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スッパリ

この数日、環境が変わって意識も変わり、頑張りすぎた反動なのか、精神的に落ち込むタイミングが来た。それに拍車がかかるようにミスが重なって、結構な不眠症になる。これではいかんと思い、中国からやってきた偉い先生に教わった気功を練ったりしてみたが上手く練れず。自宅の一階から三階まで駆け下り、駆け上がり往復して命を削ってみたが、全く回復せず。これはどうにも様子がおかしいと思っていたのだけど、元気を出すためには肉だと思い立ち、朝食にランチョンミートを出して、その缶詰を開封しようとした時の事。開封口はネジで留めてあり、クルクル回してポンと開けるのだが、ネジをつかんで引っ張った時に親指の腹を縦方向に、人差し指は横方向へとスッパリ切れてしまった。その時はあまり痛みが分かっておらず(ん?切ったかな?)と感じた程度でネジを巻き終わり、開封する頃には手のひらが血だらけだった。じわりと痛みが増してきたので焦りつつ調理を中断して止血の手当をした。血はすぐに止まった。母親と姉が起きてきて私の様子を心配したが、自分は気にせずランチョンミートと即席の味噌汁を頬張っていたのだけど、缶詰で手を切って流血してからメンタルの調子が良く、悪い思考が廻らなくなった。当たり前だが断っておくと、自傷を進めているわけではなく、思わぬ怪我で憂鬱が吹っ飛んで少しホっとしてしまったのだ。これがとても単純に思えるようで、人間って本当に複雑な生き物なんだなと思えた朝食のご飯になった。怪我にはビタミンCが聞くぞという記事を思い出して、回復するために冷蔵庫から栄養ドリンクを取り出して飲み、移動して近所のカフェレストランでもう一度朝食メニューを頂き文章を書いている。当然だが自分は誰かが怪我をしたり、悲しんでいたりすると辛いし、そういう事で一切心が安らぐことはない。ただ、自分はつまらない事でしみじみと悩んでいたのだと思う。指を怪我して、身体が大切なんだよと重要性を強く思えるような出来事に遭遇して、怪我は良くないが結果的に良かったと思えた。ちなみに手から血があふれんばかりに出た瞬間、ちょっと面白くて家族を起こして驚かせようと思ったけど、もう母も叔父も歳なので、そのせいでショック死したらたまったもんじゃないので、やめた。

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