十二国記 『月の影 影の海』
ここ最近随分と空気が柔らかくなりました。春の用意が着々と進んでいるなあと、感じています。僕の思い過ごしでないことを祈りながら。
さて、今回からは十二国記、各物語の紹介を始めようかと思います。
シリーズの内容紹介から1週間ほど時間が空いてしまったので、どんな話だったか忘れてしまったなあという人は前の記事で少しおさらいしてみてもいいかもしれないです。↓
https://note.com/haramaki_33/n/nb68016f4d7c2
最初に紹介するのは「月の影 影の海」。シリーズの中ではエピソード1として上下巻の2冊で構成されています。絶対に最初に読むことをオススメします。これは個人的に一生の決定事項です。
オススメする理由はですね、十二国記とは別の世界、すなわち蓬莱の少女のお話だからです。蓬莱人である僕たちが主人公の少女同様、十二国記の世界の不思議さに初心者らしく触れないなんて、もったいない。
シリーズを読み進めていけば話がどんどん広がっていきますが、やはり十二国記の世界はこの物語から始めるにかぎります。それにシリーズの中で1番十二国記の世界のことが結構詳しく書いてあるんです。シリーズを読むための予習ができちゃうのでお得かと思います。
豆知識➕
後ほど紹介しますが、十二国記には「エピソード0」が存在します。呪術廻戦みたいですね。
シリーズの順番通りに読むと理解が難しいお話ですが、読み進めていけば納得できる、という点では面白い。もし後からお話が繋がるワクワクが好きな方がいらっしゃいましたら、シリーズの順番通りに読んでみてください。
お話が繋がるまでに、かなりエピソード数を重ねる必要がありますが、そこは根気強くお願いします!
【あらすじ】
「お探し申しあげました」
金色の美しい髪を持つ謎の男に突然異国へ連れていかれた女子高校生の中嶋陽子。見知らぬ国を1人で彷徨い歩く。襲い掛かる異形の獣。凄まじい飢え。度重なる裏切り。それでもなお消えない生への執着。
「必ず、生きて帰る…」
そう誓い、傷つきながらも戦い続ける陽子にようやく信じることができる仲間ができる。安堵したのも束の間、大きな決断を迫られる。
少女はなぜ異国へ迎えられたのか、どこへ向かうのか。運命に翻弄されながら成長する、少女の気高さが胸を打つ物語。
【登場人物】
①中嶋陽子
穏やかな模範的な優等生少女。異界に突然放り出された少女は過酷な旅の中、少しずつ変わっていく。
②ケイキ
金色の美しい髪を持つ謎の男。陽子を無理に異界へ連れ去るも忽然と姿を消す。
③楽俊
傷付いた陽子を救った半獣の青年。優しさと向学心を持ち、役人を志す。
【主に舞台になる土地】
慶(けい)・雁(えん)・巧(こう)・蓬莱
【時代背景】
慶国の先王・舒覚が崩御し、妹・舒栄が王を名乗るも国内は混乱に陥る。その影響は隣国・巧国にまで及び、多くの人々が国を離れ他国に流入する。
【ここが読みどころ!!!】
「優等生少女の成長」
ここだけは万人一致の読みどころ間違いなしです。
上巻の最初の陽子と下巻の終わりの陽子は本当に同じ少女とは思えません。また、物語が進む中で要所要所に彼女の蓬莱での生活の苦悩が描かれています。旅の中で何かが彼女の琴線に触れたのでしょう。ネタバレほど面白くないものはないので黙っておくことにしますが。読み進めながら陽子のここが変わったな、どうしてこう変わったのかな、と考えながら読んでみるのがオススメです。
豆知識➕
YouTubeにて十二国記のアニメ版も公開されていますが、内容がかなり違うので「小説を楽しんでから」アニメを鑑賞するのも一興です。
是非是非読んでみてくださいね。
感想を教えていただけたら嬉しいです、それではまた。
次回:「風の万里 黎明の空」
「十二国記」新潮社公式サイトリンク↓