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多頭飼いについてのいろいろ

この記事は、インスタグラムでいただいた質問に基づいて、多頭飼いについて考えるポイント、避けた方がよいケースについて詳しく解説しています。

結論から言うと
「多頭飼いのタイミングはケースによって異なり、避けるべき場合も様々」です。
一概に言えない点もありますが、それぞれのケースに合った判断が大切です。
具体的にどのような要素を考慮すべきか、詳しくご説明していきます。

”タイミングは本当にケースごとによって違う”
”避けた方がいいケースはいろいろある”



多頭飼い自体はよいと考えている

最初に”多頭飼い”について、立場を明確にしておくと
”多頭飼い自体は全然よいと考えている”

実際に私自身も多頭飼いの経験があり、飼い主にも犬にも楽しみが増える良さを感じています。
ただし、注意すべきは「新しく迎える犬と先住犬の福祉が向上するかどうか」です。

”その子の福祉が大きく損なわれないか?”
”多頭飼いにより、先住犬も迎える子も福祉が向上するのか?”

福祉の向上がカギになるということです。

多頭飼いを考えるまえに

まず多頭飼いをするしないに関わらず、イヌと暮らす中で考えつづけること
”いま目の前にいるこの子は、日々いい感じに満たされているか?”

ちょっとだけシビアな質問にはなりますが
”もし私がイヌなら、私と暮らしたいか?”

もちろん完璧なんてありえない。
けれど、頭の隅でイヌとの暮らしが少しでもより良いものになるように、考えつづけるのは大切なことです。

では
”いい感じに満たされる?”とはなんだろう

◽️ニーズがよく満たされている
◽️飼い主さんと良好な関係が築かれている
◽️飼い主さんとの関わりを持つ時間を取れている
◽️不安や恐怖におびやかされていない
◽️イヌや他のヒトとも良好な関係を築けやすい
◽️イヌの選択肢が多く用意されている


動物福祉”5フリーダムズ”

上記のようなことは動物福祉の最低限の国際的な指標である”5フリーダムズ”でも掲げられています。


とくに3・4・5の部分は見落とされがちです。

福祉への配慮が何かしらが欠けていると、大きな問題へ発展しやすくなります。
現時点で大きな問題を抱えているのであれば、多頭飼いを考える前に、まずは目の前の”この子”と向き合ってほしいと考えます。
そうでないと、次の子を迎えたときに、いろんなことが複雑に絡み合ってしまう可能性が高くなります。

ちなみに余談ですが、動物福祉には5フリーダムズを発展させた
「The Five Domains Model(ファイブ・ドメインズ・モデル)」という指標がとても参考になります。
札幌市円山動物園さんのHPにわかりやすい図が載っています。
リンクを貼っておきますので、とても参考になるので読んでみてください。

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