フィードバックのループ:実験、Vodレビュー、習慣作り
はじめに
本記事はzyf氏によるthe feedback loop: experiments, vod review, and habit-buildingの日本語訳になります。翻訳にあたり掲載許可はいただいております。
日本のユーザーの反応も楽しみにしているとのことなのでコメント・Twitterなどで感想を頂けますと幸いです。
原文最終更新:2024年1月16日
前回の記事
シリーズ目次
0 :より賢くプレイする:戦術的思考を改善するためのガイド
1a:盤面管理入門
1b:物々交換、1対0、そしてリソース管理の技術
1c:キーポジション、ボックス、その他:ポジションの取り方
2a:ゲームの状態のフローチャート:試合の流れのメンタルモデル
2b:フローチャートを使ってゲーム内で考える
→3 :フィードバックのループ:実験、Vodレビュー、習慣作り
復習と導入
前回の議論では、フローチャートを使って試合中に意志決定を行う方法について説明した。
次に、もしフローチャートが間違っているか、あるいは実際にどのゲーム状態が良いのかを理解していない場合、意志決定はできても、その判断は悪いものになる可能性があることを指摘した。
改めて確認しておきたい。
基本的な意思決定プロセスとは、現在の状況を把握し、その状況をどう変えたいかを選び、その方向に状況を変えるために実行すべき具体的な行動を決めることである。
これとは別に(そして備忘録として)、優れた意思決定をするために習得すべきサブスキルのリストの復習をしておこう:
(1a) 現在のゲーム状態を認識する能力(フローチャート上で今どこにいるのかを見つけること)
(1b) どのゲーム状態への変化が可能かを認識する能力
(1c) その変化のうち、どれが良いかを評価する能力
(1d) 有利なゲーム状態に移行するために最も適したアクションを見つける能力
(1e) リスクとリターンを評価する能力
前回のドキュメントに基づいてしばらく練習してきたなら、(1a) は習得できているかもしれないが、それ以外についてはまだ不安定だろう。
そこで、今回はフィードバックループをまとめて、意思決定を意図的に行うだけでなく、実際に改善する方法を学んでいこう。
簡単に言えば、実際に(1b) から (1e) のスキルを学び、発展させるには、自分の行動の結果を認識することを学ばなければならない。
したがって、このドキュメントの目的は、理論や「こうあるべきだ」という先入観に頼るのではなく、実際の試合で何が起こったかに基づいて原因と結果を認識し、ゲームの理解を深めるプロセスを提供することである。
この分析プロセスの結果、試合中の工程を調整して、何をすべきかをランダムに直感的に判断するのではなく、より一貫して適切な決定を下すことができるようになるだろう。
この前提をもとに、本題に入っていこう。
フローチャートの意思決定は実験である
前回のドキュメントではすべてを説明しなかったが、現在のゲーム状態を認識し、どのゲーム状態に変化させるのがいいのか、そして、それに向けて取るべきアクションを明確に選択する、ということを通して、あなたを学びのための実験の構築へと導いてきた。
もし私のアドバイスに従い、試合全体を通して明確な意思決定を続けているなら、あなたは基本的に『[現在のゲーム状態 Y] で [アクション X] を選択すれば、[未来の望ましいゲーム状態 Z] を達成し、それが勝利に繋がるだろう』という仮説や予測を構築していることになる。
それはつまり、以下の2つの推論を行っているということだ。
状態 Y で X を選択すれば、状態 Z に到達する
状態 Y から状態 Z に移行することが、勝利の可能性を高める
今回は、クサヤ温泉のガチエリアを例に説明していく。
自分はスプラシューターを使い、ガチエリアの打開の状況である。
具体的には、敵チームはチームT、自分のチームはチームUであり、現在はほぼリスポーン地点に閉じ込められている。
自分は右上の路地にいて、ウルトラショットが溜まっていると仮定する。
仮に、あなたがエリアを奪還するためのスノーボール式の展開を始めるために、まずは敵を1人倒したいと考え、右の路地をさらに下り、下にいるシャープマーカーやスプラチャージャーコラボをウルトラショットで狙うことにしたとする。
その場合、あなたの主張は次の通りである。
最初の仮説は、このようにウルトラショットを使えば、右下にいる敵の1人を倒せるというものである。
次の仮説は、右下の敵を1人倒せば、それが直接的に、あるいは最終的にエリア奪還に繋がるというものである。
素晴らしいことに、ただ試合をプレイするだけで(または試合後にスプラトゥーン3の素晴らしいメモリープレイヤーを活用することで、レビューは以前よりもはるかに簡単になっている)、これらの仮説が正しかったかどうかを確認できる。
その結果に基づいて、フローチャートや意思決定を調整することが可能である。
このような実験の分析方法自体は比較的シンプルであるが、ここではその細かな点についてもう少し議論しておきたい。
仮説1のレビュー/分析 (Yから[X]を経てZに到達できるか?)
