見出し画像

自分を見つめ直した時、見えてきたもの

頑張る若者の活躍を願う。

1級建築士の資格を取得し、初めて製図板に向かった日、線一本がなかなか書けませんでした。「これから私はどんな建築士になりたいのだろう?」と、自問自答しながら思い描いたのは「ハートフルハイクオリティ」という設計思想でした。それは、建築士としての責任と創造性を胸に刻み、一本の線を引くことから始まりました。

安藤忠雄が「感動することが引き金になる」と言っているように、巨大な建築や美しいデザインに触れるたびに、私は新たな興味を抱いてきました。一方で、現実の厳しさに直面し、困難を乗り越える中で、真実に向き合うことの大切さや本物の価値を学びました。

これから建築を目指す若者たちには、薄っぺらな建築人にはならないでほしいと願います。多くの感動を経験し、吸収し、創造人として大いに活躍してほしいと思います。日本の建築は、気候や災害に「力」で対抗するのではなく、「いなす」知恵を持っています。仏教とともに取り入れられた建築技術を日本独自の美的感覚で昇華させた先人たちの叡智を、ぜひ謙虚に学びつつ、さらに新しいものを生み出してほしいと思います。

私も、やりたいことに挑戦しつつ、これからを担う若者を応援していきたいと考えています。意匠を専門としながら構造に挑戦した経験、2×4工法や伝統構法に携わった知見、そして文化財保存に関する実務―これらの経験が、きっと誰かの役に立つと信じています。

いいなと思ったら応援しよう!

伝統建築ラボ|ヒロラボサイト
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!

この記事が参加している募集