TVアニメ『空挺ドラゴンズ』のEDであり、私はこの作品を通して知りました。名前は聞いたことあるけど曲自体はがっつり聞いたことはなく、なんならボーカルが変わってることも知らなかった。だから彼女たちに関して予備知識がないほぼまっさらな状態で初めて聞いたのがこの『絶対零度』という曲。

ガールズバンドという括りで語るのはもう時代遅れだと思ってるんだけど「こんな重厚でバチバチにキマってるサウンド、男性バンドの曲でもほとんど聞いたことない」と当時の私はつい思ってしまった。この時点でガールズバンドに対する偏見ありありです。ごめんなさい。

ギターもベースもドラムもピアノも全部主役、みたいな、でもごちゃついてるわけでもなくそれぞれの音が一番映える場面でしっかり鳴ってるのがかっこいい。バンドサウンドに入るピアノ大好き芸人としては、このピアノが入ることでハードなかっこよさだけでなく切なさや儚さが感じられるのがとてもエモい。

息を吸って吐くことが奇跡なんだと知っても
淡い泡ひとつ潰したい
燃えるような赤い魚

“もしも死海に飛び込んで生き残った金魚がいたら”という着想で書かれたらしい本作。金魚鉢の中にいれば安全で幸せだけど、未知の世界に立ち向かっていく勇敢な姿が詞からも曲からも感じられる。個人的に響いた歌詞。


Omoinotake『モラトリアム』

歌い出しで掴みにかかってくる曲。歌始まりの曲が好きなのもあるけど、これは鳥肌立つくらい衝撃だった。この曲で初めてオモタケを知る。

雨の情景を繊細に、なおかつ詞中の「僕」の心情と重ね合わせて描いてるテクニックがただただすごい。晴れ間が見えることもなくずーーーっと降り続けている雨のイメージ。「僕」と「君」の関係を止まない雨と重ねて、軽い絶望なんだけどそれさえも綺麗に思えてしまう。いわゆるメリバ的な。悲しいけど美しい、もどかしくなるほど切ない関係性が丁寧に描かれてる。

劇場アニメ『囀る鳥は羽ばたかない』のタイアップ曲。原作がボーイズラブ漫画で有名な作品とは知っていたけど読んだことはなく映画も未視聴。だから想像の範囲で語るけど、男性同士の恋愛の苦しさ、もどかしさが凝縮されたような曲だなってすごく感じたんだよね。軽率にイメソンを考えてしまうオタクだからこのシチュエーションにはまるカップル他にもいそう~……って聞くたび思ってた()。

それくらい普遍性がありつつタイアップ曲としても機能しているのが素晴らしい。今回の記事の中でも提供曲あるけど本当にアーティストの力量が試されるよね。“作品のための書下ろし”ってワードにめちゃくそときめきます…。

曲に関してはピアノしか勝たん。ギターレススリーピースロックバンドって初めて聞いたかも?ギターいないのは珍しいなって知ったとき思った。他に同じ形態のバンドっているのかな。バンドサウンドに入るピアノ大好き芸人の血が騒ぎました。


the peggies『アネモネ』

ストレートな失恋ソング。恋愛ソング全般あまり聞かない私にとっては珍しい選曲。アネモネの花言葉は「はかない恋」。

the peggiesもがっつり聞いたことないアーティストの内の一組で、よく聞いてたのは『スタンドバイミー』。女の子!かわいいもの!スイーツ!恋!……みたいなワードが浮かぶ(語彙力)印象をバンドにもってたところにボーカル北澤ゆうほちゃんの芯があって飾らない、透き通った歌声を聞いてドはまりした。アニメのED曲で作品にもぴったりなのもめちゃくちゃ好感度あがった。

この曲を聞いたきっかけはたまたま見かけたジャケット絵から。赤のデザインがかわいい……!今回紹介する曲の中でジャケットが一番好きかも。

恋愛ソングを一歩引いて聞くスタンスを取っていた私にとってこの曲はなぜかすーーっと頭に入ってきた。共感はしないけど理解はできた。それはきっと悲しい、苦しい、といった気持ちのごり押しではなく、ただただ“君”がいないことの喪失感を歌っていたからだと思う。