まずは仮説1「ウルトラショットを使えば、右下にいる敵の1人を倒せる」について考えてみよう。
最初に行うべき最も明白なステップは、Xを実行した結果、Zの状態に到達したかどうかを正直に評価することである。
この具体的なケースでは、「狙った相手を倒せたか?」という点に尽きる。
他の選択肢としては、「狙った場所をクリアリングできたか?」や「敵のスペシャルを無効化できたか?」なども考えられる。
簡単な場合は、仮説が正しく、仮説2の分析に直接進むことができる。
しかし、Xを行ってもZに到達しない場合(誰も倒せなかった場合)は、いくつかの可能性がある。
XがZに繋がらなかったが、他の方法でZに到達できる(例えば、右の路地からウルトラショットを使うのではなく、他の方法で後衛の敵を倒せる)
どんなXを選んでもYからZに到達するのは不可能である(前線に敵が2人がいて、チーム全体がリスキルされている状況では、後衛の敵を安定して倒すことはできない)
XがZに繋がるはずだが、自分の実行が不十分だった。(ウルトラショットで倒せるはずだが、エイムが悪かった)
まず第一に、ここで明確にしておきたい点がある。
仮にS帯以上のレベルにいるのなら、この失敗を3つ目の選択肢「単にミスをした」にするべきではないことが多い。
一般的な指針として、1回だけ失敗した場合や極端に失敗した(例えば、マップから落ちた)場合には、実行ミスが原因と考えてもよい。しかし、Xを行ってもZに到達しない(もしくは類似のXを行っても類似のZに到達しない)ことが何度も続く場合、それは偶然ではない。
一つの可能性として、より安定して強いプレイヤーはXによってZに到達できるが、あなたがまだそれを実行出来るだけのレベルに達していないということがある。
その場合、自分が問題だと証明するために、上級者やトッププレイヤーが似たような状況でXを行い、Zに到達している事例(例えば、上手なプレイヤーが右の路地でウルトラショットを使って敵を倒している状況)を探してみると良い。(高レベルのプレイを見る方法については後で詳しく触れる。)
しかし、それができない場合は、他の2つの可能性が高く、自分のエイムではなく、ゲームに対する理解が間違っている可能性がある。
仮に、3つ目の選択肢ではないと仮定しよう。
その場合、1つ目の可能性か2つ目かを判断するには、時間をかけて検証するか、再びハイレベルのプレイを研究する必要がある。
例えば、他の行動を試して、YからZに到達できるかどうかを確認することもできる(異なる角度からウルトラショットを使う、または図2にあるように左から抜け出してマップ中央を通り、敵が気づいていない間に背後から倒すなど)。
また、トッププレイヤーを見て、彼らがどのようにYからZに到達しているかを調べることもできる。
もし自分がうまくいかない、またはトッププレイヤーがそのルートを選んでいない場合、YからZへのルートがそもそも実現不可能である可能性が高く、異なるZを設定し、再度プロセスを繰り返すべきである。
仮説2のレビュー/分析 (Zが勝利に繋がるか?)
さて次は、2番目の仮説「右下の敵を1人倒せば、それが直接的に、あるいは最終的にエリア奪還に繋がる」を見ていこう。
そもそもZはチームにとって有益なのだろうか?
