シニア期を元気で楽しく過ごすためのヒント
この記事は、インスタグラムでいただいた質問に基づいて、シニア犬について考えるポイントをついて深掘りして解説しています。
一般的にはイヌが7歳からシニアと言われています。いつから老化が始まるのかは身体の大きさ・個体差・生活環境などにより違い、はっきり断言できるものではなかったりします。
まず全国で飼育されているイヌの頭数と年齢別をみてみよう。
一般社団法人ペットフード協会が調査した2023年の資料を拝見
こうやって改めて調べると、相当数の子がシニア期に入っていることがわかります。16歳以上が6%もいることも驚きです。いつまでも元気で過ごしてほしいと願います。
さて、この記事ではみなさんと愛犬が、長く楽しく元気で過ごすためのご提案をさせていただきます。
人の年齢換算について
いきなり余談ですが、よく「うちの子は8歳だけど人間で言うと何歳?」
そんな会話を一度や二度はされたことあるのではないでしょうか。
トレーニングにたずさわる者としては、あまりそうしたことは気にしないのですが、この記事を書くために改めて調べてみたところ、最近面白い発見されていたことを知ったので、先にご紹介させていただきます。まずはよく聞くこの説。
この年齢換算について調べても、やはり根拠となるものは見つかりませんでした。イヌが15歳だと、ヒトの場合なら大型犬で105歳になるというのは、なんだか不自然な感じがしますね。
そこで2019年にカルフォルニア大学が発表した研究で
脊椎動物全般の加齢の指標としても用いられる「DNAメチル化」と呼ばれる指標を、ラブラドール・レトリーバーを対象とした大規模調査をした結果が発表されました。
ヒトの体の変化と照らし合わせるとこんな感じの換算になったという報告です。
今回はラブラドールを対象にしたもので、まだ研究途中とのこと。今後はいろんな犬種で調べていくと、もっといろんなことが発見されるのではないかとのことです。
なぜこの話を先に持ち出したのかというと、少し伝えたいことがありまして。
たとえばこの表で”イヌの3歳”を照らし合わせるとヒトの年齢で49歳”となってますよね。このときに
「3歳にもなって落ち着きのない!」みたいに思わないでほしいのです。
年齢換算はあくまで”身体的にくらべたもの”
時間の流れは、イヌもヒトも同じ。
3歳は3年間です。49歳は49年間です。
当然、同じ時間ではないですよね。
だからそこは勘違いしないで、イヌに多くを求めすぎずに、いろんな学習の機会を作ってほしいなと思います。
高齢性認知機能不全について
ヒトと同じようにイヌにも認知症のような症状があることは知られています。
一般的には老化に関連して、日常生活で支障をきたすような症状のことを指し
多くの文献では11歳ごろから発現し、加齢により増加すると報告されています。
また認知低下の兆候は
▪️11歳〜12歳で約28%
▪️15歳〜16歳で約68%
という報告があります。
それでは、どのような症状があらわれるのか、ざっとみていきましょう。
実際の症状例
①見当識障害(Disorientation)
「空間認識・周囲の環境に対する把握が難しくなる・身につけた経験の混乱」
②社会的相互交流の変化(Interaction)
人や他の動物との関わり方の変化、指示に対する反応の低下
③睡眠サイクルの変化
日中の睡眠時間が増え、逆に夜間の睡眠時間が減少する
④トイレのしつけの忘却
室内での排尿・排便コントロールの喪失や、今までの学習を忘れることを意味する
⑤活動の変化
目的を持った活動の低下と、無目的な活動の増加を意味する
やがておとずれる症状を少しでも緩和してあげたい
上記にあげたような症状は、すべてが必ず発現するわけではありません。
しかし少なからず、高齢になっていくほど、いろんな症状がでることは想像できます。
たとえば目や耳が聞こえづらくなる、排尿の量や回数が多くなるといったことは、身体的な問題、もちろん老化を止めることもできませんよね。
こうした症状がでてくる前に、シニアライフが豊かにしていきたいですよね。
少しでも症状を予防したり、いざ症状が出たときも苦痛を伴わないような取り組みを、できることから楽しんで始めていくヒントが、今回の本題となります。
前置きが長くてすみません。ここから本題に入ります。
そもそも”あそび”ってなに?
少しシニアの話から離れます。
さて、イヌたちが”楽しいあそび”と感じることってなんだろう?
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