音のない空 誰もいないベランダ
赤いアネモネが咲くのを待ってる

ここの歌詞だけで“君”がいた頃といない今との比較ができて、一人だけの無機質な部屋の情景がすっごい浮かんでくる。天才かと思った。歌い上げの高音もめちゃめちゃきれいだし。あと、「赤い」アネモネの花言葉は「君を愛す」なんだよね。それがいっそう喪失感を加速させてる。

もう戻ることのない関係、再び会うこともない人って恋愛以外の別れにもあてはまりそうって繰り返し聞きながら感じた。そんな別れを悲痛な気持ちで歌ってるというよりは、“君”がいなくなってしまって主人公の時間が止まった、前に進めない苦悩が描かれてることに私は共感した。

北澤ゆうほちゃんの歌声も甘すぎずさっぱりとした雰囲気なのもあるし、それでいて切なげで熱を帯びている質感の声が良い。『スタンドバイミー』で惚れたけどこの曲で惚れ直した。


THE ORAL CIGARETTES『Fantasy』

今回紹介する中で唯一シングル曲でもなくMVもない一曲。オーラルにとって5枚目のアルバム、『SUCK MY WORLD』のトレーラーでしかYouTubeに音源がないから聞ける人はサブスクでぜひ聞いてほしい。

アルバムを通して聞いたときはちょっと今までにない感じだけどライブで盛り上がるであろうダンスチューンだなあといった印象だった。その後しばらくはヘビロテするわけでもなかったところ、あるきっかけでほぼ毎日聞くことになる。

それはボーカル山中拓也さんのインスタグラムでのストーリーズだった。珍しくファンからの一問一答をしており、国内外問わずたくさんの質問に答えていた。そこで目にした質問が「SUCK MY WORLDの曲の中で一番好きな曲はなんですか?」というものだった。海外の方からの英語での質問に拓也さんも英語で返答していた。「どれも好きだけど(強いて言うなら)Fantasy!」。自分なりの解釈も入っているがこのような意だった。

私はそれを知って半分意外に思い、半分納得した。意外だったのは先述したようにシングル曲でもなくMVもないアルバム曲の内の一曲が選ばれたこと。納得したのはこの曲が普段とは違う環境で制作された一曲であることを以前雑誌で読んでいたから。

拓也さんが飲み屋で知り合った陽気なおじちゃんがサウンドクリエイターでその人との共同制作っていう、これだけ聞いでもかなりぶっ飛んでるエピソードだなと(笑)。拓也さん以外の3人にも演奏面での指摘やアドバイスもガンガンしてて、楽器隊のメンバーはそれに戸惑いもあったそう。でもそれだけ新しい取り組みをした渾身の一曲になっている。

制作のきっかけが物語るようなパーティーサウンドなんだけど、歌詞は内でくすぶってるような鬱屈したイメージを思い起こさせるフレーズがところどころ感じられる。

マジでダセーな Drug Time
依存できなきゃ Down Time
騙し騙しビートに刺さるのは
吐き出す心臓に触れるWeak Point
尊敬を履き違えた
一瞬快楽 You're so rude
マンソンのマネ?Oh Shit…
君にはなれない

ドラッグから音楽を生み出すことに対してコンプレックスを抱いてたという拓也さんが書いたこの歌詞。ドラッグなどによって直結的に感情に行き着く手段で音楽を作ることに対する意地を見せた反骨精神を感じる。

ドラッグに頼らずとも同じ景色が自力でも見れるはずだっていう自分の中の明確な理論がずっとあって。(中略)だから自分は違うってどこかで振り切れたし、なんならドラッグやってる人が生み出す音楽に対しての嫉妬や絶望みたいなものも全部音楽に変えちゃえ、それが山中拓也でしょ、みたいなことを自分の中で思って書いた曲ですね
(MUSICA 2020年5月号より引用)

インタビューで私が一番滾ったところがここ…!!私はやっぱり負の感情を肯定してエネルギーに昇華してくれるオーラルの曲が好きなんだなと改めて思えた。マインドがめちゃめちゃかっこいいよ、オーラル。

ここからSMWの中でも大好きな曲になったし思い入れもできた。繰り返し聞くたびこの曲をいつかライブで聞きたい、って強く思う。思いっきり声を出して、体を動かして、感情をさらけ出したい。観客との熱を大事にしてきてくれた彼らが最高だって思えるライブを見届けられる日が来ること願って。


