中国ラーメン店 其の壱:冷やしパーコー麺
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本日のメニュー:冷やしパーコー麺
訪問タイミング:5月下旬、日曜日の14時半
味の満足度(味に関する個人的な総合点) ★★★★★
ときめき度(提供された瞬間のテンション) ★★★★★
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長いこと通っている店なのに。
中国ラーメン店 K に、今更フォーリンラブしてしまいました。
きっかけは冷やしパーコー麺。メニュー写真のビジュアルがインパクトありすぎて、いつも最初にチョイスから外すパーコーメニュー(他に普通のパーコー麺がある)。老年女子にはキツかろ?という思い込みから避けて通ってきたのです。
これには言い訳があって、かつて台場方面にあるチェーンのラーメン屋さんで食べたパーコー麺が油ギッシュすぎ、またその油の胃もたれすること限りなく、もう二度と手を出すまい!と誓ってしまった経験があるからなのです。
まだ若干二十代の頃の、刷り込みであります。
ところが。
昨日は、その店の看板である野菜ラーメン(塩)を食べようと心に決め、20分ほど列に並んだ後にカウンター着席、その瞬間までは、最後はお酢で味変♪というストーリーまで確定していたというのに。並びに座る男女が、"冷やしパーコー麺"をオーダー。盛り付けられた麺を見れば、その涼し気なビジュアル、メニュー写真とは異なる印象のさっぱり感、男女が食べている様子の幸せそうなこと、これらに押されて「冷やしパーコー麺ください」と頼んでしまった。なにやら"孤独のグルメ"的展開(ちなみに連れがいましたが)。
運ばれてきたパーコー麺は、鶏天のようなサクサクさっぱりの衣に包まれたお肉が大胆に載った冷やし麺。千切りきゅうりの黄緑色が、さわやかな彩りを添える。タレはちょっとだけ辛い、茶色の醤油系。食べ始めてすぐに「ああ、練り辛子をつけたい」とおもってしまったのは、やはり冷やし中華の、あの味の影響力に他なりません。タレがピリ辛なので「ああ、いいか、辛味があるし」と思い直すものの、しばらく食べているとやっぱり「ああ、練り辛子」と求めてしまう。しかしこれも、5口ほど頂いているうちに「いや、このままで大丈夫だ」という気持ちが大きくなってくる。しかし、これは、初回だからというリスペクトを込めていたようにも思う。次回は、もし店が空いている時間なら、小さい声で「練り辛子ください」と頼んでみたいと密かに思う。なるべくそういう依頼に気を悪くしなそうな定員さんを選んで。冷やしパーコー麺を頼むと、味変用の豆板醤(小瓶入り)が先にやってくる。「お好みで加えてください」と愛想よく笑う定員さんは、気立てが良くて声の通りがすこぶる気持ちよくて、戦場のような店内でも慌てず的確にオペレーションしている。嫁にもらうなら、絶対こういう女性だと思う。結局この小瓶は開けずに最後まで食べきった。この麺の味とタレの味は、絶妙のバランスなので、このままが正解だと感じたからだ。もし、もしも、ちょっと味を変えるなら、素材の持ち味を尊重する練り辛子、一択(しつこい)。
半分食べたところで連れが用事のため退席。さあ、ここから更に味集中モードですよ!サクサクのパーコー、よく味わってみればほんのりカレーの香り。なるほどさっぱりした感じ、ちょっとひと味違う感じはこのさりげない隠し味のおかげなのね。麺が少なくなってきても、伸びる気配もなく、いい歯ごたえ。スープと歯ごたえ麺のハーモニーを極限まで楽しむべく、麺を平らに崩していき、ひたひたの状態にならす。
ヒトサラ頂いて、ちょうどいいお腹心地でした。
ごちそうさまでした。
ところで、この店はカウンター席を選ぶのが、待ち時間をエンタメ時間に変える魔法である。目の前で展開される、よく訓練されたスポーツチームのような連携。いっさい無駄のないトップアスリートの動き。司令塔の指示は、言葉少なだが的確だ。全体が見えている。カッコイイ!!
次に来る時も、これを楽しむために、そこそこ混んでいる時間に来ようとおもったりする。店には迷惑かもしれないが。
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