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ここから、流れを変える。天皇杯レノファ観戦記

試合に負けたときに、どのように振舞うかでサポーターとしての本質が現れるのではないかと、個人的に思っている。

試合に勝ったときに喜ぶのは簡単。誰だってできる。
けれど、負けたときに、あなたならどうしますか?
悲しむ、黙る、怒る、愚痴る、お酒を飲んで忘れる、いろいろあると思う。審判や敵味方を問わず選手を攻撃することだけはしてほしくないけれど、そういう方も多く見かける。

レノファ山口FCは、ここ数年、ずっとギリギリのところでJ2残留を果たしてきた。それを見届けてきたからこそ分かるけれど、この終盤戦、たった一つの勝利を収めることがどんなに大変なことか。
応援する方は勝利を求めるが、それに応えるのは簡単なことではない。

今シーズン、もう少しで掴めるかもしれないプレーオフ出場。
が、ここにきてリーグ戦4連敗。当然、私も、毎試合、悔しいし、残念だし、「あそこでシュートが枠内に行って先制できていたら…」とも思う。
戦術的に…とか、選手起用が…とか、とも思うこともあるが、サポーターを続けてきて分かったのは、そんな素人が思うこと、当然、監督・選手も思っているわけで。

これまで、私も、試合に負けたときの感情の処理は、いろいろやってきた。けれど、どれも違うな、これはカッコ悪いな、ダサいな、となって、今は「次こそ勝てるように全力で応援する。」としている。
これが、私のサポーターとしての本質でありたい、そういう願望も込めて。

というわけで、天皇杯の横浜F・マリノス戦の観戦へ。
平日の夜に横浜まで行って、翌日の始発で山口に戻って仕事という強行軍。

霧雨が降り続ける中、現地に着くと、道中にはあまり見かけなかったので少ないのかな?と思っていたが、多くのレノファサポーターが駆け付けていた。これは嬉しい。

試合は、序盤から、J1相手に十分に戦えていたと思う。相手をリスペクトし過ぎず、自陣に引きこもることなく、前線からプレスに走り回った。
ただ、プレスに行った逆をつかれてからのくさびのパスを入れられる場面が多く、そこで相手の前進を許してしまったが、それも想定範囲内か。
奥山選手の同点ゴールは、相手のミスに乗じたものだったが、この戦い方を選択したからのものだったと思う。

前半33分、板倉選手がイエローカードをもらった際、振り返ってみた電光掲示板を見て気づく。もう既に3枚目のイエローカード。正直、現地で観戦していて、サーラット選手、沼田選手にイエローカードが出されたことには全然気づいていなかったので、かなり驚いた。
一緒に観戦した仲間に、いつ出たのか聞いてみたけれど、答えは、「え?ホントに?いつ?」と、仲間も気づいていなかった。

その3分後、横浜F・マリノスの選手にレッドカードが提示。
「え…。今のがレッド…?マジ…?」
「き、厳し過ぎる気がしますね…。イエローも3枚出ているし、これからどうなるんでしょうね?」
「このペースでいったら、最後、9人対9人くらいにならん?」
「雨で足元滑っちゃうから、意図せず足が引っかかったりってことがありそうですね。マジでそんなことになりそうで怖いww。」

そのときは冗談だったが、前半のうちにレノファも退場者を出し、10人対10人という展開に。

ハーフタイム、後半はどうなるかという話題の中で、「10人になったら、普通、前線の選手を削るよね?そしたら、お互い、攻撃の決め手を欠いて、このまま延長・PKとか行くんかな?」などと話していたが、後半はこんな素人の予想とは全然別の展開に。

10人ずつとなったことで広大なスペースが生まれ、お互いのチームがスペースを突いて攻撃しあうという構図に。
レノファとしても、ディフェンスラインの裏を突いてチャンスを作る場面も多くあった。
結果的に、シュートは両チームとも14本ずつ。これは互角。けれど、得点差としては1対5。最後のクオリティと言ってしまえばそれまでだけれど、目の前で見せつけられた横浜F・マリノスの選手たちのゴール前での落ち着き具合は脅威だった。
足りなかった部分と、十分にやれていた部分が、明確に表れた試合だったと思う。

さて、これでリーグ戦4連敗、天皇杯敗戦で、公式戦5連敗。
次は、プレーオフを争う仙台との試合。
あなたは、どうします?
諦める、興味をなくす、どうせダメだと言って回る、いろいろあると思いますけれど。
その態度を決める前に、山瀬選手のコメントを見ていただきたい。

4連敗していても、4連勝していても、次の試合で勝つ確率は変わらないので、あまりそこのところは意識せず、チームとして何をするべきなのか、何ができるのかというところが大事です。今日の試合から得たもの、練習する中で積み上げているもの、そういう小さいものをコツコツ積み上げていくことしかできないと思います。そこにどれだけフォーカスして、どれだけの質、エネルギー、こだわりを持って取り組めるかが一番重要です。そういった部分を大事にしながら取り組んでいくしかないと思います。

上記サイト(レノファ公式)から

冒頭の「4連敗していても、4連勝していても、次の試合で勝つ確率は変わらない」という発言は、まさにそう。
それを、このタイミングで、選手自らが、外に向かって言える素晴らしさに衝撃を受けた。

選手たちが、次の試合に向けてできる最大限の準備をする中、サポーターとしては、同じように、次の試合に向けてできる最大限の準備をするべきではないだろうか。

4連敗していようが、極端な話、これが例えJ2残留争い中であろうが、私のスタンスは「次こそ勝てるように全力で応援する」です。
これが、私のサポーターとしての本質でありたい、そんなかっこいいサポーターでありたい。
勝ったときしか応援しない、負けたら口撃する、どうせダメだと言って回る、そんなダサいサポーターではありたくない。
そういう願望も込めて。

同じ気持ちの方も多いと思います。
さあ、下関に集いましょう。

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