宮川愛李『魅惑のカレイド』

この曲もぜひサブスクで。この記事書こうと思ってMV探したけど出てないことにびっくりした。歌い出しで心掴まれて一耳惚れした曲。初めましてのアーティストだと思ったら『名探偵コナン』のED歌ってた方か~って調べて気づいた。灰原哀目線の映像が当時話題になってた。

これはもうパンチライン以外でもなんでもない。キャッチーなメロディと歌詞で優勝してる。ポップとロックが融合したアップテンポな楽曲は女性ボーカルが映えると思うし特に彼女の歌声は力強さと可愛らしさも兼ね備えててぴったりハマってるな~と。

作詞は彼女自身がしていて、ティーン世代に刺さる歌詞って印象だった。語呂を意識した言葉選びだと聞いてて感じたし、韻踏みも心地よかった。最初音源だけ聞いて歌詞は見てなかったけど思わず笑っちゃった歌詞がここ。

私が想うのは
あなたと貴方とアナタとAnataの事ばかりだから
はやく はやく 本気に気付いて
そして そして その先でtururu…

めっちゃ「あなた」って言うじゃんって思ってた部分の歌詞がこういう表現になってたとは!サブスクが普及してじっくり歌詞を読まなくなった今、改めて歌詞を読んだときこういう発見をすると楽しい。特定の誰かとも捉えられるし一人に限定されない複数人の発想もできる。

恋愛ソングという解釈が全てではなく、人の思いの強さ、大切な人に対する一途な思いを表現した、と彼女のHPでのオフィシャルインタビューで語られていたことがこの曲を好きな理由の一つかなとふと感じた。誰かを、何かを一途に好きでいることってシンプルに素敵だよね。


小林私『生活』

この曲6月にリリースされてるんだけど、私は今月に入って初めて聞いたんですよ。11月末にはベスト12をほぼほぼ決めててよっしゃこれで書くぞ~と思ってたところに食い込んできやがった曲です。悩んだけどもともと入れてた一曲をカットしてこちらを加えました。入れざるを得なかった。

YouTube漁ってて茶髪ゆるふわウェーブのすげえ美人がいるサムネを見つけたのがきっかけ。女性ソロで新規開拓したいと思ってたところだから聞いてみよ~~~って踏み込んだのが間違いだった。今思えば見事にサムネほいほいされた。イントロのドラムから期待を膨らませつつ流れた第一声を聞いて思ったこと。





男性かよ…………………………!!!!

くっ……………………騙された……………………。見た目がタイプで性癖に刺さるだけに悔しい………。未だに映像と音声が一致しないことがしばしば。見た目と歌声とのギャップも反則です。

あとから気づいたけど私、彼の歌をこのMVで初めて聞いたわけじゃなかった。フリースタイルラッパーのGOMESSさんと『Stardust』って曲でコラボしてた人かーーーってびっくり。

このときは感情を歌に上手く乗せた歌い方する人だなあくらいの認識で名前すらちゃんと把握してなかった。歌声はぶっちゃけ好みじゃないなと思ってたし。

男性だったっていう衝撃とビジュアルの好みで初見はすごい興奮してしまったけど、聞くたび中毒性が高まってくるヘビロテ曲になった。低音の歌声とベースの重厚感が心地良い。派手派手しいメロディーではないけど、淡々としたAメロ、Bメロからサビの静かな熱をもつ儚い歌声によって、ドラマチックな展開になってるなと思う。

こういうミディアムバラードでちょっと暗い世界観のMV出してて、なおかつ少し物悲しい内容の歌詞だけど最後には希望が垣間見えるような曲が自分好きなんだなと気づかされた。曲を通して知る自分の性癖……。

リリースされてる曲はまだ多くなくて、カバーアルバムとオリジナル楽曲が数曲。来年に初のオリジナルアルバムも出るみたいでこれからの活躍が楽しみ。2021年バズれ~~~(期待)


……はい、ここでやっと折り返しの6曲紹介したんだけど……………………明らかにペース配分間違えた。1曲にかける文量こんなはずじゃなかった。もっとさくさく進むイメージだったのにそれぞれ思い入れが強すぎて長くなってしまった。この時点で5000字だもんな。単純に考えたら曲数的に10000字超えるじゃん。とりあえず書けるとこまで書いてみます。


