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空き家バンクに行っても、空き家は見つからない3つの理由
⚪︎地場の人しか知らない空き家ツアー。
山梨県中央市の旧豊富村(とよとみ むら)エリア。年間約80品目の野菜を育てる「ベーストヨトミ」という農家さんがいます。
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農業体験だけでなく、宿泊もできるようにと『農家民泊』を今年の3月からオープンするということで、宿泊場所となる古民家の壁の左官を手伝いに行ってきました☀️
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お昼を外に食べに行った時、ひょんなことから空き家の話になり、急遽10分くらいで豊富エリアの空き家を車で回ることになりました😂笑
といっても、敷地内に入ることは一切せず、車で近くに寄って
「ここ、空き家なんですよねー」
「ここも空き家なんですよねーー」
「このガレージ付きの古民家も空き家なんですよねーーー」
と。確か10件前後はあったかと思います🤔外食したところから、農家民泊の場所に戻るまでの道中で、それだけありました。
じゃあ実際に中央市の空き家バンクを調べてみると、、、、豊富エリアの登録物件はわずか1件!中央市全体でも5件のみ。。。
毎度感じるのですが、空き家ってなかなか表立って出てこないんです🤔
⚪︎空き家が表に出てこない3つの理由
理由その1
◆難易度が高いものが多々ある!◆
案内していただいた物件でも、
「これだったら今すぐにでも住めるなぁ!」
「外回りを見る限りなんとかいけそうだけど、天井裏と床下をできれば見てから判断したいなぁ」
「屋根に穴が空いてて崩れ去ってる。。。これは解体か直すにしても結構費用かかるなぁ」
と、空き家といってもそりゃあもう色んな状態のものがあります。
私は主に、空き家を初級・中級・上級の3つの状態に分けてます。中級が少し長くなるので先に、初級と上級を話します。
◆初級:どなたでも即入居ができるレベル◆
空き家バンクはほとんどはこれですね。賃貸・購入どちらも電気ガス水道を開栓すれば、すぐに住める状態です。
◆上級:工務店や設計事務所といったプロが入らないと住めない◆
耐震補強といった構造補強や、ジャッキアップ(古民家を駆体だけにして、家の傾きを直す)、重機による減築や解体、屋根の張り替えなどなど。複数の専門業者さんや職人さんの力が必要な物件
そして中級です!
◆中級:DIYでなんとかするレベル◆
この「DIYでなんとかする」にも、実は3段階あります。それが、
電動工具なし
電動工具あり
セミプロレベル
の3つです。
①電動工具なし:壁や天井の塗装や左官、壁紙貼りなど、電動工具が無くても出来る、始めたばかりの方向けですね。例えば、
『壁紙のデザインが古いからネットで壁紙買って貼ってみよう!』
『ホームセンターでペンキとローラーを買ってきて、天井を白く塗装しよう!』
がこれに当たります。
②電動工具あり:インパクトドライバー、電動丸ノコ、オービタルサンダーなどの電動工具を最低限持っていて、塗装や左官だけじゃなく、棚やベッドなど家具作りなどをやれる方。
家具などの木工をやるなら、上記3つの工具は必須ですね☀️さらに一歩進めるなら、次はスライド丸ノコとトリマーでしょうか☀️
③セミプロ:電気工事(電気工事士の資格必須)や水道配管(トイレの交換やキッチンシンクの交換)、壁を壊して間取り変更したり、畳からフローリング変更したり、根太の入れ替えや補強、壁を壊して断熱材を入れ替えるetc。
柱や梁、屋根材など、耐震強度に関わるもの以外のものを変更できるかどうかがポイントになります。昨年お話をさせていただいた、youtuberであり、Voicyパーソナリティでもある、DIY大家おかぴさん。youtubeの動画内ではご自身のことを「プロの素人」とおっしゃっていますが、完全にやっている内容はセミプロです😂笑 ユニットバスの施工もやってますから、本当にすごい😂笑
実は空き家バンクに載っている物件(初級)よりも、中級や上級の物件の数の方が、圧倒的に多いです。残置物がそのままで引き渡しという物件もありますが、物を破棄するだけでDIYが必要ないという観点から見れば、初級の物件に当てはまると思います。
理由その2
◆見知らぬ人に住んで欲しくない!◆
特に賃貸物件で見られますが、「何処の馬の骨ともわからない人に貸したくない」というのが少なからず、、、いえ、結構あります💦
今、私が借りている古民家も賃貸で、私とオーナーさんの間に仲介者がいます。その仲介者さんの信用・信頼度で最初は借りれることになりました。