これを解明するための最良のアプローチは、視点を広げ、オブジェクトの段階によるフローチャートから始めることである。
さあ自分のプレイを振り返ってみよう(メモリープレイヤーで直接確認することを強く推奨する!)。
一般的に、敵がガチエリアを確保しラインを上げている時は、それを止め、エリアを奪い返したい。また、こちらがガチエリアを確保しラインを上げられているときは、その状況を維持したい。
したがって、Zが適切かどうかを自分で判断するためには、Zの状態の後に起こった一連の状態が以下のいずれかに該当するかどうかを調べるべきである:
オブジェクトコントロールが自分の有利に進んだか、それとも不利に進んだか(もしキルできた場合、その後エリアを取り返せたかどうか)
または、Zの状態が前の状態で起こっていた(相手にとって)良い連鎖を妨害したかどうか(例えば、相手チームのシャープマーカーが自分にウルトラショットで倒され、その後エリアをとられたとしたら、相手はYの状態で立っていた場所が悪かった可能性がある。結果として、Zの状態が発生し、エリアをとられたことになる)
これはかなり難しいかもしれないが、試合の傾向を分析するためには、試合を俯瞰的な視点で観察して、次の点を確認することが1つの方法である。
どちらのチームがより多くデスしているか?
どちらのチームが後退しているか/マップ上のインクがどちらのチームに有利に広がっているか?
境界ボックスで何が起こっているのか。どちらのチームに有利に形成されているか、それとも崩壊しているか?
−余談:具体的な助言を求めることは有益である
しかし、時には依然として混乱することがある。
その場合、諦めて直感がつかめるまで実験を続けるか、あるいは、もし真剣に取り組んでいたり、上手いプレイヤーと繋がりがあるなら、そのタイミングで援軍を呼ぶ、つまり、ゲームを自分よりよく理解している友人やコーチに助言を求める絶好の機会である。
そして、状態Yにいるときに、ゲーム状態Zを目指すことが良い選択だったのかどうか、彼らに具体的に聞くと良い。
もし実際にコーチングを受けているなら、コーチは、具体的な質問をしてくれることに非常に感謝するだろう。
それにより、コーチは具体的な答えを出しやすくなるし、あなたが学習に対して主体的に取り組んでいることを示すことにもなる(経験から言っているのかもしれない)。
実験結果に対する対応方法
さて、状況Yでの試合展開を分析した。次に何をすればいいのか?
もしZが有益であるなら、Zにより確実に到達するための行動Xを見つけるようにしよう(例えば、後方の敵を倒すことが有効だとわかった場合、ウルトラショットがないときでも敵にバレないように動くことで同じことができるかもしれない)。
Zが自分にとって不利だとわかった場合は、Yの状態にいるときに別の短期目標を設定するべきだ。
実験をして学びを深めたいなら、たとえZが今まで有効だったとしても、より有効なものがあるか確認するために、異なる目標を設定してみることもできる。
例えば、ウルトラショットで1人倒してまっすぐエリアを取りに行くことが有効だったとしても、敵全体を全滅させることを試してみると、より長期的にゾーンを確保しやすくなるかもしれない。
このような実験を繰り返すことで、どのタイミングで、何を目指し、どのように達成できるか、を安定して把握できる直感が養われていく。つまり、時間をかけて、意思決定スキル(1b~1e)を徐々に身につけていくことができる。
上級者のプレイを学ぶ
ここで一旦話を転じ、なぜ上級者のプレイを研究することが有益なのか、またその方法について補足しておきたい。
私が最初に学び始めた頃、すべてを自分で解決しようとするのが最良の戦略だと思っていた。
しかし、やがて気づいたことがある。それは、相手が自分と同じレベルで未熟だからこそ通用しているだけの戦略があるということだ。
より上の相手に勝ちたいなら、彼らのルールに従ってプレイしなければならない。そのため、毎回自分のレベルが上がるたびに学び直すよりも、最初から上級者相手でも通用する解決策に飛びつく方が早いこともある。この点を理解した上で、次のセクションでは、なぜ上級者のプレイを見ることが良いのか、その理由と方法について述べる。
他人のプレイを見ることの利点