Shin Sakiura feat.AAAMYYY『NIGHT RUNNING』

TVアニメ『BNA』のED。ノンクレジットの映像が上がってたからこちらも見つつ、ぜひ各サブスクでフルでも聞いてみてほしい。この曲を通して作曲のShin Sakiura氏もボーカルのAAAMYYYさんも知った。AAAMYYYさんはバンドTempalayのメンバー。

4月に放送が始まった作品で6月に配信してから今月までずーーーっと聞き続けてた。不思議と飽きがこなかった。「マイブーム」のプレイリストを作ってるんだけど新曲が入れ替わりしてる中、半年ずっとプレイリストに居続けた古株さん。

理由はいくつかあるけど、一つはAAAMYYYさんの歌声と「夜」との親和性の高さなんだよな。夜にドライブしてるとき聞くとめっちゃエモいです。夜の街を駆け抜けていくような心地よさがたまんない。夜って静かなイメージもあるけど、夜になるにつれて高まっていく熱い気持ちや衝動をベースラインやビートで表現しているのが良き。

歌詞を読んだら「自分探し」をテーマに書かれていると感じると思う。アニメの主人公の女の子がまさにそうだからちゃんと作品にも沿っている。悩んだりとまどいながらもひたむきに人生を走り続ける、そんな雰囲気がぴったりだった。

静かに心を燃やすような、秘めた熱い気持ちを解き放つみたいなメロディーと歌詞がすごく刺さった。こういう「夜」もアリだな……!って新鮮さで感動した。

余談だけど、アニメ作中でこの曲たくさん使われてて。主人公の「みちる」とその友達「なずな」の思い出の曲として流れたり、キャラクターが歌手として歌ってたり。一番エモい使われ方だったのは夜の車内でみちるとなずなが言葉を交わさないシーンのバックで流れたとき。まさに夜のドライブだったし、曲に語ってもらう演出が良すぎた。制作陣、この曲愛してんなあ。


SixTONES『NAVIGATOR』

ここにきてジャニーズが登場。これまでの私だったら考えられなかった。テレビで聞くことはあってもCDを買って聞く、っていうのはしたことがなかった。サブスクも配信もないのが悪いよね……← 配信あっても買ったとは思うけど。

私が推してるTVアニメ枠「ノイタミナ」の7月クールのアニメ『富豪刑事 Balance:UNLIIMITED』のOPで出会った。存在自体は知ってたけど、デビューしたて、新進気鋭のジャニーズグループ、くらいの認知だった。年内をもって活動休止するビッグコンテンツのアイドルみたいな影響力がないと私の人生にジャニーズが関わってくるとは到底思わなかった。

そんな私が年明け発売の1stアルバムを予約しちゃうくらい彼らにハマるのは自分でも衝撃的なんだよな……きっと私みたいなジャニーズほとんど聞いたことないオタクでもSixTONESにハマった人いるはず。

まず、出会い方から仕組まれてたんだよ(言い方)。本来OP映像でアーティストのクレジットが入るけど、1話放映時はわざと入れられてなかったの。放映前もアーティスト情報は解禁されなかったしどんな大物がくるのかどきどきしてた。実際、OP見ると「知らんな……男性アイドルっぽいけど名前伏せるほどの人たちって誰……?」ってなってた。

もうそこでOPのことで頭いっぱいになるように計算されててまんまとやられたよね。1話見てから真っ先にアーティストが誰か検索かけた記憶がある。彼らだと知ったときはいろんな感情が巡ってた。

え、ジャニーズ??深夜アニメのタイアップにジャニーズくんの?しかもノイタミナで?うわー……、私の好きな領域に専門外のコンテンツが入ってきた、動揺する……。OP、映像も曲もすごい良かったなあ……富豪のリッチな感じとスタイリッシュさが共存してて疾走感もかっこいい……激し目なサウンドだけど弦楽器音で綺麗さもあるから作品にぴったりでは……うん、これすでにだいぶ好きなやつだな……どうしよう……アニメとジャニーズの組み合わせ違和感ない……私の中でこんな簡単に気になる存在に昇進してしまうジャニーズ恐ろしい子……。というかノイタミナでジャニーズ起用がもう革命すぎて……。その事実だけでいっぱいいっぱいなんだよ(半ギレ)。このタイアップ仕組んだの誰???ちょっとゆっくり話がしたいんですけど(圧)。うーん、絶対飛ばせないOPだなこれ……………………。

