『dele』
このドラマは、死んだ人間のPCのデータを削除する業者の話である。
オタク界隈では、死ぬ間際秘蔵のエロ画像を死んだ後に見られまいと画策する人がいるのだが、そんな卑猥な話ではない。
ミステリー事件である。
PCの中身をみた主人公が、残された人たちに思いを届けたりすることもある。
ただ、今更なのである。
例えば、私他界した祖母のこと日記を後に読み返し、「こんなこと思ってくれてたんだ」と思っていても、もうその人はいないのだから満足したり後悔したりするのは、残された本人なのである。
みんな忘れがちだが、この世界は生きている人間しかいないのだ。
死んだ人のために何かをするのは、生きている人の願望なのだ。
死んだ人の遺書があれば、それは本当にその人の願いなのかもしれないが、死んでしまった人間に対して、どんな感情を持っていようが、どんな行為をしてあげようが、自己満足というものだ。
この物語を通して思うのが、救われるのは死んだ人間ではなく
生きている人間、残された人間だ。
死んでしまった人間は、もはや二次元キャラクターと同じ
その人と会う方法は夢で会うか、その人と自分が出る小説を書いて妄想するしか方法がない。
写真の中でしか会えないし、動画みても同じことしか言わない。
どんなに一緒にいようと、その人が死んだ後にこっちが長生きすればどんどん記憶は薄れてく。
もはやどれが「想い出」で、どれが「もっとこうしたかったこと」かも区別がつかなくなっていく。
それをきっと認めたくないから、死者は守護霊になるし、リビングデッドは流行るし、夢の中で会えるのだ。
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貴方のお陰で、少し通勤が楽になります。