技術士試験(化学部門)㉑_時事などなど
技術士二次試験の化学部門-化学プロセスについて、必須科目Iおよび選択科目IIIで出てきそうなキーワード(話題)について振り返ってみます。
これらの設問は、化学産業・化学工業に関係する技術者(あるいは各選択科目の専門技術者)としての、見識が問われるものと小生は理解しています。
本件、1万字以上書きました。ちょっとくどいですがご容赦ください。何せ、70点/100点のポートフォリオを占める設問が故。
■キーワード
以下に、時事(社会課題)などなどのキーワードとして、令和元年から3年までの出題テーマを列挙します。内容が思い出せるか?というよりも、世界的な動向、本邦政府・省庁の方針、世論も踏まえ、化学産業・化学工業に関わる技術者としてこれらにどうアプローチ出来るか、推考してみてください。
必須科目I_化学部門(出題年)
資源の安定確保(R1)
国際競争力(R1)
安心・安全・安定な社会~コロナ渦を受けて~(R2)
エコマテリアル(R2)
デジタル化(R3)
脱炭素社会化に伴うシーズ・ニーズの変化(R3)
選択科目III_化学プロセス(出題年)
水素製造・貯蔵・輸送(R1)
デジタル技術(R1)
新プロセスの基本設計(R2)
廃プラスチックのケミカルリサイクル(R2)
BOG処理(触媒酸化)装置の設計(R3)
再生可能エネルギーの普及(R3)
どれも、重要な時事(社会課題)ですねぇ、、、
と思いきや、あれれ?選択科目IIIで、令和2年から設計に関する出題が!!
これ、ここ十数年なかった傾向です。設計に関する出題は選択科目II-2(1,200文字)での登場が常でしたが、選択科目III(1,800文字)で出題されて、より詳細な専門知識を問われます。詳細といっても、プロセスエンジニアとして概念設計や基本設計の業務経験があれば、お馴染みの内容なので、むしろラッキー問題?
また、小職が思うに、、、令和元年の試験要綱改定で必須科目が択一式から小論文に変更されて、結果的に必須科目Iと選択科目IIIの内容が被ってしまうんですね。。。
例えば、
R1:(必須)デジタル化 ⇔(選択)国際競争力
(必須)資源の安定確保 ⇔(選択)水素製造・貯蔵・輸送
R2:(必須)エコマテリアル ⇔(選択)ケミカルリサイクル
R3:(必須)再生可能エネルギー ⇔(選択)脱炭素
どれも、関連付けられて、同じような議論ができてしまう。
選択科目IIIは、特に化学プロセスの専門家としての解答を意識すべし、なんだと思いますが、社会課題へアプローチとして、化学分野の専門家、化学プロセスの専門家で、考え方・目線が変えれるかい???
これに関しては、小生、なんも言えません。じゃによって、必須科目Iと選択科目IIIの小職解答は、議論が被ってます。同じようなポイントをハイライトして書いてます。結果的に、それでも合格はできました。
■設問
冒頭で述べたように、知識や経験というよりも、見識が問われます(設計問題を除く)。専門家として、技術の説明、課題の特定、解決方法の策定、解決策の実施、公益の確保(持続性・技術倫理)を論じます。
必須科目Iの設問は、以下のような内容です。
設問1:XXXを多角的に分析して3つの課題を(化学産業・化学工業に関係する技術者として)抽出し、分析、説明せよ。
設問2:抽出した課題のうち要求事項と影響の重要度を考慮した上で課題を1つ挙げ、その課題に対する3つ(複数)の解決策を示せ。
設問3:解決策を実行した際に新たに生じるリスクを示し、それへの対策について、専門技術を踏まえた考え・対策を示せ。(また、期待される波及効果を示せ。)
設問4:設問1~3の業務遂行において、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から留意点を述べよ。
また、選択科目IIIの設問は、以下のような内容です。
設問1:XXXについて、開発中も含めて複数の技術事例を挙げ、(化学プロセスの)技術者としての立場で多面的な観点から(普及するための)課題を抽出し分析せよ。
設問2:設問1で抽出した最も重要と考える課題を一つ挙げ、その課題について複数の解決策を示せ。
設問3:設問2で示した解決策の実施に際して、生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
設問は大体こんな感じで、必須科目Iと選択科目IIIは、似たような設問ですね。違いを挙げると、
必須科目Iの方が、漠然とした大テーマ。選択科目の方は設問自体やや具体的で、化学プロセスが直接関与する最近話題の技術分野、ではあります。
必須科目Iでは、設問4で公益確保(持続性・技術倫理)について論じる。
選択科目IIIでは、設問1で技術説明が求められる。
なお、上述した設計問題は、選択科目II-2(別報の設計などなどを参照ください)の拡張版で、よりSpecificに設計業務や技術的な内容を問う、といった趣です。
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