桐島部活やめるってよ
桐島部活やめるってよを見た。
もうはちゃめちゃによかった。
学校という閉鎖空間の中で理不尽に決められるヒエラルキー。
主人公は本当に熱意をもって映画を撮っていて、その思いは見下されるようなものなんかじゃないはずなのに
「体育会はえらい、文化系は下」
そんな短絡的でくだらない文脈の中で測られなければならない。
そんななかでも自分たちのピュアな思いを貫く映画部たちのなんとかっこいいこと。
私ならきっとやめてたんじゃないかな。
映画部はヒエラルキーの中では強いとは言えないかもしれない。
でも、誰よりも強くてかっこよかった。
この映画はひとりひとり、本当に葛藤が伝わってきた。
どんなに頑張っても、すぐに理由もわからず部活を頬りだすような「桐島」に勝てないバレー部の少年。野球が大好きで夜遅くまで練習するも結局活躍できず、それでも試合に勝つため部活を放り出したような後輩に「試合に出てくれ」と頼むキャプテン。でも本当に何でもできる人は何になるでもなくただ迷っている。
みんながこれだけ万能キリシマくんに振り回されているのに、当の桐島君はそんなん知るかとも言いたげに一回も登場しない。
それもよかった。
途中、屋上から飛び降りた少年がいたけれど、あれは桐島君だったんだろうか…
あのシーンにはいったいどんな意味があったんだろう。
主人公演じる神木君の「映画監督は無理だよ」だけど映画は撮り続けるんだという決意なのか、まっすぐな瞳が忘れられない。神木君は天才だな、、、
最後画面がホワイトアウトして一人一人の役者の名前が出てくるのもよかったし、高橋優のテーマ曲もすごくよかった。
この世は残酷で頑張ったって、才能のある頑張らない人に負けることなんかざらにある。だけど泥臭く戦う姿は死ぬほど美しい。
たとえ負け試合だって最後まで戦い続けたいと思わせてくれるような、残酷だけど勇気をくれる映画だったと思う。
私は要領が悪くていつだって周りの人にかなわないことばっかりだから、思い出しても涙が出そう。
何回も見たい映画だった。