『◯◯さんが紹介するなら、見知らぬ人よりも安心できる!』
というのが、地方の田舎では特に大事です。
理由その3
◆空き家状態でも、特に困っていない(笑)◆
これも結構あります😅現状維持でも、特に問題ないので困っていない。多少の水道光熱費と固定資産税があったとしても、経済的にそこまで問題ないというケースですね🤔
私の借りている物件も最初はそうだったみたいです。荷物もそのままで、オーナーさんが月に2回、家の換気や草刈りをされてました。ですが、本当に身体的に辛くなってきたところ(山梨県は中山間地域なので、斜面が多く、草刈りがより大変😅)で「誰か借りてくれる人いないかな。。。。」ということで、借り手を探し始め、、、、、今に至るという感じです。
⚪︎「自分に合った」空き家を取得するポイント3つ
①そのエリアに足繁く通う。
空き家バンクや競売物件をチェックする、行政書士さんと友達になって紹介してもらうなど、色んな方法があります。でも私のオススメは「そのエリアに足繁く通う」ことをいつもオススメしてます。
今回のケースでもそうですが、豊富エリアで生まれ育ち、尚且つUターンして事業をやっているベーストヨトミの渡辺さんだからこそ、地場の人たちとの繋がりがあるわけです。そして、地場の人たちしか知らない情報も多々あるわけです。
もし、自身が空き家を探しているのであれば、そエリアで活動されているお店や事業者さん、法人などなど。自身と『波長の合う人』を見つけて、時間をかけて友達になって、色々聞いてみるのが遠いようで最短の道です。
②◯◯を必ず行う!
空き家バンクに掲載しているもののほとんどは、上に書いてある「即入居可能な」物件がほとんどです。ただし、中には、
『え!?ここの床はやり直さないと、数年後抜けるよね?!』
『ここの部分、天井裏見ないとなんとも言えないけど、雨漏りしてるよなぁ。。。』
といった物件もあります。この辺を見分けることが自身では難しいのであれば、住宅診断(ホームインスペクション)を必ずプロに依頼することを強くお勧めします!住宅診断無しで、物件を取得することを、健康状態に当てはめるなら、
「健康診断をせずに、がんや糖尿病、脳卒中やヘルニアといったあらゆる病気や怪我のリスクを心配している状態」
ようなもの🤔家のどの部分が補修や補強が必要か。このまま使い続けると何年くらい持つのか(耐用年数)、工務店等に依頼したらどれくらい費用がかかるのか、などなど詳しく教えてくれます。調査方法にもよりますが、一戸建てなら数万円から可能です。
▼LIFULL HOME'S ホームインスペクションについて▼
https://www.homes.co.jp/cont/money/money_00548/
③どこまで自分でDIYできるか把握しておく!
供給制約(働き手不足)の今、工務店さんや建築設計事務所への依頼料はどんどん上がっていっています。潤沢な資金があれば別ですが、そうでない場合はDIYで自分で何とかする!という選択肢を入れてください。
ここで大事になってくるの『どれくらいだったら自分でDIYできるか!?』ということです。前章で書いたセミプロレベルの人たちは、自分で家の状態を判断し、どこまでは自分でやれてどこからは職人さんにお願いするかという、明確な線引きができます。そして、どれくらい費用がかかるかも概算でわかります。
ですがDIYをほぼやったことがない、電動工具も扱ったことがない人が、傷んでいる床板を自分で剥がして、補強して塞ぐ。。。無理ではないですが、結構なハードモードです😅知人にも、
『家を買ってみたら、自分のDIYスキルでできるレベルを超えていて、プロに数百万円出さないと無理!』
みたいな事態になっている人もいます。。。そうならないためにも、ぜひ、購入する前に住宅診断をしてみてください。プロの方に、自分がどこまでDIYできるかを伝え、その上で住宅診断してもらうだけでも、相当コストが下がります。
まとめ
私が今の古民家を借りたのは、色んな人に「古民家を借りたいんだけど、どこかある??」と伝えまくり、各市町村の空き家バンクに足繁く通い、色んなイベントに出て知り合いを増やし。。。大体動き始めて1年くらい経過してから、今の物件に巡り合いました。これでも早い方だと思います🤔
ちょうどリノベーションの仕事に転職して、暫く経った時期で、腕試ししたくてうずうずしていた時期でもありました😂なので、『傾いていようが、キッチンが古かろうが、自分で直せばいい!むしろ好都合!!』という感じで、納得して借り、今でもあの時の判断は間違っていなかったと強く思います☀️
ぜひ、今回の記事が、空き家の見つけ方・取得の仕方の一助になれば嬉しいです☀️