まず簡潔に言えば、上級者のゲームプレイを見ることの大きな利点の一つは、彼らが特定のゲーム状況から、自分では考えもしなかった動きをすることがあるからである。
しかし、彼らの動きが自分よりも優れ、速い点には細かい違いがあることが多いので、その違いが何かを見極め、自分のプレイにどう適応させるかを考える必要がある。
また、自分より少し上のレベルのプレイヤーのプレイを見るのも非常に有益である。なぜなら、同様に自分が思いつかなかったクリエイティブな解決策を他のプレイヤーが見せてくれて、かつ、彼らの技術は自分とそこまで差がないので、実際に自分の試合で再現できる可能性が高いからである。
−余談:フィジカルの差に注意する
特にこのセクションでは、トッププレイヤーのプレイを見る際には、非常に慎重な姿勢を持つべきであることを強調したい。
まず第一に、彼らのやることすべてがうまくいくわけではない。
彼らの行動の長期的な結果を必ず研究し、その行動が実際にカウントや数的有利に貢献しているかどうかを常に考えるようにしてほしい。
第二に、上級プレイヤーは単にフィジカルに優れていることもある。
時には、理論的には成功しないはずのことが、彼らのエイムや動きが相手よりも優れているためにうまくいくこともある。
そのため、繰り返しになるが、単一の例だけで判断せず、彼らがその動きを安定して行っているのか、それともたまたまその場面で成功しただけなのか、サンプルサイズを増やして検証することが大切である。
特定の状況を念頭に置いた研究
トッププレイヤーのプレイを単なる観客としてではなく、学びとして見る方法はいくつかあると思う。
ドキュメントの前半で触れたように、最も有効な活用法は、自分が状態Yにいるときに何をすべきか迷っている状況を特定し、そのゲーム状態でのトッププレイヤーの例を探すことである。
そうすれば、彼らがどのような行動Xを選び、どのようなゲーム状態Zに至るのかを学ぶことができる。例えば、復帰時にリスキルされているとき、トッププレイヤーのスプラシューターがどのような戦略を取っているかを研究することができるだろう。あなたとは全く異なる行動Xをとるかもしれない。もしそのプレイヤーと直接繋がりがある場合は、彼らに具体的な状況での思考プロセスを直接聞くこともでき、それによってより深い視点や優れた考え方を学べる。
汎用的な学習方法
もし、特定の状況を探していない場合、次に良い学習方法は、トッププレイヤーの映像をゆっくりと再生し、定期的に一時停止して自分の思考時間をシミュレートすることである。
その際、現在のゲーム状況Yを判断し、自分が目指すべきZと、それに向けた行動Xを決めるプロセスを進める。
そうすることで、再びトッププレイヤーが何をしているのかを明確に学ぶことができる。
彼らは自分と同じ状態Zを目指しているのか?
同じ行動を取るが、異なるゲーム状態を目指しているのか?
なぜ彼らはその選択をし、それは成功するのか?
結果がどうであれ、その結果がなぜそうなったのかを考えることも大切である。
これらの質問は全て、物事がどのように進むか、どのように進む可能性があるかについての直感を研ぎ澄ますのに役立つ。
試合中の論理に直接関係しないかもしれないが、これらのことについての理解が全般的に深まれば、試合中の意思決定も自然と改善されるであろう。
さらに、繰り返しになるが、もし理解できない部分があるなら、レベルの高い友人やコーチに意見を求める絶好の機会である。
おそらくあなたが理解していない、ゲームの状態に関する何かの要素が彼らの決定を良いものにしているのだろう。(例えば、残りカウントやエナスタ状態など)。
このような場合、外部の視点を借りてさらに学ぶチャンスである。
新しい習慣を学ぶ
適切な意思決定を学ぶための最後のステップ(!!)は、試合後の分析や他のプレイヤーの映像から学んだことに基づいて、ゲーム内の意思決定に影響を与える力を身につけることである。
ここでは、「探索」と「強化」という2つの異なる学習方法を区別しておきたい。
探索とは、行動Xがダメだとわかっている場合、別の行動Wを試してみることだ。ただしWが何なのかはまだ分からない。
例えば、YからZに移行することが可能だと思っているが、行動Xがうまくいかなかった場合が該当する(図1の例だとクサヤ温泉の相手の後衛を倒したいが、ウルトラショットが信頼できないなど)。
