『どれくらいで妊娠できますか?』
noteへの投稿を随分とご無沙汰していました。はらメディカルクリニック院長の宮﨑です。
当院でもメルマガを配信することにしました。
体外受精をした場合、妊娠までの治療期間は?Vol.1
当院では「治療相談室」という、医療コーディネーターとこれまでの治療の振り返りや、今後の治療の相談を行うカウンセリングをご用意しております。そこでよくいただく質問・・・
「どれぐらいで妊娠できますか?」
気になりますよね。でも、個人差のあることなので「〇〇か月です」と一概にお答えすることはできません。しかし、当院で治療をされた方々のデータから、治療に必要な期間を割り出すことはできます。
◎35~37歳のデータを用いた場合
【何回体外受精をすれば妊娠できるの?】
妊娠率は女性の年齢によって異なるため、35~37歳で考えてみます。当院の2020年実績では、
・妊娠率=52% ・妊娠継続率=72%です。妊娠継続率とは妊娠後流産をせずに妊娠が継続した確率です。
この確率を用いて計算すると、3回体外受精をすれば出産できる可能性が高いことになります。3回×妊娠率52%×妊娠継続率72%=1回以上の妊娠継続になるからです。この3回という回数は、体外受精の中でも胚移植といって、受精卵を子宮に戻す回数のことです。
【採卵は何回必要なの?】
上記で、3回胚移植をすれば1回妊娠継続できることがわかりましたが、そのために採卵は何回必要でしょうか。採卵とは、卵巣から卵子を採取することを言います。当院の35~37歳の2020年実績では、
・中刺激1200IUの刺激=卵子10個採取
・卵子と精子が受精する確率=75%
・受精卵が最も妊娠率が高い状態まで培養できる確率(良好胚盤胞形成率)=50%
この確率を用いて計算すると、採卵は1回ですみます。卵子10個×受精率75%×妊娠率が高い培養確率50%=3.8個となり、3回(個)以上の妊娠率が高い受精卵を獲得することができるからです。
【体外受精をした場合の妊娠までの期間】
ここまでをまとめると
・1回採卵し・・・約1か月
・3回受精卵を子宮に移植する・・・約3か月
つまり、4か月間で妊娠する確率が高いということがわかります。
ちなみに、今回は平均妊娠率から計算しましたが、妊娠者の平均移植回数は1.9回なので、期間からだけ算出すると半分の方は3か月で妊娠されて、不妊治療を卒業されています。
【もし、それでも妊娠しなければ・・】
受精卵を子宮に移植することを2~3回しても妊娠しない場合は、「着床不全」の検査や治療をします。検査で原因が見つかった場合にはその対処をすることで妊娠率が大きく上昇しています。
体外受精と一言でいっても、実は治療方法は何十通りもあります。そのため、体外受精は治療するクリニックによって妊娠率・費用・方法がさまざまです。また、妊娠するためには体外受精の途中のプロセスである「培養」が重要なため、「最も妊娠率が高い状態まで培養できる確率=良好胚盤胞形成率」についても調べてから治療する施設を選びましょう。
皆様の最短の妊娠を応援しています。
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