……みたいな単純に嬉しいとか喜ぶような感じではなく複雑な心境だった。失礼な話だけど、ジャニーズはじめアイドルって歌う人たちがメインであって曲は二の次みたいなところあるよねって思ってた。それが悪いとかではなくそういうスタイルというか戦い方的な。アピールするところがバンドやシンガーソングライターと違うだけで。

でも今回前情報を一切なしにOPを聞いて、良いと思って、蓋を開けたらアイドルでしたって事実を知って、シンプルに曲だけで魅せられて彼らの曲に惹かれた自分が確かにいて。これまでのアイドルに対するイメージや価値観が粉々になって、それまでの自分の浅はかさに対して恥ずかしかったり、曲だけでも十分に戦える彼らがすごいと感心したり。

未踏を進め Doubt navigator.

彼らにとっての初のタイアップ曲であり、リスナーの幅が広くなったであろう今作、まさに未踏を進んだ彼らと、私にとっても初めての体験が重なり、自分の人生において未踏の場面に触れることができた。それがどこか誇らしい。彼ら自身がリスナーを率いてゆく「NAVIGATOR」だったわけだ。

余談。初めてジャニーズグループのアーティストのCDを買うにあたって今回は期間限定盤を買ったんだけどジャケットの神戸大助、版権絵で一番好きだと思う。NAVIGATORポーズしてるやつ。これがSixTONESホームページのディスコグラフィ欄に載ってるけど、ジャニーズの顔面偏差値の高さにも引けをとらない推しのイラストすごい気に入ってます。っ ょ ぃ 。


OKAMOTO'S『Welcome My Friend』

クソデカ感情生産曲のターンきました。

私はこの曲に2020年下半期狂わされた。

その結果がこれ。

このクソデカ感情、一人じゃ抱えきれねえ……と思い立ち初めて投稿した。10,000字近くある。拙いところもあるけど当時の私にはこれが精いっぱい。お暇だったら読んでください。これに書いてあることはここでは書かない。

富豪刑事という作品は大変罪深い……OPもEDも私を狂わせてくる。先で紹介したOPの歌詞に出てくる「NAVIGATOR」は作中のAI執事のことではないかと考察されていたのが興味深かったけど、EDは神戸大助・加藤春というバディの刑事を描いてます。

曲自体というよりはアニメを通しての曲の話になってくるんですけど……。曲やEDの映像の制作過程で私が好きなエピソードが2つあって。それが大変刺さった。

一つは作品の監督、伊藤智彦氏のOKAMOTO'SへのEDのオーダー。雑誌のインタビューによると「クールで、お酒を飲みながら聞きたくなるようなやつ」と最初にお願いしたそう。そこからOKAMOTO'Sがデモを作って監督に直接送ったら「もっと頑張りすぎない感じ」という返事があったらしい。

アニソン=気張るような勢いのある曲って印象だけどそこをあえて逆に突っ切るリクエストによって曲が生まれたんだなーって思うとこのオーダー、けっこうキーだったのでは……?ってじーんときてる。EDであること、かつ作品の雰囲気も兼ねてるだろうけど今のアニメのタイアップ曲ってオシャレさや洗練された雰囲気も大事になってくるなあと。ノリのいいキャッチーさだけじゃない魅力の話。

こういうオーダーができるのも映画『HELLO WORLD』で劇半音楽担当で共演したことのあるOKAMOTO'Sとの関係性だからこそなんだなと。ナイスタッグ!

