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Happy Women's Map 富山県富山県黒部市 「富山型デイサービス」創始者 惣万 佳代子 女史 / Founder of "Toyama-style Day Service", Ms. Kayoko Soman

-富山型デイサービス  / Toyama-Daycare Service

「お年寄りも障害者も誰も排除しない」
"Nobody excludes the elderly or people with disabilities."

惣万 佳代子 女史
Ms. Kayoko Soman
1951 - 
富山県黒部市生地町 生誕
Born in Kurobe-city, Toyama-ken

惣万佳代子女史は日本で初めて、高齢者・障がい者・児乳児が一緒に過ごす共生型福祉施設を開設。今では市民はじめ行政の賛同を得て「富山型デイサービス」と呼ばれ全国に展開しています。
Ms. Sayoko Soman established Japan's first inclusive welfare facility where the elderly, people with disabilities, and young children can spend time together. This model of care, known as the "Toyama-style Day Service," has gained support from both citizens and local authorities and has expanded nationwide.

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「畳の上で死にたい」
 佳代子は富山県黒部市生地町に生まれ、富山赤十字高等看護学院を卒業後、富山赤十字病院に看護師として20年勤務します。内科病棟、小児病棟、内科病棟で息を引き取る患者を何人も看ます。患者は人工呼吸器などいろんな機械に管理され、医師や看護師、家族までも心電図ばかりを見ているという不自然な光景に疑問を持つようになります。「これでいいのか。」入院患者は佳代子に泣いて訴えます。「自分の家ながにどうして帰れんがけえ。畳の上で死にたいと言うとるがに」一方、佳代子の母親は半年間の余命宣告を受けながら自宅の居間にベッドを置いて、孫たちに囲まれながら15年間一緒に暮らしました。

「地域の人を応援しよう」
 1993年富山赤十字病院を退職した佳代子は、同僚に声をかけて看護師3人でデイケアサービスの開設に向けて準備を始めます。「小さい頃は、地域にはちょっと違った人、いわゆる知的障害者とか、困った婆ちゃんもいて、近所の人たちも自然に付き合っていた。」「治療を目的とする病院では死は「敗北」でも、生活の場からみたら、老人の死は自然のことではないだろうか。」いつの間にか失われつつあるそうした地域の風景を取り戻すように、高齢者だけでなく子どもや障がい者などの誰もが利用できる施設を目指します。「そうだ、地域の人を応援しよう」。

「このゆびとーまれ」
 早速、設立資金準備段階で壁にぶつかります。行政の補助金を申請すると「高齢者か子どもか障がい者か、どれかに絞らないと補助金の対象にならない。」銀行に融資を申し出ると「病院を退職しているので融資はできない。」そんな中、事業に賛同する商工会議所の後押しで国民金融公庫から資金を借り、佳代子たち3人の退職金の一部をつぎ込んで、富山県で初めての民営デイケア ハウス「このゆびとーまれ」開設にこぎつけます。1日の利用料は2500円(食事込み3000円)。まわりの特別養護老人ホームの約5倍。最初の申し込みの電話が入ります。重い障がいをもった3才児の母親で、「この子が生まれてから一度も美容院に行ったこと がない。今日、パーマをかけてきます」

「このゆびとーまれ」2
 利用者の少ない日々が続く中、富山県内はじめ全国から寄せられた寄付金で運営をまかないます。1998年NPO法成立を受け、「このゆびとーまれ」も富山県ではじめてのNPO法人認証を受けます。マスコミにも取り上げられ注目される中、富山県から全国で初めて高齢者と障がい者の壁を打ち破って年間360万円の補助金交付を受けます。2000年介護保険制度が施行すると、NPO法人「このゆびとーまれ」も介護保険制度の指定業者になり、1日の利用料1300円程度(食事・入浴・送迎込み)を実現、利用者は徐々に増えます。或る日、町内会から一人暮らしの認知症のお年寄りを「施設に入れて欲しい。困っている。」お年寄りが地域で一人暮らしができるように佳代子たちが支援をはじめると、地域住民も送迎のための道を除草また除雪するなど手伝い始めます。「やがて、おら達も体が弱ってもずーっと家でねばるちゃ。」

「はたらくわ」
 2006年障害者自立支援法の施工後に開所した就労継続支援B型「はたらくわ」は福祉推進特区として認められ、全員が他のデイサービス施設で働いています。B型就労の工賃(給料)の全国平均は月に平均1万6,500程度のところ、はたらくわの工賃(給料)は月に4万~4万5,000円。「障害年金と合わせて自立できる額」「作業のための作業でなく、日常生活に役立つ仕事」を確保するために佳代子らは模索しながら奔走します。2015年、佳代子は赤十字国際委員会よりフローレンス・ナイチンゲール記章を受章します。
老人たちは「この子達といると気が晴れる」「子どもに見られていると思うと、背筋を伸ばし、 シャンとして歩く」。子供たちはたくさんのお年寄りの死を怖がらずに見送り、施設で働く障がいをもつお兄ちゃん・お姉ちゃんたちと遊び、迎えに来た保護者たちは「将来こんなふうに働いて役に立てたらいいね」と子どもに語りかけます。

-デイサービスこのゆびとーまれ Konoyubitomare-Daycare Service
-富山型デイサービス -Toyama-Daycare Service

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