次の資格試験決定!~知的財産管理技能士(2級)~
1.はじめに
天下り色の強い資格制度?受験料も比較的高い。国家資格ではあるが、業務独占資格ではなく、認知度も低いので、取得は自己研鑽・自己満足の位置づけ。この資格を持っているからと言って、知財管理の実務ができるとは言えない。(弁理士は業務独占資格であり資格取得難易度も格が違うため別扱い。なお、知的財産管理技能士3級は基礎の基礎、2級は基礎、1級は実務者てきなレベル感?)知財関連法を丸暗記する必要性もあまり感じない。
というところを今の小生は感じています。
のっけからネガティブな記載になってしまいましたが、小生、今春(2022年3月)に2級を受験し、結果は学科合格(34/40)、実技不合格(30/40)。舐めてかかって落っこちたことに勝手に腹を立て、上記のような少々ネガティブな思考に陥ったのでしょう。
2.(再)受験に向けて
さて小生、上記の思考はさておいて、元々は棚卸のための受験、何れにせよ、エンジニアとして知財管理の基礎知識は持っておくべきもの、半分合格してるから勿体無い、との考えで、再受験を決意しました。一回落っこちた奴の話なんぞ役に立つかいな!?ではありますが、前回の反省を踏まえて、つらつらと書いていきたいと思います。
なお、科目合格は合格日の翌々年度まで試験免除されるようです。"合格日の翌々年度ってなんじゃぃ!?"と思った方は、以下のリンクを参照ください。年度縛りというわかりにくい基準です。。。リンクを見ていただくとわかりますが、この資格検定、1年に3回も実施されます。
というわけで、直近(2023年3月)の再試験を目指して、申し込みを済ませました。試験勉強を開始します!
3.勉強方法~反省と計画~
前回受験時、少し古いテキストと過去問題集をフリマサイトで購入し勉強しました。勉強する際は直近の法改正内容をWebで調べて加筆・ハイライトするようにしました。また、過去3回分の試験が協会HPからダウンロードできるので、試験慣れ、力試しの為に、活用すべきと考えました。勉強量として、、、
前回実績は、100時間位かな。
テキストと過去問題集で、ガツッと一度勉強。知財関連法一覧(後述)を作成。
過去問題集付属の模擬試験、および協会HPでダウンロードした3回分の過去問を1回づつ実施。結果はいずれも合格ライン前後。回を進めるごとに点数は上がってきたので、まぁ受かるだろうと思い、試験に臨みました。
☞結果不合格。
前回、勉強・受験してみての気づきは、
80%以上の正答率で合格というハードルは、結構難儀。知財の基礎知識がある人でも、試験慣れしてないと80%は難しいのでは?
数年前の過去問とほぼ同じ文脈での再出題がある。
直近の法改正内容は意外と出題されていない。
テキストや過去問題集は、改訂版が発行されると以前のものが極端に値崩れするので、フリマサイトでかなりお得に購入できる。
2級と3級のテキスト内容にさほど大きな差異はなく、2級のほうが多少詳しく記載してある(その分、分厚い)程度。
ということがあります。特に、セルフでの模擬試験を(各試験回で)2回以上繰り返すことが大事ということを今は感じてます。間違えた部分を単純に復習するだけで、改めてもう一度解く機会を作らなかったことが、前回の反省点です。
ということで、
再受験にむけては、
過去問題集だけサラッともう一度勉強。知財関連法一覧(後述)を更新。
過去問集付属の模擬試験、および過去3回分の問題を2、3回づつ実施。
を実施しようかと。見積としては、50時間程度。科目合格後、ずいぶん放置したので、復習に時間がかかってもう少しかかるやもです。
なお、私見ですが、多少知識のある方であれば、3級はパスして2級から受けて構わないと思います。また、受験要件となる"実務経験"の定義は、範囲が広いです。小生の場合は、"技術"の"研究・開発"業務が該当しました。会社に証明書の提示を求める必要もなく、自己申告制です。
以下は小生が使用したテキスト&過去問題集です。
【国家試験】知的財産管理技能検定 公式テキスト 2級 改定9版
(編)知的財産教育委員会
(出)株式会社アップロード