もう一つはED映像の制作側のこだわり。各種動画配信サービスで富豪刑事EDを見てくれ……っと懇願するんだけど、このEDに至っては曲も映像も大好きなんですよね。富豪刑事EDの好きなところ百選で一本記事書きたいくらいには。1分30秒の映像で百選ってもう全てにおいてになるけど。

映像を手掛けたのは黒津安明さんというアニメーターさんで、驚いたのが富豪刑事を作った制作会社の方ではなく、わざわざ監督が直接オファーした社外の人だったこと。しかも、打ち合わせでは作品の説明をするのみでどんなEDにするかはお任せ状態、絵コンテ・演出・原画・背景・撮影、全てを手掛けてたそう。いくらなんでも社外のクリエイターに任せすぎなんじゃ……?って思う。

でも黒津さんが伊藤監督からのオファーを最終的に引き受けたのは作品と曲に興味を持っていただけたから、って知ってやっっっっっぱり曲の出来最高ですよね?????って食い気味に反応してしまった。

EDに詰まってるのは作品の内容と曲から受けたインスピレーションなわけで……。創作意欲を掻き立てられるような曲を作ったOKAMOTO'Sもすごい。それにミュージシャンから引き継いだ、作品に対する熱をいっそう膨らませて作品に昇華したアニメーター、立場は違えどクリエイター同士がまさに「合わさって 噛み合って Make things a little better」なのが激アツ。

詩中の「俺」「お前」はOKAMOTO'Sの間柄も表していて、メンバーそれぞれクセがありつつも、その一癖ある者同士によって生まれる調和・奇跡だったり、中学生の頃からの腐れ縁的なつかず離れずの関係性を描いてたりする。

神戸と加藤においてもお互い譲れない部分や頑固なところがあって相反する立場でぶつかり合うんだけど、対照的だからこそお互いにないものを補い合って最強になれる、という構図が最高オブ最高なんです……それが歌詞からも映像からも感じられるようになってる。

この二人は手段が違うだけで事件解決や犯人を捕まえるという最終目的は同じだから、いずれ最強のバディになるんですよ。これは私の願望ではないです、いずれ現実になります。きっと二期か劇場版で()。

私はED初見時「対!対!!対~~~!!!」って語彙力失うくらい、神戸と加藤の相反する性格や立場、それによる二人の対比の関係性を徹底的に描いてるところにめちゃくちゃ悶えた。ちなみに私が一番好きな演出は二人が身にまとってる「カラー」が最終的に交わるところ。これもまた「合わさって 噛み合って Make things a little better」なのが(略)。

SixTONESもだけどOKAMOTO'Sも今年ハマると予想していなかったアーティスト、ワンツーでランクインしてる。どちらも富豪刑事を通じて出会えて本当によかった。ありがとう。


米津玄師『感電』

今年イチ話題作のアルバムと言っても過言ではない米津さんの5枚目のアルバム『STRAY SHEEP』からこの曲をチョイス。収録曲の中で一番好きだ。TBS系金曜ドラマ「MIU404」の主題歌。ドラマは未視聴。

今や米津さんの代表曲として真っ先に挙げられる『Lemon』、ドラマ『アンナチュラル』のタイアップ曲として一躍世に知られた。そのアンナチュラルの脚本家、野木亜紀子さんがMIU404の脚本も担当することとなり、アンナチュラルでの共演タッグが再び、ということは期待も半端なくありプレッシャーもあったと思う。

それでもその期待をさらに超えて『感電』という渾身の一曲を打ち出せるのはただただすごい。米津さんはどれだけ引き出しがあるんだろう……。ヒットメーカーはとどまることを知らない。

MVを初めて見たときの印象。イントロから掴みにかかってると今は思うけど最初は出オチじゃんってめっちゃ感じた。← これどういうテンションで聞けばいいやつ?刑事モノのドラマだからシリアスめな雰囲気想像してただけにすごいずっこけた。歌詞もわんわんにゃんにゃん言ってるし、MVは踊るし空飛ぶしで情報過多……!

でも聞くたびクセになってくるのが米津マジックだなーと思う。遊び心あるサウンドかと思いきやしっとり聞かせるようなパートもあったり。サビに入る前のシャラララ……って一瞬キレイにクールダウンしてからのハッとさせられる管楽器のアクセントが好き(細かすぎて伝わらない)。

真実も道徳も 動作しないイカれた夜でも
僕ら手を叩いて笑い合う

正論と暴論の 分類さえできやしない街を
抜け出して互いに笑い合う

サビ前のこの歌詞の一節、狂った世の中であるということが前提になってて、そんな異常な世界でも生きていこう、お前となら笑い飛ばせるくらいに乗り越えられる、ってメンタルがすごく気に入ってる。身に降りかかる理不尽さえも追いつけないようなスピードで駆け抜けていく心地よさがある。

