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経営理念浸透の心理的契約不履行への影響:論文レビュー

こんにちは、原田です。
今回は経営理念浸透の心理的契約不履行への影響に関する論文です。

心理的契約不履行とは:
一方の当事者が約束された義務を果たし損ねたと他方の当事者が知覚すること。これは、従業員が組織との間で感じる相互期待が破られたと認識することである。Robinson and Rousseau (1994) によって具体的に定義された

今日の論文

Psychological Contracts Breach and Its Consequence: Investigating the Moderating Effects of Management Philosophy Permeation
職場への経営理念浸透が心理的契約不履行の成果に及ぼす影響:階層線形モデルによる検討
人材育成研究 第8巻 第1号, 2013年
Yasuhiro Hattori

サマリ

  • この研究の目的は、心理的契約の不履行において経営理念、特にステークホルダー志向の理念浸透がどのように調整効果を持つかを検討すること

  • 結果として、経営理念の浸透そのものは離職意図に直接的な影響を与えなかったが、関係的契約の不履行が従業員の離職意図に与える影響を弱める効果が見られた

  • 一方で、取引的契約の不履行に対しては、経営理念の浸透がその影響を悪化させることが明らかになった

方法

  • 大手製薬会社の従業員を対象に2回の質問調査を行い、階層線形モデルを用いて経営理念の浸透が心理的契約不履行と従業員の離職意図に与える影響を分析

わかったこと:
経営理念の浸透が心理的契約の不履行にどのように影響を与えるか

経営理念が浸透している組織では、関係的契約が破られた際に、従業員の離職意図がより強く増加する。つまり、経営理念の浸透が高いほど、契約不履行が離職意図に与える影響が大きくなる。

しかし、ステークホルダー志向の経営理念は、関係的契約不履行の影響を緩和し、取引的契約不履行の影響を強化する。

論文から得た学びと活用場面

ステークホルダー志向の経営理念は、従業員との長期的かつ良好な関係を重視するものであり、特に関係的契約不履行の影響を弱めるが、取引的契約の場合は逆に悪影響を与える可能性があるということがわかりました。
特に従業員の離職を防ぐために、どのように経営理念を浸透させるかの参考になりそうです…!

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