【国家試験】知的財産管理技能検定 厳選過去問題集 2級 2020年度版
(編)知的財産教育委員会/アップロード
(出)株式会社アップロード
4.参考情報
国内知財関連法一覧
参考書の内容を整理したものです。この内容を理解して丸暗記しておけば、2級を簡単にパスできる?なお実用新案法については、大して重要でないので割愛しています(覚えることは、“小発明の保護で物が対象、実体審査のない不安定な権利で、救済請求時には実用新案技術評価書が必要、権利存続期間は出願から10年、パリ条約の優先権は12ヵ月”、程度かと)。この他、不正競争防止法、民法、独占禁止法、関税法、種苗法、弁理士法といった関連法も合わせて勉強する必要がありますが、一般常識で解ける問題が殆どです。唯一、種苗法は内容を知らないと解けない事もあるので、テキストで勉強する必要がありました。
IPランドスケープ
言葉の定義だけ知っておけば問題ありませんが、小職は以下の書籍を読み、知財業務に関するモチベーション向上に努めました。本試験勉強では、“知財って極めて保守的”、となりがちですが、IPランドスケープの世界を知ることで、より積極的に知財に向き合えるかと思います。
IPランドスケープ経営戦略
(編)渋谷高弘、IPL経営戦略委員会
(出)日本経済新聞社
言葉の定義;経営戦略・事業戦略策定のために、積極的に知財情報および非特許情報を統合して分析した環境と将来の見通しを経営陣・事業責任者へ提示するもの。
過去の 合格率推移
2級の受験者数は2000人前後で、その合格率は約30~60%と年によってかなり幅があり、平均すると40%強くらい。傾向を見ると、何となく各回どちらかの科目が難しい、というような。。。合格率は合格者数÷受験申込者で算出していますが、コロナの影響もあるので(欠席者数は不明)何とも言えませんが、隔回で強弱があるようにも見えます。単純に試験問題の品質が安定していないということでしょうか。また、毎回必ずいやらしい問題が少なからず仕込まれています。例えば、“最も不適切と考えられるものはどれか”という問いに対し、グレーなものとよりグレーなものが列挙され、よりグレーなものが正解、とか、特許法では正しくても独禁法や不競法では問題では?と思われるものが意外に正解だったり、変な日本語だったり、急に難しい(テキストには出てこないような)文言が使われたり、と様々です。これはもう慣れるしかないですね。小生のような?素直な人間はその点で、正答率90%が満点で(10%は必ず踏んでしまう地雷)、4問しか間違えられない、というつもりで試験に臨むべきです。
e-learning教材
小生はチラ見した程度ですが、JST(科学技術振興機構)のe-learning教材にも知財のコンテンツが準備されており、無料で閲覧できます。かなり情報が古いか?というネックはありますが、知財についてサラッと勉強するには有用かと思います。
5.最後に
たかだか50~100時間の勉強時間を捻出することであっても、社会人にとってはソコソコ大変だったりしますよね。今回の場合は、3カ月あるので、まぁ大丈夫だろうとは思ってますが。私がこれまでやってきた捻出方法としては、
週一回、休日に、図書館 or コワーキングスペースにこもる☞7時間/週ほど確保
通勤中に電車で参考書を眺める and/or YouTubeで関連動画を眺める☞2.5時間/週ほど確保
会社帰りに喫茶店で勉強☞1〜2時間/回ほど確保
自宅で、朝 and/or 夜に勉強☞1〜2時間/回ほど確保
無理すれば1カ月で100時間達成可能かも知れません。でも、かなり難儀でしょう。仕事で疲れ切って、会社帰りor自宅で勉強する気力がない。仕事、家族、地域のイベントで、休日の丸々1日を勉強時間に割けない。急な出張やトラブル対応が入り、対応で時間が割けない。なんてなことはザラだと思います。そもそも、家族の理解・協力も無いと、成しえないことです。
自分の努力だけでは成しえない事と理解し、感謝の気持ちを忘れず、無理しない程度に頑張ってみます。同じく3月の試験を受験予定の方、一緒に頑張りましょう!当方の結果は改めて記事にしようと思います、ご期待ください!