ワンステップ

夏、夫の病気がわかり一人農業が始まり初めての秋。
先日なんとか稲刈りを終えることができた。達成感と安堵感とに包まれながらも明日からの仕事のことを考えている自分に、どこまでワーカホリックなんやとつっこみながらコンバインに乗って倉庫へ帰る道は明るかった。

今年春起こしから田植まで田んぼの作業は夫がメインでトラクターも田植え機も私はまったく乗らずじまいだった。夫がウツで寝込んでた頃からちょっとずつできることが増え、機械に乗って仕事ができるようにまでなったのは喜ばしいことだったが、私はまったく農機に乗らないシーズンだったため、ちょっとぐらいは乗りたかったなぁと思った。思った。確かに思ったけど、こんなワンオペ全然望んでねぇ!!と天に向かって叫びたい。

ある日突然夫が病気になる。働けなくなる。
想像してみてほしい。今年で就農22年。ずっと2人で支えあい補いあい協力してきた農業をこれから1人ですることになるプレッシャーを。
きっと疲れ切って帰宅したらバタッと倒れて寝てしまうぐらいの疲労感。
たぶん時間も心にも余裕が無くなってイライラして家の中もピリピリする。
そんでもってミス連発でお客さんにご迷惑おかけしてばかりのポンコツ農園になる。

ところが実際は
「鶏舎行こうか?」「ちょっと勉強疲れたから体動かすわ。」と中学生達。
「ごはん作っとこうか。」「これから弁当毎日自分で作るで。」と高校生。
日々の家事や軽作業を率先してくれるじいちゃんばあちゃん。
「明日仕事休みやからなんか手伝いに行こうか?」と友達。
困った時にすぐ駆けつけてくれる農機具屋さん。
自分のHP残り少ない時に作業を快く請け負ってくれる農家さん。

ワンオペひとり農業のマイナスイメージで描いていた光景は一体なんだったのか。体力も気力も残ってる。笑顔で暮らせる。0ではないけど思ったよりミスは少ない。
助けてくれる人がこんなにもいて、気遣ってくれる人がたくさんいる。独りじゃないんだ。HELPって気軽に言っていいんだ。自分だけがめっちゃ頑張らなくてもええんや。
大丈夫、なんとかやれる。確信めいたものが芽生えた。

ふと実家のカカ様を思い出す。経済的に恵まれないボンビー家庭だったが、口癖のように「まぁいっか。」と「なんとかなっちゃ。」を言ってた。
妥協と受容。そしてなるようになる流れに身をまかすケセラセラ思考。
カカ様の娘の私もそうやって、なんかようわからへんけど後で思えばええ方向へ結果オーライな道を歩んできた。そうや、これからだってきっと大丈夫。応援してくれる皆さん、助けてくれる皆さん、ほんまにありがとう!
これからもどうぞよろしくお願いします!!

何が起こるかわからない人生のワンステップ。ピンチを乗り切って経験値を積んでさらに人としてかっこよく生きていきたい。

そして最後に
元氣な方、健康な方は余力ある時でいいのでぜひ献血、骨髄バンクのドナー登録にご協力ください。
夫のような血液疾患の患者さんの命を繋いでくださると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。

#病気 #献血 #骨髄バンク #血液疾患 #白血病 #骨髄異形成症候群  

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