ドラマに沿って言えば歌詞の「俺」と「お前」は二人の刑事で、しかも設定上性格が正反対のキャラクターなんだよね……。……………………うん、この設定既視感めちゃくちゃある。放送期間が被ってたから余計シンクロしてしまう。

正直に吐くと、富豪刑事の神戸と加藤を重ねてめちゃくちゃイメソンだな……………………ってしんどかった。米津さんの歌詞って抽象的なわけではないのに汎用性が高すぎる。いろんなシチュエーションに当てはまるのなんなんだろうな……。私は密かに彼をイメソン量産機と呼んでいる。

たった一瞬のこのきらめきを 食べ尽くそう二人でくたばるまで

ここの歌詞さ、「一瞬」なのに「くたばるまで」って矛盾、絶対終わりを迎える気がないの笑う。もうずっとお互いそばにいてくれよ……っ。そしてメロウなエンディングを目指してくれ~~~(懇願)

勝手にキャラを重ねた結果しんどくなるというザマだから、これドラマ本編見てる人はもっと情緒不安定になってそう。私は放送当時富豪刑事でいっぱいいっぱいだったからあえて視聴してなかった。見てたらダブルパンチで情緒が死んでたと思う。でもいつか見てみたい。


Cö shu Nie 『ずっとそばに』

『絶体絶命』『Lamp』『bullet』、ノイタミナ作品に関った曲たち。特に『PSYCHO-PASS3』のED、『bullet』が好きでよく聞いていた。こしゅの曲は一瞬で自分たちの世界にリスナーを飲み込むような演奏、歌声で構成されていると思う。スリーピースとは思えない重厚なサウンド、一般人なら声を張るだけで精いっぱいの高音キーを美しく魅せるボーカル。

唯一無二の存在感を放つ楽曲はそのテイストが好きな人たちを虜にしているだろうし、私みたいなかじりかけのリスナーをも魅了する力を持っている。ただ、個性的であることはクセもあるということだ。厚みのあるサウンド、高音のボーカルは聞いている側の感情を激しく揺さぶるかのようで、私はそれに少し疲れてしまってしばらくこしゅとの距離を置いていた。

2020年も残り1ヶ月ほどという頃、新曲のMVが公開されたというツイートをMVの映像付きで見かけた。TL上で音声は無しだったけど私はそれに引き込まれた。カラフルな舞台セット、そこで憂うような表情と動きを見せるボーカル、ただただかっこいいベースとドラムの演奏姿、不穏をイメージさせる3DCG、これらがくるくると細やかに切り替わる演出の編集映像だった。

モノクロ、ダークな世界観のイメージからだいぶ雰囲気を変えたMVにしたんだなっていう新鮮さと、この人(ボーカル中村未来氏)楽器持ってないとこんな風に動くのか……っていう驚きとで衝撃だった。バンドのフロントマンあるある、歌以外でも表現力豊か。

MV先行で気に入って聞けば聞くほど曲自体を好きになった。「マイブーム」のプレイリストに入れて出勤時に車内で聞くけど、キーが高すぎて口ずさめない……!朝の完全に体が起きてないモードでは厳しかった()。

儚くて綺麗な歌声と楽器隊の容赦ないバチバチなサウンドとのギャップが最高。ベースがイカれてるほどかっこいい。こしゅのベースはリズムの役割というより半分メロディー、ギターにも劣らない主役感を聞いてて思う。ピアノも良い仕事をしている。

歌詞は悲恋を描いていると思うけど、個人的にはもう会えない人や別れてしまった人に対する寂しさ、執着が垣間見えながらそれでも生きていこうとする前向きさが恋愛問わず捉えられるのが好き。

「あなたの残した光が今も温めてくれる」とか、「あなたが残した光でここまで歩んでこれたんだよ」とか未練ありありなのもある意味まっすぐで人間らしさを感じる。

サウンドが目立つバンドではあるなと思ってたけど、歌詞も咀嚼して他の曲も聞いてみたい。来年は新曲が呪術廻戦2クール目のEDに決まってるし楽しみだ~


ALI『 LOST IN PARADISE feat. AKLO』

2020年、私の中で大ヒットしたニューカマーは確実にALI。

OKAMOTO'Sが出演してたTHE FIRST TAKE FES vo.1で偶然出会い、一目惚れした。最初見たとき、なんだこの集団は……って訝しんでたけど、音楽で黙らされた感覚をすごく覚えてる。衝撃的だったし何よりかっこよかった。

