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Vol.9 原田メソッド「4大教育」と現代日本 ②(2009/1/20)

アメリカでは、ついにオバマ氏が大統領に就任しました。一部では支持率は82%とも伝えられるアメリカ国民の強い期待を受け、オバマ新大統領がこの不安定な社会にどう立ち向かい対処していくのか、私も大きな期待と高い関心を持っています。
彼の演説を聴いていると、人びとにまず夢や希望を感じさせ、それが絵に描いた餅ではなく、本当に実現可能な目標である、ということを具体的に語っています。
初めに思いありき、です。リーダーは夢や希望を語らなければなれません。
チームが試合に負けそうな時、一番声を出し元気にふるまわなければならないのはキャプテンです。同じように、不況の時代だからこそ、具現性がある具体的な目標を、企業のリーダーや社長、教師や保護者、それに何と言っても国の代表者が語らなければならないのです。

絵に描いた餅では、人々の心を動かすことはできません。それが本物で手が届くものであるからこそ、人びとは手を伸ばしてみるのです。夢や希望を語るだけではいけない、そこにはイキイキとした具現性と具体性が必要です。

今回は、原田メソッド教育の根幹をなす「4大教育」の中でも、漠然としたものに、意味や価値を見出し、目標に向かっての前向きな態度を養う「価値観教育」についてお話しさせていただきます。

「勉強を頑張りなさい」というだけでは、子供はなかなか勉強には向かわない。多くの皆さんが体験されていることだと思います。
しかしたとえば、「今度のテストで90点とれたら、ゲーム買ってあげるよ」と言われると、俄然がんばる子供さんもおられると思います。
これは「外発的動機付け」と呼ばれるもので、外からの刺激によって、やる気を高める方法です。年齢の幼いお子さんや、取り組みの初期段階では大変効果があります。「賞罰」両方のやり方があり、「今度のテストで90点取れなかったら、もうゲームは禁止!」などというやり方を試された方もおられると思います。
しかし、この外発的動機付けには限界があります。「賞」はどんどんエスカレートしていき、「罰」もまたしかり、です。時にはやる気を削いでしまうこともあります。
   
反対に、「内発的動機付け」と呼ばれるものがあります。
これが、原田メソッドでの「価値観教育」にあたります。「勉強しなさい」だけではなく、「なぜ勉強をするのか」「勉強すればどうなるのか」という「勉強の意味」を、本人の中で消化し納得できるまで説明するのです。
これを「意味付け」と呼んでいます。
「~しなさい。」だけではなく、「なぜそうしなければならないのか」「そうすることで、どんなプラス面があるのか」「マイナス面はどんなことなのか」
納得させられるだけの答えを準備し、説明し、本人の内部からの刺激によるやる気を引き出すのです。また、意味を理解し納得して活動することで、成果・結果の精度も違ってきます。
「やらされ取り組み」が「自らすすんでやる取り組み」に変わるからです。
自分の役割や仕事に意味・価値を見出すことで、足の引っ張り合いや職場でのギスギスとしたムードも払拭されます。

皆さんにも、職場や家庭で「こうなりたい」という夢、また職場や家族の誰かに対して「こうなってほしい」という思いがあると思います。
「収益を25%あげたい。そのためにAさんに何をしてもらわなくてはいけないか」それを考え、Aさんが納得できるように説明し、Aさんの内発的なやる気を刺激することが大切です。
人は、自分の取り組みに意味や価値を見出した時、目標に向かって自発的に動くことができるからです。

「日誌をつける理由は?」「忘れものはなぜいけないの?」「なぜ掃除は大切なのか」まずは、ご自身の中で答えを整理してみてください。書いて書いて書きまくってみてください。
その際には、「なぜダメなのか」ではなく、「どのようにすればよいだろうか」という発想の転換が大切です。また、社会情勢を的確に分析し、情報を収集し、それに基づく「仮説」を立て、その仮説に沿って夢を実現するための具体策を考えていくことも非常に重要です。
イメージしたことは実現します。力を合わせ共にがんばりましょう。
                                                                          (感謝・原田隆史)2009年1月20日発行
*発行当時の文章から一部を変更している場合があります。

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