この場合、再び状態Yに達したとき、どの行動Wを選ぶべきかわからないが、少なくともXを再度選びたくないことはわかっている。この場合、Xを選んだときと同じように、直感やランダム性でWを選ぶことができる。
これに対して強化は、新しい行動Wを習慣付けることだ。
状態Yにおいて常に行動Wを選んでZに到達したいとわかっているが、Xを選んでしまう悪い癖がある場合が該当する(例えば、クサヤの自陣右の路地の端に到達したらすぐにウルトラショットを使う必要があると知っているが、つい相手に気づかれる前に攻撃を仕掛けてしまって自分の場所をバラしてしまい、その結果逃げられたり倒されたりしてしまう場合)。この場合、何をすべきかは明確であるが、悪い行動が習慣化しているため、それを改善する必要がある。
残念ながら、古い習慣を魔法のように一瞬で変える方法は見つかっていないが、探索と強化のどちらにおいても、共通して言えることが一つある。
一度にひとつのことに集中する
一度にひとつ(または少数の)課題に集中し、それに対して大きな注意を払うことは非常に価値があり、効果的である。
つまり、ゲームで着実に上達したいのであれば、段階的に、一歩ずつ進めることが最善の方法である。
このようなアプローチは決して新しいものではなく、多くの人が言及しているが、それでも繰り返す価値がある。
なぜなら、これはあらゆるスキルの向上において、実際に大きな違いをもたらすからだ。
あれもこれも一度にやろうとすると、すぐに尻込みしてしまうが、1つのことに絞ることで、集中しやすくなり、改善の手応えを感じることができる。
また、特定の状況に焦点を当てて上手くなるのを自分自身で確認できると、モチベーションも向上しやすい。
たとえ全ての試合に勝てなくても、目標とした状況での勝利が増えることで達成感を得られるのだ。
一度に考えることを制限することで、1セット2時間でどれほど勝てるかに関わらず、意味のあるものとなり、やりがいを感じることができる。
この点についてはモチベーションやメンタルについての話になるため深く掘り下げないが、このようなプレイスタイルが精神的な向上にも役立つと考える。
具体的に「一度にひとつ、または少数のこと」とは、プレイを始める前に、意思決定を改善したい特定の状況や種類の状況をいくつか決め、思考時間の初めに、または現在のゲームの状態を評価した後、「今、自分が今日集中すると決めた状況にいるか?」と自問自答することである。
この考えを頭に入れておくことで、実際にその状況でのプレイスタイルを調整し、新しい習慣を形成し始めることができる。
もちろん、これには時間がかかることもあるし、個人差もあるが、その状況で新しい良い行動を繰り返していれば、最終的にはそれが無意識にできるようになる。
つまり、その状況ではそれ以外の行動が思い浮かばなくなるくらいに習慣化される。
具体例として、現在私は、味方がガチエリアを確保している状況で、境界ボックスを維持し、敵が再突入しようとするのを阻止するような場面で、「潜伏」をすることがあまり得意ではないと感じている。
そのため、最近はこうした潜伏の状況で、自分のポジショニングやエイム、敵がいつ復帰するかの把握に特に注意を払っている。まだ進行中の課題ではあるが、確実に上達してきている。
最終結論
これで、戦術的な意思決定について自分が伝えたかったことはすべて話し終えた。
もし、このプロセスに真剣に取り組み、試合中に重要な状態に集中し、意図的な意思決定を行い(自分の反応速度や評価速度に合ったペースで)、試合後や上級者のプレイを見ながら自分の判断や実験を分析し、その後に、(a) 結論を次のプレイに取り入れて実践し、(b) 新たな観察を基にゲームの状態を分析し理解する手法を改善していくというサイクルを繰り返し、十分な時間と努力を費やすことが出来るなら、誰でもこのゲームで非常に上手くなれると本当に信じている。
そして、ひとつずつ課題に取り組み、段階的に進めていけば、自分のプレイスタイルが目の前で形成されていくのを見ることができるだろう。
それは「ボムをひたすら投げる」というような単調な戦略ではなく、自分が作り上げ、理解し、誇りに思えるような本物のプレイスタイルだ。
皆さんの学習の旅の幸運を祈るし、このシリーズから何か有益なものを得られたであろうことを願っている。