ロックバンド、アイドル、シンガーソングライターのどの型にもはまらない多国籍音楽集団。普段聞く音楽が固定化されつつある中で新たなジャンルを知れたように思えたしそれが嬉しかった。こういう音楽を探し求めてた気がする。

TFTFで聞いた『Better Days』はジャズロックみたいな雰囲気がどストライクで好みだった。そこでゲストボーカルだったフリースタイルラッパーのGOMESSさんを知る。ジャズとラップって合うんだなと目から鱗だった。

このステージを見て完全に落ちたタイミングで次の新曲がTVアニメ『呪術廻戦』のEDになるってわかって期待しかなかった。『BEASTERS』のOP『Wild Side』を聞いて実力がわかってるからなおさら、こんなオシャレな曲作る人たちのアニソンが楽しみすぎた。

ED映像見た人ならわかると思うけど、あのストーリーからのギャップが良いよね。本編では描かれないキャラのオフモードを描くって発想からすでに優勝してる。各キャラの個性も見えてとても良い。私は「伏黒も踊れ~~~(圧)」って見るたび思ってた()。野薔薇の一番動きが大きいダンスを見て、ぐわーーっと気持ちが解放されるような爽快感あるサビが好き。

AKLOさんの背中を押してくれるメッセージ性の強いラップパートは心に灯をともすような“ぶちかます”感が良いなと思う。ただただノリのいいダンスチューンというジャンルに限らないところが表現されていて好きだ。

楽器隊もインストver.で聞いてみたいくらい素敵だし、ボーカルのLEOさんのサビ以外で耳を傾かせるようなしっとりとした歌い方も大変良い。サビでパワフルなモードに切り替わるのも良い。総じて良い。

ALIはタイアップ作品に寄り添うというよりは作品の勢いをさらにブーストかける感じ。自分たちのスタイルを崩さず、かつ作品を彩る役目を見事に果たしている。次のタイアップ作品も決まっているみたいだし、どんな風にアプローチしていくかも楽しみ。

これは余談だけどLEOさんのインタビュー記事で来年ビルボードライブをする予定っていうのを見かけて、需要わかってるな~~~とテンションが上がった。あの最高の音響とゆったりとした空間で聞く演奏と歌声、最高に決まってる。ゆっくり身を委ねるように彼らの音楽を聞ける機会がいつか来たらいいな。……って書いてた数日後に開催発表されてしまった。早い……!


あとがき

以上12曲でした。ロックバンドも好きだけどアニソンも好きなオタクなのでアニメタイアップ曲が多いな。12曲中6曲。あと、これは私の思い出話兼ただただ語りたいことがメインだから、純粋な曲のレビューとはちょっと違うかも。好き勝手に話したものだけれど、ひとつでも気になった曲があればぜひ聞いてみてください。

今年はライブに行けない日々が続いて、精神的にきつかったときもあったけれどその分音楽と向き合う時間が増えたように思う。今回みたいな新しく知るアーティストとの出会いや作品を通して気づく曲の素晴らしさを体感できたり。また、いろんな音楽に触れることで自分が求めてること、必要としていないことが明確になってきたりした。

世の中が変わっていく中で自分は変わらないと思っていたけど、このベスト12を作ってみて自分でも気づかないうちに変わっていたと自覚した。数年前の自分なら絶対入ってただろうアーティストの曲が入らなかった、そして逆も然り。

依存、とまでは言わないけど好きで仕方なかったあの頃はもう来ないとわかってしまっている。それについてアーティスト自身が変わってしまったと嘆いていたりもしたけど実は私自身も変わっていた。それはきっとお互いにとってポジティブな変化。けして嫌いになったわけじゃない。

そんなことも思いながらこの記事を書いてみました。ベストには入らなかったけど良い曲はまだまだたくさんあります。今年はいろんなアーティストに出会えた一年でした。2021年はどんな出会いがあるのかわくわくです。